【Interview】その音楽は、世界を旅しながら想いを積み重ねてゆくーーKAO=S、最新作『AMRITA』を語る。

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KAO=S

時として偶然の出会いが、人の運命を大きく変える必然の始まりになることがある。シンガーとして活動していた山切修二のライブを偶然目にした、剣舞師/モーションアクターとして活動していた川渕かおり。そのときに会場で交わした短い会話を介し、川渕かおりの放つオーラに惹かれ、活動へ誘いをかけた山切修二。一つの偶然が、互いの関心を引き、生まれた小さな接点が、後に時代を揺さぶる大きな胎動になる。

2010年の夏に出会った二人は、津軽三味線奏者の寂空を加え、2011年4月より活動の狼煙を上げた。オリエンタル(和)な音楽性を軸に、世界中に点在する民族音楽の要素を自身の中へ重ね合わせ、KAO=S(カオス)は混沌とした独創的な音楽世界を描き始めた。何処にも属さない。別のとらえ方をするなら、あらゆる国の土壌に根ざした精神に呼応する音楽は、ネット文化の影響力もあり、何時しか国境を越え、さまざまな国からKAO=Sの音楽へ共鳴する声が上がりだした。

KAO=Sは2012年春に世界最大の音楽の見本市と呼ばれるSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)へ招聘を受けて以降、さまざまな国から声がかかり、何時しか世界を舞台にした音楽活動を行うまでにその名を響かせている。
人前に姿を現してから約7年、さまざまな軌跡を記しながら「その先」へ向って歩み続けてきたKAO=Sだが、今年1月に、盟友だった寂空がKAO=Sを卒業。2月には、川渕かおりが舞台出演に際してのアクシデントから左足全前十字靱帯と内側靱帯を断裂。だが彼らは、昨年より取りかかってきた最新アルバム『AMRITA』の制作を止めることなく力を注いできた。

寂空の卒業により、新たにレコーディングをし直す作業も加味したこともあり、結果、アルバム『AMRITA』は、新生KAO=Sの新たなる始まりを告げるアルバムにもなった。

Text & Interview:長澤智典 Photo:大西基

KAO=S

旅を続けるKAO=Sの音楽

――ここで初めてKAO=Sを知る方もいると思います。先に、KAO=Sとはどんなグループなのか、誕生の経緯から教えてください。

山切修二(以下山切):現在のKAO=Sの音楽性をひと言で現すなら「歌とギターを主軸にした音楽の上へ、いろんな国の楽器や音楽要素を加えながら楽曲を作りあげているユニット」になります。昔から、今でもそう。KAO=Sはいろんな国を旅しながら、旅先で出会った国の文化や、その国に伝わる伝統音楽や楽器などに触れながら、僕らの産み出す音楽の中へ少しずつ取り入れてきました。
僕はレッド・ツェッペリンが好きなんですけど、一時期、ヴォーカルのロバート・プラントとギターのジミー・ペイジの2人だけで活動をしていたことがありました。そのときの音楽性が、ジミー・ペイジがアコギを奏でロバート・プラントが歌う、その上に、エジプトのミュージシャンなど民族楽器の要素を加えたスタイル。僕は、その音楽性に強く影響を受けたせいか、オープンチューニングでアコースティックギターを弾くなど、彼らの表現スタイルはKAO=Sにも自然と反映しています。

――だからKAO=Sは、様々な民俗楽器の音色を2人(以前は3人)が作り出す音楽性へ重ねながら、その融合から生まれる化学反応を楽しんできたわけですね。

山切:そうです。それが二胡や馬頭琴だったり、ヴァイオリンや尺八だったり、いろんな国の中で生まれ育った音楽の香りを取り込んでは、KAO=S自体も変化し、その変化を楽しんできました。僕らがKAO=Sの作り出す音楽に対して、「音楽の旅をする」と語っているのも、そういう手法を取り入れてるところから来ているんです。

――KAO=Sの場合、様々な民俗音楽要素を取り入れのるはもちろん、川渕さんの剣術/剣舞を投影したパフォーマンスも含めて一つの楽曲として形を成しているという印象も覚えます。

川渕かおり(以下川渕):そうですね。KAO=Sは観ても楽しめるSHOW的な要素というか、一つ一つの楽曲に物語があれば、そのストーリーやメッセージをわたしが歌い演じることも、KAO=Sの音楽を形作るうえでの役目だと思っています。

――KAO=Sの場合、強いメッセージを放つことが多くないですか?

川渕:さきほど山切さんが「音楽の旅」と言ってましたけど、歌詞においても「人生を通しての旅」を綴っているように、メッセージ的な要素は自然と強くなりますね。

 

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