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【MOVE FES. 2017】特別対談 – 武藤将胤(WITH ALS)とRAM RIDERが好奇心と情熱の眼差しで語る「アート×テクノロジーのこれから」
みんなが活用出来るテクノロジーの技術をいち早く見つけて活用出来るサービスを作りたい(武藤)
――MOVE FESは「明日へのきっかけを作る音楽フェス」ということなんですけど、今後お二人が挑戦したいことを教えて頂けますか。
武藤:僕の場合は「テクノロジー×コミュニケーション」っていうのがずっとテーマなんですね。特にALSっていう病気は患者さんの多くは60代、70代と比較的高齢の方が多いので、僕みたいな若い患者は本当に稀ですごく少ないんですよ。でも僕らみたいな若い患者の方がテクノロジーへの感度は絶対に高いと思うので、みんなが活用出来るテクノロジーの技術っていうのをいち早く見つけて、活用出来るサービスをどんどん作っていきたいなって思ってます。
僕らが今取り組んでいることとしては、視線入力装置の開発以外にも、WHILL(ウィル)っていうパーソナル・モビリティ、平たく言うと次世代型の電動車椅子っていうかっこいい乗り物があって、そのカーシェアを始めました。僕今30なので、介護保険が適用されないんです。なので電動車椅子を買うのも借りるのも大変なんですね。クラウドファンディングで資金調達をして、必要な人にカーシェアを行っています。あとは今ロボットにも注目していて、分身ロボットの「OriHime」っていうロボットがあるんですが、そのロボットを通じて遠隔でテレワークすること、お仕事をしていくこともどんどん推進していきたいなという風に思っていて、仲間のロボットクリエイターとプロジェクトを進めています。
――遠隔操作で仕事を。
武藤:一カ月前くらいまで一週間ほど入院をしていたんですが、病院のベッドの上から、群馬の中学校に繋いで、群馬の中学校にロボットを僕の分身代わりに設置をして、そのロボットを通じて、学生の皆さんとバリアフリーのデザイン、アイディアを考えるっていう授業をずっと行っていたんですね。そういう技術があれば、場所は関係ないし、身体がどういう状態になったとしても、働いたり自分の表現が出来る可能性はどんどん拡がっていくと思うので、そういうテクノロジーを活用した新しいイノベーション・施策を生み出していきたいなって思ってます。
<「働くTECH LAB」ロボットテレワークプロジェクト>
――RAMさんはいかがですか?
RAM:そうですね、僕基本的に常に世の中は良くなっていってると信じているので、絶対に10年前、20年前よりも人が生きやすい世の中になっていると思うんです。そしてそれはテクノロジーの力に寄るところも大きいと思うので、これから起こる新しい技術に関しても積極的に早め早めに受けて入れていきたいと思ってます。
最近だと電子マネーとか。僕は「もう現金やめよう」と言ってるんですけど、「新しいものは怖くないよ」っていうことを出来るだけ周りの人からでも広めていきたいです。苦しい思いをすることが努力とか結果に繋がるっていうことではなくて、みんなで楽できることは楽して、頭を使うことに集中出来る社会になっていったらいいなと思っていて、そういうことに関しては積極的に発言をしていきたいなと思っています。
「自分自身これからどうより良い人生を歩んでいくのか」
――今年のMOVE FES.はどんな日になりそうですか?
武藤:今年は、メインDJとして去年からずっと関わって下さっているRAM RIDERさんをはじめ、ジャズやJ-POP、ロック、EDM、色んなアーティストさんが集まってくれていて、実はアーティストさんの中にはこのフェスのためにイメージ楽曲を作ってくれたりとか、一緒にまたタイアップを僕とすることで新しい曲を作らせて頂いたりとか、本当に特別な思いを持って皆さん参加してくださっているので本当に有難いですね。そういうアーティストさんのライブを見て、お客さんも“NO LIMIT, YOUR LIFE.”というメッセージを受け取って、少しでも行動のきっかけになればなっていう風に思ってますね。
さっきRAMさんも仰ってくれてましたが、「ALSというのは残酷な病気で、悲しんでくれ」っていうことに本質的にあんまり意味はないと思っていて、ALSっていう病気を知ったこと、このフェスに来てくれたことをきっかけに「自分自身これからどうより良い人生を歩んでいくのか」っていうことを考えていく方が僕は意味があると思っているんですよね。なのでそういうちょっと前向きになるようなポジティブなフェスにしたいなと思ってます。
――RAMさん今年のフェスに向けて何か意気込みなどありますか。
RAM:そうですね。やっぱりテクノロジーっていうのは要素として必ず入ってくるので、僕は最近海外とかだとレーザーを全部リアルタイムでコントロールするっていうセットをやってるんですけど、出来たらそのレーザーを全部持ち込んで、MOVE FES.で披露出来たら…
武藤:すごい!
RAM:ただセットチェンジがものすごく大変なので、ちょっと相談してもしやらせてもらえるんであればぜひやってみたいなと思ってます。
武藤:めちゃくちゃ見たいです。RAMさんは前々からレーザーは取り組んでらっしゃいますもんね。
RAM:すごいやつやりますんで。オールスタッフを集めてやれるように一回掛け合ってみます。
――それはとても楽しみです。では最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
武藤:このMOVE FES. 2017、本当に素晴らしい意志あるアーティストの皆様がジャンル問わず集まって下さっているので、当日“NO LIMIT, YOUR LIFE.”っていうメッセージを色んな角度から受け取って頂けるんじゃないかなって思ってます。少しでも来てくれた方の明日へのムーブのきっかけになったらなという風に思っているので、ぜひ遊びに来て頂けたらと思います。
RAM:僕はいちミュージシャン・DJとして参加するので一人でも多くの方に来てもらって、盛り上がる良いパーティーに出来ればというのがまず一義です。そしてそこから何を持って帰ってもらえるかは来てくれた方次第だし、武藤さんのパフォーマンス次第だと思うのでそこに期待しつつ、自分はあくまでミュージシャンとしてしっかりやるので、ぜひ沢山の方に来てほしいです。
EVENT INFO
MOVE FES. 2017 〜NO LIMIT, YOUR LIFE.〜
■日程:2017年9月9日(土)
■会場:WOMB[東京都渋谷区円山町2-16]
■時間:OPEN 12:30 / START 13:00 / END 19:00
■出演:eNBAND(KURO, HOZE, Atsushi, YSD) / 桑原あい / RAM RIDER / EYE VDJ Masatane Muto / REALHEART’S / SHUHARIHITO / Response / Marcello Jonno / いつみ /…and more
■料金:前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500 ※別途1ドリンク代¥500
・チケット購入はこちらから→ http://movefes2017.peatix.com
チケット収益の一部は一般社団法人WITH ALSに寄付されます。
■お問い合わせ:move.fes@gmail.com
PROFILE
武藤 将胤(むとう まさたね)
1986年LA生まれ、東京育ち。
(株)博報堂/博報堂DYメディアパートナーズで「メディア×クリエイティブ」を武器に、様々なクライアントのコミュニケーション・マーケティングプラン立案や新規事業・コンテンツ開発に従事。
2013年に難病ALSを発症。現在は、ALSと闘病を続けながら、一般社団法人WITH ALSで、コミュニケーションとテクノロジーの両軸で、ALSやハンディキャップ者への支援を目的に企画・イノベーション創出に挑戦。
WITH ALSオフィシャルサイト http://withals.com/ WITH ALS
Facebookページ https://www.facebook.com/project.withals/
オンラインサロン「WITH ALS 武藤将胤「生きる挑戦」共に未来を創る仲間たちへ」 https://synapse.am/contents/monthly/withals
PROFILE
RAM RIDER
96年にダンスミュージックやJ‐POPのブートリミックスの制作を開始、自主レーベルからリリースした作品が一部で話題となり、数多くのトップアーティスト達のリミックスを手がける。
2000年代からはDJ、リミキサー、アレンジャーとしての経験を活かし楽曲提供や作詞、編曲、プロデュースへの道を進み、2004年自らもヴォーカルをとる形でデビュー。
スマッシュヒットとなった1st Album「PORTABLE DISCO」、ソロボーカルと豪華ゲスト参加の2枚同時という形でリリースされた「AUDIO GALAXY」などオリジナルアルバム3枚に加え、シングル6枚、リミックスアルバム2枚をリリースしている。
現在は自身のリリース、ライブ、DJと並行しソロシンガーからバンド、アイドルと数多くのアーティストのプロデュース、TV、舞台への楽曲提供、雑誌での執筆など活動の幅を広げている。
WEB:http://ramrider.com/
Twitter:https://twitter.com/RAM_RIDER
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