Blog
DASEIN、半年遅れでJOEの生誕祭を初の配信ライブで開催。画面の先の君を熱い視線でじっと見つめ、心を騒がせていたい。
本当なら3月に行うはずだった、「DASEIN presents JOE Birthday LIVE EVENT「WELCOME TO THE FACE」~4848 de よかよか~」と題したDASEINのドラマーJOEの誕生日を祝う生誕ワンマン公演。コロナ禍の影響で延期になっていた同公演が、「DASEIN presents JOE Birthday LIVE EVENT「WELCOME TO THE FACE OF REVENGE」~4848.5 de よかよか配信~」と、時間の針を若干進めたタイトルに変え、8月30日(日)に渋谷REXで行われた。
この日は観客を入れる形で進めていたが、いまだコロナ禍の影響が影を落とし、配信限定という形で開催。たとえ「無観客ライブ配信」だろうと、久しぶりにDASEINの姿を目に出来たことが嬉しかった。
今年は、DASEIN結成20周年という記念の年。本当なら4月から20周年ツアーも行う予定が、それも延期になったように、直接触れ合えないにしても、半年遅れでJOEの誕生日を祝えることはもちろんDASEINの愛でたい20周年のお祝いも含め味わえたことは、何にも増してご褒美のような気持ちだった。この日のライブには、JOEがDASEINと並行し活動しているtheCYCLE / ELLEGUNSのメンバーであり、盟友のPANTHER(ELLEGUNS)もゲストで参加。ここへ、当日の模様をお伝えしたい。
暗闇に轟くJOEのドラム演奏が、会場中を支配する。高まる感情、昂る興奮。豪圧なドラム演奏に導かれ、メンバーたちが姿を現した。何時しか演奏は「存在」へ。Rickyが最後に現れ、楽曲が「Yの黙示録」へ姿を変えると同時に、DASEINのライブが勇ましくも華やかに幕を開けた。荒ぶる音を背に、「いつまでもずっと 君の夢を見させてくれないか」と歌詞に込めた想いを噛みしめながら歌うRicky。ブリッジパートではたおやかな表情も示しながらも、熱を持った演奏に触発され感情のストッパーを外したRickyは、疾走する楽曲の上でどんどん声の熱量を上げだした。
激しさを数倍強化した「レジスタンス」でも、JOEの鬼のような豪傑ドラムプレイが炸裂。Rickyも、モニターに足をかけ高らかに声を上げていた。「さぁ、夏のDASEINをお届けしたいと思います」の言葉に続いて、「漣」を演奏。どの楽曲も、生バンドによる演奏を強化した今のDASEINのモードへ進化。楽曲の持つ魅力そのままに、より攻める姿勢を強め、DASEINは、画面の先で騒ぎたくてうずうずしている人たちを「騒ぎたいなら騒ぎなよ」と言わんばかりに煽り続けていった。
Rickyの前には、コメントが流れるモニターを用意。MCではタイムラインの書き込みも目にしつつ語っていたところが、配信ライブらしい風景だ。
「なんとか今日このステージに立てたことをみなさんに感謝します。まずはDASEINの存在を感じてほしい。そしてJOEの48.5歳を一緒に祝いましょう」
結成20周年記念配信シングルとしてリリースした「待宵影」をライブで初披露。「待宵影」は、デビュー曲「夢つれづれ」のオマージュ作。NEO HYPER BEAT ROCK STYLEと言えば良いだろうか。妖艶でメロウな歌とダンサブルでエレクトロな音の洋服をまといながらも、今のDASEINらしいハードエッジな音の服を重ね着した姿で表現。心地好く歌に身を預けながらも、迫力あるダンスロックに身体は揺さぶられていた。JOEの猛々しいドラム演奏に乗せ、楽曲が一気に走りだすと同時に、演奏は「キ・ミ・ダ・ケ」へ。哀愁を帯びた歌を、Rickyは画面の先の人たちの胸に印象深く響かせる。ライブという場を通すことで、「キ・ミ・ダ・ケ」がいつも以上に熱情した歌に姿を変えて突き刺さった。彼らの情熱的な想いが胸を騒がせた。
この日の主役JOEのドラムソロが登場。野生の目覚め、大地の咆哮とも言うべき感情を剥きだした勇ましい演奏を披露。激しいドラマを作り出す演奏に導かれ、楽器隊がふたたび舞台へ。音の駆け引きを行うようなスリリングな演奏を魅力に、変拍子も効かせたプログレッシブ/ハードロック/エレクトロな「追憶」を披露。哀愁を帯びた音に色を変え、楽曲は「じっとみつめたい」へ。愛しい人への募る想いに心を浸らせるよう、Rickyは「じっとみつめたい 君といたい」と歌唱。サングラスを外したRickyは、今でも忘れられない愛しい人を、その瞳で追いかけるように歌っていた。Rickyの心といつしか気持ちが同調。切ない想いに、瞼が潤んでいた。
JOEとも同じtheCYCLE / ELLEGUNS CYCLEのメンバーとして活動しているギターのPANTHERがステージへ。この日は、ゲストプレイヤーとして登場。ここからは、ギタリストをPANTHERに変えてのライブへ。
披露したのが、theCYCLEの「ETERNAL RAIN」。Rickyは、中低域を強調しながら雄々しく歌声を響かせていた。天空を揺さぶるようなRickyの歌声がフロア中に響き渡る。PANTHERの空気をつんざくギター音が響き出すと同時に、楽曲は「BREAK←SHAKE→BRAIN」へ。Rickyの背中を豪快な音の風圧で刺激する演奏陣。Rickyも沸き立つ気持ちを熱く震わせ歌っていた。Rickyと演奏陣がセッションを繰り広げるよう、互いに熱を高めあう。熱情と熱情を重ねあわせ、楽曲は唸りを上げ存在感を強めてゆく。
PANTHERのギターとベースの長野典二によるバトル・セッションが展開。そこへJOEのドラムと巧のシーケンスなど演奏陣が加わり、楽曲は「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」へ。激しさに激しさを塗り重ねる演奏。Rickyも、荒ぶる演奏を雄々しき声で煽っていた。メンバーたちが感情剥き出しのバトルを繰り広げれば、その熱を、Rickyは画面の向こうの人たちにもぶつけてゆく。昂る感情、頭を振らずにいれない衝動が身体中を駆け巡る。
「ケリをつけろ」というタイトル通り、JOEの攻撃的なドラム演奏を背に、演奏陣とRickyは、カメラレンズの先にいる大勢の人たちを「騒ぎ狂え」「ケリをつけろ」とけしかけた。沸き立つ熱情を、もっともっと臨界点まで高め互いにぶつけあおうと、DASEINは強く求めてきた。「Oi!」「Oi!」と煽るRicky、猛り狂う音に浸っていたら、昂る感情をすべて吐きださずにいれなかった。Rickyのハイジャンプキックのエンディングを受け、「我思う、故に、我あり」とRickyが口にした言葉に続き、最後にDASEINは「COGITO ERGO SUM」を演奏。唸る雄大なエレクトロなスタジアムロックナンバーを全身に浴びながら、Rickyは沸き立つ想いを力強く熱唱。この貫祿と迫力、触れた人たちを熱狂の虜にしてゆくパワーと存在感こそDASEINの20年間の歩みだ。
ミドルメロウな「流離人」の音色へ導かれるように、メンバーたちが舞台へふたたび姿を現した。各々の手にはオレンジのサイリウムの光が輝いている。雄々しいRickyの歌声に導かれ、演奏が鳴り響く。壮大な景観を描く楽曲に躍動する表情を与え、気持ちを煽るJOE。Rickyは、大きな音のうねりの中へ身を浸し、歌の世界に心を寄り添えながら、哀愁覚える声で歌っていた。タイムラインにはオレンジのサイリウムの絵柄の変わりにニンジンの絵がたくさん流れていたことも伝えておこう。
「なかなか終息が見えない中、大変な今を、みんなと一緒に素敵な今にしたいと思います。みんなと出会った今を、この大切な曲に込めたいと思います」。壮麗なエレクトロ音が流れる中、DASEINが届けたのが「大切な人へ」。今の自分たちの気持ちをこの曲に託し、彼らは慈しみと感謝の想いを届けてくれた。その演奏と歌声は、大切な人へ向けたDASEINからの素直な告白にも思えていた。
ふたたびPANTHERを招き、「心を一つに共鳴しあおう」の声を合図に、最後にDASEINは夏に相応しい「共鳴り」を演奏。大きく手を振りながら、画面の先の人たちと気持ちを共鳴しあおうと呼びかけるRicky。心を解き放ち、視線の先に眩しい夏の光景を描きながら、DASEINは触れた人たちと素敵な想い出の一場面をそこに残してくれた。開放した気持ちのままに、この想いを、まだ見ぬ次の景色へとDASEINは繋げてくれた。その熱を持った優しさが嬉しかった。画面の向こうでも、Rickyと一緒に騒いでいた人たちも大勢いたに違いない。
アフタートークでは、この日のライブの感想はもちろん。ゲストに、 アレンジャーの樫原伸彦や ベーシストのジェロニモを迎え、DASEIN活動初期時の、今だから話せるさまざまなこと(裏話?)を気ままに届けていた。
無事、JOEの生誕祭を行うことが出来たのも、素直に嬉しかった。次にDASEINと直接逢える日まで、今は、この日の心のざわめきを大切に胸に閉まっておきたい。
PHOTO:NORI
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
DASEIN 結成20周年記念配信シングル「待宵影ーマツヨイカゲー」
↓詳細はこちら↓
https://linkco.re/FdFpgAVx
【DASEIN プロフィール】
2001年1月1日、avexよりメジャーデビュー。 爆発的パワーとヘヴィかつ的確なビートにより狂気のグルーブを生み出すドラムのJOEと、 幅広い声域と艶のある力強いハイトーンヴォイスでポップス、ロック、シャンソン、 特撮ヒーローソングまでを変幻自在に歌いこなすヴォーカルのRickyからなる二人組ユニット。 DASEIN(ダーザイン)=現存在。11枚のシングルと2枚のアルバムをリリースし、 のちにHYPER BEAT ROCKという独自の音楽スタイルを確立する。 2004年1月、渋谷公会堂2daysをもって解散。 結成10年目となる2010年にSHIBUYA-AXにて復活を遂げ、 2017年には約15年振りとなる3rdアルバム『唯、此処に在ることが愛しくて』をリリース、2019年4月には通算16枚目となるシングル『じっとみつめたい』リリースするなど、現在も音楽シーンでその異彩を放ち続けている。結成から20年目となる2020年には大規模な全国ツアーも予定している。
DASEIN twitter
https://twitter.com/dasein_555
Ricky オフィシャルサイト
http://hyperneosoloist.com/ricky/
Ricky BLOG
https://ameblo.jp/ricky-soloist
Ricky twitter
https://twitter.com/Ricky_A_Prmkv
HyperNeoSoloist YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/HYPERNEOSOLOIST
JOE オフィシャルサイト
http://sjoe.blog39.fc2.com/
――セットリスト――
「存在」
「Yの黙示録」
「レジスタンス」
「漣」
「待宵影」
「キ・ミ・ダ・ケ」
-ドラムソロ-
「追憶」
「じっとみつめたい」
「ETERNAL RAIN」
「BREAK←SHAKE→BRAIN」
「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」
「ケリをつけろ」
「COGITO ERGO SUM」
-ENCORE-
「流離人」
「大切な人へ」
「共鳴り」
FEATURED
- タイラダイスケ (FREE THROW)【生活と音楽 Vol.9】× モリタナオヒコ (TENDOUJI) (前編)「何にもなかった生活に寄り添い続けた音楽」
- 現在はデジタルアーティストとして活動する元音楽プロデューサーの月光恵亮氏が無観客配信トークライブ
- タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.5】×會田洋平(えるえふる/ core of bells)[後編]「自分が100%やりたいこと、好きなことで生きていく」と誓った人生
- タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.5】×會田洋平(えるえふる/ core of bells)[前編]「自分が100%やりたいこと、好きなことで生きていく」と誓った人生
- 衝撃的!!アイドル初体験のメンバーばかりのLOVE IZ DOLL、お披露目ライブで、4ヶ月後にZepp Tokyoでワンマン公演を発表!!マジで?!