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音楽プロデューサー・中脇雅裕の【80’sを聴け!!!Vol.3】
Every Breath You Take / 見つめていたい:The Police
この連載では私が青春真っ只中!80’sの素晴らしい音楽を皆さんに紹介していきます。
80’sの音楽と言えば日本でも洋楽がかなり幅を利かせていました。ロック、ポップはもちろんダンスミュージック、ラップなど80’sに登場したアーティスト、音楽はその後の世代に大きく影響を与えています。
では私の勝手な選曲で80’sの音楽を楽しんでください。
「Every Breath You Take / 見つめていたい」は、The Police 1983年のアルバム『シンクロニシティー』からの第1弾シングルとしてリリースされ、イギリスで4週連続、アメリカのビルボードで8週連続1位になった大ヒット曲。
この曲でStingは、1984年のグラミー賞最優秀楽曲賞と最優秀ポップ・デュオ/グループ(ヴォーカル入り)を獲得しました。
『ローリング・ストーン』誌が選んだ「史上最高のロックソング500曲(The 500 Greatest Songs of All Time)」では84位、Billboard’s All Time Top 100においては25位にランクインしていて、まさに名曲中の名曲。
先ずはThe Policeについて。
ジャズバンドに在籍していたベーシスト兼ボーカリストのSting、プログレッシブ・ロック・バンドで活動していたドラマーのStewart Copeland、そしてThe Animalsのギタリストだった、Andy Summersの3人組のバンド(4人だった時もありますが、基本はこの3人)。
この「Every Breath You Take」以外にも「Synchronicity」「Roxanne」「Message In A Bottle」「De Do Do Do, De Da Da Da」「King Of Pain」など、数々ヒット曲がある80年代を代表するロックバンドです。
幅広い音楽を吸収していたメンバーならではの知的なサウンドはロックに新しい可能性を示しました。
特にStingはソロになっても名曲を数々生み出し、正に生きるロック・レジェンドとなっていますね。
「Every Breath You Take / 見つめていたい」」はThe Policeの最大のヒット曲なのですが、探れば探るほど面白いネタがどんどん出てきます。
まず、この曲の歌詞の内容ですが、ザッというと
「君のどんな事もずっと見ているよ。僕たちは運命で結ばれている。君と別れて本当に辛いんだ。ずっとどんな時も君の事を見ているよ。」
そんな意味です。
普通に読んでもちょっと怖いストーカー的な歌詞なんですが、何故か一般的にはとてもロマンティックな歌詞と捉えられていて、特に英語圏の方々はこれは結婚式の定番ソングとなっています。
また、いろいろな映画やドラマで恋愛シーンでも使われていたりします。
実はこの曲をStingが書いた時、彼は最初の妻との離婚訴訟の中だったとか。
多分、書いた本人の意図とは違う解釈で歌詞を理解されているのではないかと思います。
そういう曲って実は結構あるんですよね。
とはいえこの曲はThe Police最大のヒットとなりました。
音楽的な分析をしてみましょう。
まず、一番に耳に飛び込むのがアンディー・サマーズの弾くギターのリフ。
数あるロックギターのリフの中でも最高傑作のひとつと言っても良いでしょう。
実はこの曲のコード進行、あのJohn Lennonで有名な「Stand By Me」と同じなんです。
でもなぜか知的か感じがしませんか?
それは、ほぼ全てのコードに9thと呼ばれるテンションが入っているからです。
いわゆる、おしゃれコードですね。
また、ギターにディレイ(エコーです)が効いていて、音に深みと厚みを出しています。
これも当時は斬新だったな。この後のロックギターにこのサウンドは大きな影響を与えていると思います。
U2とかモロにそうだと思うんですよね…。
「Every Breath You Take ギター」と検索するとこのリフのレッスン動画が沢山出てきます。
そこのギタリストのあなた!是非、トライしてみてください。
最後にミュージック・ビデオの話。
この曲のミュージック・ビデオもとても高い評価を得ています。
監督はGodley & Crème(ゴドレイ&クレーム)。彼らはなんと元10ccのメンバー、つまりミュージシャンなんです。彼らが撮ったこのモノクロのミュージック・ビデオはMTVで、「今までで最も素晴らしいミュージック・ビデオのひとつ」として評価されていてトップ100のリスト中16位を獲得しています。
Godley & Crèmeはこの後、Duran Duran、Paul McCartneyなど大物のミュージック・ビデオを撮って高い評価を得ています。
でもちょっと気になるのは前半Stingのベースラインの音と手があってない事。
神経質なStingがこれに気が付いていない筈がない。
どうしてこうなったのか本人に聞いてみたいものです。
それでは皆さんもこの1983年発表、今から34年前の「Every Breath You Take」楽しんでください。
では、また次回をお楽しみに!
PROFILE
中脇雅裕
音楽プロデューサー・メンタルコーチ・著述家
大学在学中より、多くのTV・ラジオのCM音楽を制作。卒業後はレコーディングディレクターとして数々のアーティストの音楽制作を手がける。今までに制作に携わったアーティストは中田ヤスタカ,CAPSULE,Perfume,きゃりーぱみゅぱみゅ,三戸なつめ,近藤夏子,Jungle Smile,手嶌葵,古澤巌,中村幸代などジャンルを問わず多岐に渡る。
その他に、映画、CM、各種イベントなどの音楽制作はもとより、イベントプランニング、執筆活動、講演、ラジオDJなどその活動は幅広い。
WEB:http://nakawaki.com/
Twitter:https://twitter.com/nakawaki63
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