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音楽プロデューサー・RAM RIDERの【朝までに送ります Vol.6】プライベートな制作環境における防音対策で最も重要なこととは?
慌ててスタジオに戻り音を一旦止めた僕はその足で菓子折りを買いに走り、施工時は業者の方に任せっぱなしだった隣接するお部屋に挨拶に伺いました。自己紹介をした上で事情を説明し、ご理解をいただいたというわけです。結局のところ、プライベートレベルの音楽制作における音漏れの問題というのは完全に0にするのは難しく、それが届いてしまう方とどう折り合いをつけるかの方がよっぽど重要で現実的であると気づかされました。
またそれらの“お隣さん”がオフィスだったりアトリエだったりで夜はご不在とのこと、かえって夜のほうがのびのびと音を出せることもわかりました。そんなわけで防音という意味では決して完璧とは言えない僕のプライベートスタジオですが、幸い今のところ一度もクレームを受けたことはありません。同じキックの音でも、出所も顔もわからなければ完全な騒音ですが、ちょっとしたご挨拶のおかげで近所の環境音として多少なりとも許容していただけるということなのかもしれません。そういえばアトリエからはときどき塗料の強い刺激臭がしてきますが、「ああ、何か新しい作品をつくっているんだな。」ぐらいで気にもとめません。
先日、どうしても聴きたいレコードがあったので久々に実家に帰りました(といっても同じ都内ですが)。かつての作業部屋だった自室で盤に針を落とします。ふと全ての窓を締めた上で部屋の外に出てみて愕然としました。
「、、、、余裕で漏れてる、、、!」
冷静に考えて、あれだけ気合いを入れてつくったスタジオの防音が不完全なのに、付け焼き刃の二重サッシが完璧なはずがありません。思えば実家の近隣は昔から知っている方ばかり。単純にご近所さんの配慮で成り立っていただけなのでした。
今さら申し訳ない顔をしてもどうしようもないのですが、プライベートな音楽制作で音のトラブルを防ぐには細心の配慮をすることは当然のこと、ご近所さんに自分を知ってもらうことが何よりの騒音対策であると改めて痛感したのでした。
PROFILE
RAM RIDER
96年にダンスミュージックやJ‐POPのブートリミックスの制作を開始、自主レーベルからリリースした作品が一部で話題となり、数多くのトップアーティスト達のリミックスを手がける。
2000年代からはDJ、リミキサー、アレンジャーとしての経験を活かし楽曲提供や作詞、編曲、プロデュースへの道を進み、2004年自らもヴォーカルをとる形でデビュー。
スマッシュヒットとなった1st Album「PORTABLE DISCO」、ソロボーカルと豪華ゲスト参加の2枚同時という形でリリースされた「AUDIO GALAXY」などオリジナルアルバム3枚に加え、シングル6枚、リミックスアルバム2枚をリリースしている。
現在は自身のリリース、ライブ、DJと並行しソロシンガーからバンド、アイドルと数多くのアーティストのプロデュース、TV、舞台への楽曲提供、雑誌での執筆など活動の幅を広げている。
WEB:http://ramrider.com/
Twitter:https://twitter.com/RAM_RIDER
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