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音楽プロデューサー・RAM RIDERの【朝までに送ります Vol.1】誰が為に歌は鳴る ヴォーカル補正にまつわる話(前編)

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音楽プロデューサー・RAM RIDERの【朝までに送ります Vol.1】誰が為に歌は鳴る ヴォーカル補正にまつわる話(前編)

サムズ・アップをご覧のみなさんはじめまして。RAM RIDERです。今回から僕がこれまでに経験してきたことや普段考えていることの中から、音楽制作の話題を中心にあれこれ書かせていただくことになりました。音楽制作の話題を中心に、と言いつつ時には映画、インターネットやテクノロジー、ゲームについてなど別の話題に飛んでしまうこともあるかもしれません。どうかひとつよろしくお願いします。

さて最初のテーマは「ピッチ補正」です。

レコーディングに置ける主流がアナログからデジタルへ移行し、テクノロジーが大きく発達したことによって、一度録った歌の音程やタイミングを後から修正できる、いわゆる「ピッチ補正」という技術が多くの作品で使われていることはもはや一般のリスナーの方にも常識となりました。代表的なプラグインではピッチ補正そのものの代名詞ともいえるAntares「Auto-Tune」、革新的な技術を数々取り入れてきたCelemony「Melodyne」、今やヴィンテージ(?)となったYAMAHA「Pitch Fix」(僕は未だに愛用しています!)など、数多く存在します。また、最近では基本機能としてピッチ補正機能を備えた音楽制作ソフトも少なくありません。

こうしたプラグインの中にはヴォーカルだけでなくヴァイオリンやベースなど楽器の補正を得意とするもの、ピアノやギター、コーラスなどの和音の中の“一音だけ”を修正してそもそものコードを変えてしまうもの(まるで魔法です)など、様々な種類があり、その精度や補正後の表現力も年々向上しています。「唇の破裂音は原音のまま、後に続く子音だけ補正」だとか「伸びっぱなしの語尾の音程を下げる」なんてことも朝飯前。あえて強力で効き目の強い設定にすることでエフェクターのような使い方をすることももちろん可能です。これはアーティスト名を具体的に挙げずともいろいろな名前や曲が浮かぶと思います。かくいう僕も自分の声にはこのような使い方をするタイプかなと自認しています。

しかしどんなひどい歌でも(あくまで音楽的な意味で)正しく、正確にできてしまうことや、レコーディングの中でピッチ補正をすることが常態化している現状などもあり、常に疑問視する声があることも事実です。「歌謡曲の時代に比べて今の歌手は歌が下手だ」、「ピッチを修正することを前提でレコーディングに臨むのはいかがなものか」など。確かにアナログテープの1発録りが当たり前だった時代に比べると緊張感、という意味では欠けるかもしれません。また補正をかけることによってその人の個性を消してしまうという側面もあり、ピッチ補正技術はメリットとデメリットがそれぞれ存在する諸刃の剣というわけです。

このように使うこと自体にも何か「こだわり」を持っていないといけないぞ、という風潮の中、「これが正解」というピッチ補正のあり方というのは存在するのでしょうか?

僕がアイドルのレコーディングなどでこの「ピッチ補正」とどのように向き合っているか、そしてその具体的な手法について、次回は詳しく書いてみたいと思います。


 

▶音楽プロデューサー・RAM RIDERの【朝までに送ります Vol.2】誰が為に歌は鳴る ヴォーカル補正にまつわる話(中編)

PROFILE

ramrider_Asha&Header

RAM RIDER

96年にダンスミュージックやJ‐POPのブートリミックスの制作を開始、自主レーベルからリリースした作品が一部で話題となり、数多くのトップアーティスト達のリミックスを手がける。
2000年代からはDJ、リミキサー、アレンジャーとしての経験を活かし楽曲提供や作詞、編曲、プロデュースへの道を進み、2004年自らもヴォーカルをとる形でデビュー。
スマッシュヒットとなった1st Album「PORTABLE DISCO」、ソロボーカルと豪華ゲスト参加の2枚同時という形でリリースされた「AUDIO GALAXY」などオリジナルアルバム3枚に加え、シングル6枚、リミックスアルバム2枚をリリースしている。
現在は自身のリリース、ライブ、DJと並行しソロシンガーからバンド、アイドルと数多くのアーティストのプロデュース、TV、舞台への楽曲提供、雑誌での執筆など活動の幅を広げている。

WEB:http://ramrider.com/
Twitter:https://twitter.com/RAM_RIDER

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