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年内最後となった「Fortuna〜運命(さだめ)〜」ワンマン公演を持って、紫雪れのんがmaleficiumを卒業!!!!!

maleficiumが、2025年最後の単独公演を、12月11日に赤羽ReNYalphaで行った。この日で、紫雪れのんが卒業。一つの分岐点となる公演にもなった。
彼女たちは、開催を前に「闇を纏いし5人が織りなす一夜限りの特別なステージ。あなたを運命へと誘う饗宴へようこそ。タイトルの「Fortuna(フォルトゥナ)」 は、運命を司る女神を意味します。この日赤羽ReNYalphaに集う全ての皆様にとって、忘れられない「運命」の夜を約束します」と述べていた。「忘れられない一夜」になったこの日の模様を、ここにお伝えしよう。

歪みを上げた荘厳な音色が会場中に響き渡る。奈落へと導く鐘の音が鳴り響く中、楽曲が華やかさを増すのに合わせて、メンバーらが次々とステージに姿を現した。
冒頭を飾ったのは、つねにmaleficiumのライブに熱狂を巻き起こし、大勢の人たちの心を射抜き、虜(ファン)にしてきた『Ēlysion』だ。「なぜ苦しいの?なぜ傷つけるの 私たちどこへ向かうの 教えてよ」と歌い叫ぶCHIHO FUKUDAの声が心を突き刺す。気持ちを揺さぶるその声を、夜縋らるむが煽る。漆黒の園にたたずむ黒い歌姫と化したCHIHO FUKUDAが歌う声と荒ぶる楽曲に刺激を受け、場内のあちこちから拳が突き上がる。サビで5人が思いを一つ歌い上げる、聖なる合唱。その後、彼女たちは感情のギアを変え、魔性の姿に変わり、観客たちを荒々しく煽りたてた。5人が心を一つ響かせる歌声が、魂を荒々しく掻き立てる。まさに、maleficiumらしい宴の幕開けだ。

全身を貫く雷鳴のような音が鳴り響く上で、5人は、みずからの感情をさらに奮い立て、雄々しき声を響かせて観客たちを煽り続ける。『lament』だ。彼女たちは、甘美なリズムを刻みながら「この世の光を集めて」と歌いあげていた。5人が張り上げた声で煽るたびに、場内中から無数の拳が突き上がる。台の上で観客たちを煽る彼女たちは、今にもフロアへ飛び込まんばかりの姿で挑発していた。

歪みを上げた荘厳な音色が鳴り響く。『GENESiS』が始まるのを合図に、楽曲は勇壮な音色を撒き散らしながら勢い良く駆けだした。彼女たちは、煽る姿と思いを届ける2つの姿を1曲に織り混ぜながら観客たちを挑発し続ける。客席前方では、興奮し身を寄せ合いうごめく人たちがいれば、後方には圧倒されるままに見入る人たちの姿もあった。でも、感情を揺さぶる彼女たちの歌声やライブ姿に刺激を受け、静観する人たちの身体も揺れていたことは伝えておきたい。

気高い姿の5人が「Oi!Oi!」と煽るのを合図に、楽曲がさらに荒ぶりだす。激しく身体を折り畳みながら、『Distopia』を熱唱するメンバーたち。サビで響かせた低音域の声を一つにした合唱が、観客たちを興奮と歓喜へ導いていく。祈るように歌う姿から、荒ぶる歌姫となって挑発する様まで見せながら、彼女たちは観客たちの身体を揺さぶり続けていった。

夜縋らるむとCHIHO FUKUDAの2人が歌をやりとりしていく上へ、3人の歌声も重なりあう。ノイズのような音を歪ませて爆走する『悪徳に満ちた夜』では、さらに感情を剥き出しに襲いかかるメンバーらの姿があった。それにしても、5人が台に上がって煽る姿は壮観だった。
「時を超えてゆけよ まだ見ぬ未来」と5人が歌いだす。次に届けたのが、この日のライブのタイトルにも記した『Fortuna』だ。鈍く煌めく音と歪むギターの音が交錯する中、彼女たちは声と魂を奮わせ、「刻め この思いを」と歌い叫んでいた。荒ぶる声を上げる彼女たちに煽られるたびに、熱狂を増す観客たちの姿も印象深い。

この日唯一のMCでは、「今年最後のワンマンライブになりますので、みなさん楽しんでいきましょう」と、CHIHO FUKUDAが言葉を簡潔に述べていた。
激しくも荘厳で壮大な音が場内中に響き渡る。夜縋らるむの荒々しい煽りを合図に、活動初期からmaleficiumのライブに荒ぶる景色を作りあげてきた『EDEN』が流れだした。メンバーと一緒に声を張り上げて騒ぐ観客たち。彼女たちは言葉のひと言ひと言を突き刺すように歌いながら、サビでは雄々しい声を一つに重ねあわせ、黒い快楽へ導くオペラのような合唱も見せていた。歌心で観客たちの気持ちを惹きつけながらも、雄々しく歌う5人に刺激を受け、いつしか数多くの拳が突き上がり、荒ぶる声が場内のあちこちから張り上がっていた。
そこからの『ユダの接吻』という流れが、胸を熱く騒がせる。激しく歪むノイズのような音を轟かせて爆走する楽曲の上で、5人が声を奮い立てて歌い煽る。彼女らの手振りに合わせ、フロアでも同じ動きが広がりだす。その様は、感情を剥き出しに荒ぶる女神たちが作りあげた儀式に熱狂する様にも見えていた。

『セラフィムの夜』では、闇夜のオペラ歌手となったCHIHO FUKUDAが雄々しくて太い歌声を響かせれば、そのバトンを受け取った夜縋らるむが、さらに深みを与えていく 2人の歌声のやりとりは、やがて5人の合唱に変化。攻撃的な楽曲の上で、彼女たちは高貴な歌声の調べで、観客たちの胸の内に熱い衝撃と衝動を与えていった。激しくて荘厳な、でも、甘美を与える魔性のオペラに魂が強く惹き付けられる。
歓喜にむせぶ気持ちに美しい刺激と興奮を与えようと、maleficiumは轟音エモメロ曲の『月は無慈悲な夜の女王』を朗々と歌っていた。一人一人が月夜を背にした魔性の歌姫と化し、次々と歌を紡ぎながら観客たちの心を激しく乱れ狂わせる。5人に煽られ、フロアのあちこちで拳が力強く突き上がる。
さらに攻撃性を増すように、彼女たちは低音域の声を響かせて『Beast of Blood』を歌いだした。4人で重ね合わせた雄々しき歌声に、拳を突き上げながら煽り声で掛け合う夜縋らるむ。いつしか5人とも、感情のみならず身体も前へ前へと押し出し、観客たちを自分たちの懐へと引き込んでいった。

続く、轟音シンフォニックな音色を響かせた『DUALIS』では、一人一人の歌にスポットを当てたことで、表情豊かな声の魅力を味わうだけでなく、彼女たちが抱く歌心をしっかり感じ取れたのが嬉しかった。楽曲と歌声がシンクロしながら熱を上げ続ける。そして…。
最後に彼女たちは、maleficiumの始まりを告げた『Stigmata』を叩きつけ、暴れる観客たちの感情をさらに雄々しく鼓舞していく。台の上で煽る姿はもちろん、5人が神聖なる姿で、思いを一つに重ねあわせ「Oh!Oh!Oh!」と高らかに歌いあげる。その姿に触れるたび、拳を高く突き上げ、心を一つに溶け合わせ、5人と一緒にシンガロングし続けていたかった。メンバーと観客たちによる「Oi!Oi!」「Oi!Oi!」と続く熱いやりとりが、胸をずっと騒がせた。

SEに乗せ、新たな装いになったメンバーたちがステージへ。アンコールは、『Ragnarok』からスタート。身体を前のめりに、気持ちを奮い立てる言葉の数々を突き刺すように歌うメンバーたち。サビでは高貴な悪魔に身も心も染め上げた5人が高らかに歌えば、間奏では、メンバーらに煽られるままに観客たちがヘドバンや身体を折り畳む景色が生まれていた。高貴な戦いの化身となって煽る神々しい5人の姿が、胸を熱く奮い立てる。
さらに感情の牙を剥きだし、彼女たちは気持ちを奮い立てた声で『Nocturne』を歌っていた。サビで響かせるエモメロな歌声に心が惹かれる。紫雪れのんのソロパートに触れたとき、彼女の歌声を聴けるのは、この日が最後と改めて思い返していた。
最後にmaleficiumは、ふたたび『私を天国へ連れてって』を歌いながら、突き上がる拳の景色にフロア中を染め上げた。紫雪れのん、アルカード・アリス、セシル、そして夜縋らるむ、CHIHO FUKUDAとマイクをリレーしながら、一人一人が歌声の羽根を羽ばたかせ、フロア中を飛び交っていた。その声に触れ、歓喜にむせぶ観客たち。この5人のmaleficiumのライブを見るのはこれが最後。だからこそ一人一人の歌声を、中でも、卒業をする紫雪れのんの姿や歌声を心にしっかりと焼き付けていた。熱狂の翼を広げて羽ばたく彼女たちと一緒に、大勢の人たちが突き上げた拳を羽ばたかせ、ともに歓喜と興奮を分かち合っていた。

この日が、紫雪れのんの卒業公演にもなったわけだが、感傷に浸ることなく、いつも通りの荒れ狂うライブを見せていったところがmaleficiumらしかった。
PHOTO: @seki_photo513
TEXT:長澤智典
セットリスト
SE
『Ēlysion』
『lament』
『GENESiS』
『Distopia』
『悪徳に満ちた夜』
『Fortuna』
MC
『EDEN』
『ユダの接吻』
『セラフィムの夜』
『月は無慈悲な夜の女王』
『Beast of Blood』
『DUALIS』
『Stigmata』
-ENCORE-
SE
『Ragnarok』
『Nocturne』
『私を天国へ連れてって』

maleficium 『Fortuna』MV
https://www.youtube.com/watch?v=qDfyan1yQPM
SNS
https://x.com/maleficium_idol
https://www.tunecore.co.jp/artists?id=987682
メンバーXアカウント
夜縋らるむ(@maleficium_rrm )
CHIHO FUKUDA(@chihomaleficium)
アルカード・アリス(@maleficiumAlice)
セシル(@maleficium_ccl)
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