【Interview】ノンフィクション(現実)をフィクション(物語)として描く雨ノ弱。雨降る世界から見えた景色とは…。

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一番心沈んでいた頃の自分は、同じよう沈んでいる曲に救われていました。だから、自分も同じ存在になりたいなと思っていて。

――結夢さんは、自身の体験を元に物語を作っていると語ってくれました。それは、現実をオブラートに包んだほうが伝わりやすくなるからという理由もお聞きしました。ただ、どこまでオブラートに包み込むかのさじ加減が難しくないですか?

井上結夢:ボクの場合は、何かに比喩しながら表現することが多いです。たとえば『毒林檎 – BadApple -』なら、テーマは別にあるけど、あえて毒林檎にたとえ、その一個の毒林檎がまわりを浸食してゆく様を投影しながら表現してみたり。何かしら具体的な対象があったうえで、そこへ基づいて異なるワードを当てはめてゆくこともあります。そのうえで、聴いてくださる方々がどのように紐解いてゆくのか。そういう、パズル的な要素があったら面白いなと思い、自分でも楽しんでいます。
他にも、『c i n e m a』の中、電話のコールが鳴っているにも関わらず、相手と会話してゆくという違和感のあるシチュエーションにも、じつは深い意味が隠されているなど、そういうところから理由を紐解いてもらうのも楽しさだと思っています。

――『c i n e m a』の電話をかけている相手も、逢いたくても逢えない人。じつはそこにも、結夢さん自身の当たり前とは異なる生活環境の中から生まれた想いが投影されています。普通なら心壊れそうな経験を何度も重ねてさえ、笑顔でいられる。それだけ結夢さん自身、心が強いんでしょうね。

井上結夢:音楽へ接しているときは、何時も素っ裸で取り組むことが多いので、自分を守るものが何もない状態。音楽に触れているときは繊細だし、心が弱くなるときもありますけど。日常では、確かに強いのかも知れない(笑)。

――けっして、絶望にうちひしがれているわけではない。

井上結夢:普段はぜんぜんそんなことはないですけど、楽曲によっては、自分がその当時の気持ちになって表現するので、そういうときは絶望の淵に立っていますね。

――物語化するとはいえ、本当なら隠しておきたい感情を形にしていきますよね。そうしたい自分がいるからなのでしょうか。

井上結夢:一番心沈んでいた頃の自分が、その時の自分のテンションに寄り添ってくれる曲たちに救われていました。ボクもそんな存在になりたいなと思っていて。ボクが描く物語も無理に励ますようなものではなく、遠い先に光が見えるような希望でありたいと思っています。

――結夢さんの笑顔の裏には、とんでもない暴風雨が吹いていたりもするようですからね。

井上結夢:そこは普段と、音楽の中にいるときの自分とのギャップも楽しんでもらえたらなと思います(笑)。

――雨ノ弱の楽曲には、「雨」や「傘」などの言葉がよく記されています。そこにも、意味があるわけですよね。

井上結夢:その言葉たちも比喩として用いるときがあって、「傘」も何かしらの象徴であったり、雨ノ弱や自分にとって大事なものだったりなど、いろんな意味を持っています。ちなみに、雨ノ弱の歌の世界はずっと雨が降っています。ボクの世界では雨がやまないんです。

ブックレットの中にだけ隠してあるワードもあるので、そこも紐解いてもらえたらなと思います。

――最後に、ひと言メッセージをお願いしても良いですか。

井上結夢:今回はブックレットにも凝っていて、歌詞カードに描かれたイラストの中にも、物語を紐解くいろんな要素をパズル的に散りばめていたり、ブックレットの中にだけ隠してあるワードもあったりするので、そこからも紐解いてもらえたらなと思います。
シネマティックバンドとして、映像作品にもこだわっています。映像の中にもいろいろ隠しているメッセージがあるので、そこも楽しんでもらいたいな。最近アップした『CInDErella story』は、雨ノ弱の楽曲の中では珍しい、王道な楽曲なので、MVとしても他の作品とは色を変えてみようとメンバーでセルフプロデュースしました。ボクが出演と監督や脚本を担当し、2人が撮影などをしています。

――それって、結夢さんが女子高生の格好をしていた作品ですよね。

井上結夢:……。そう言われると急に恥ずかしくなってきた(笑)。あの作品は、特殊なんですよ。ぜひ観てください。それと、6月9日に渋谷DESEO(日)で行われるイベント【現状アートポッパー】より、アルバム『シネマコンプレックス』の会場先行リリースがスタートします!アルバムをいち早く手にしたい方は、ぜひライブ会場に足を運んでください。ライブ会場の物販でアルバムを購入してくださった方限定のスペシャル特典も用意しています!会場でお待ちしています。

PHOTO:大西基
TEXT:長澤智典

RELEASE INFO

雨ノ弱

『シネマコンプレックス』

2019.06.19(Wed)on sale

PRICE:¥3,500 +tax
FORMAT:CD
PRODUCT NUMBER:HMLB-1901G
LABEL:濱ラボ.レコード
DISTRIBUTION:ダイキサウンド

1. Prologue
2. 優雨
3. 未確認生物(Album ver.)
4. 毒林檎 – BadApple –
5. ファンシーポップ
6. CInDErella story
7. ハロー・グレア
8. 籠の鳥
9. c i n e m a
10. Epilogue

 

LIVE INFO

雨ノ弱

2019.06.09(日)渋谷DESEO
【現状アートポッパー】

2019.06.14(金)Music Lab.濱書房
【水無月浪漫チック】

2019.06.16(日)下北沢4会場(近松 / MOSAiC / WAVER / mona records)
【『華の乱 -2019-』】

2019.06.17(月)青山RizM
【WHITEHEAD presents white board vol.3 「B.B.B -Big Bear Born- 大熊生誕祭」】

2019.06.23(日)赤坂 CLUB TENJIKU
【『百花繚乱』〜華の乱-2019-後夜祭〜】

2019.07.08(月)池袋 手刀
【G.(ジー)】

PROFILE

雨ノ弱 

雨ノ弱

<Official Website> http://amanojaku.jp/
<Twitter> https://twitter.com/amanojaku_info
<YouTubeChannel> https://www.youtube.com/channel/UCBDk7QkcQ94Inwx6mIs1fYQ
<LINE> https://line.me/R/ti/p/WaXfe7yJLH

井上結夢(@inoueyume)
ゆあ(@amanojaku_YuA)
りょうすけ(@rysk_0930_gt)

濱ラボ.レコード(Music Lab.濱書房)web
https://hamashobo.com

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