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起業初期を助けてくれた「今までのバンド活動」
タイラ:じゃあ行政書士に実際なってみて、起業をしてみて、さっき言ったお金と時間に関しては結構イメージ通りにいったのかな?
武田:えぇとね、時間に関してはイメージ通りではあった。でもお金に関しては全然イメージ通りじゃなくて、運転資金ていう感じで銀行からも借金してやったし、仕事を作るのってすごく難しいんだなって改めて実感して。
タイラ:行政書士の資格を持っている人は多分いっぱいいるけど、そこから営業するなり何かプロモーションしてクライアントを取ってこなきゃいけないってことだよね。
武田:うん。ただ、俺はすごい運が良いというか、良かったなと思うのは、その他多数の行政書士の人たちって他にあんまりコネがなくてはじめる人が多いのね。でも、俺の場合「音楽もやってます、行政書士もやってます」っていう組み合わせによって、音楽関係の人から仕事の話をもらったの。普通の行政書士には無い人脈からお話しもらえたりっていうのがあって、それが創業当初はすごく助かった。
タイラ:まぁ確かにね。行政書士に何かを頼まないといけないと思うとすごく固いという印象があるけど、でも武田君に頼めると思えば気持ちは楽だよね。
武田:今までやってきたことが生きているなとは思った。
<LITE / Tomorrow (live version)>
タイラ:なるほど。バンドを続けるためにというか、今までのやり方だとLITEを続けるのは大変そうだなっていうところからそういう起業をするって決断に至っていると思うんだけど、実際行政書士になって起業して、バンドの感じはどうなった?
武田:バンド活動は、良い意味で一切変わってない。今まで通り海外ツアーも行っているし、ライブもやっている。それが俺の起業する条件だったからね。プラスの面で言えば、家で仕事することが多くて場所を選ばず仕事できるから、仕事に行き詰まったら曲作りやったりとか出来ることかな。「今日は平日だけど曲作りやろう」とか。
現状でいうと、2016年から「行政書士法人GOAL」(※1)に誘ってもらって会社員として所属をしてるんだよね。はじめは会社員というイメージだけで仕事一色になってしまうのが怖かったんだけど、 代表が音楽に理解があって、LITEの活動も良く理解してくれていて、ありがたいことに「バンド活動ありき」で良いのでジョインしないかと言ってもらえたので「それではぜひ」ということになって。だから、バンド活動は起業しているときもGOALに入社してからも、全く変わらずできているって感じかな。
※1 武田君が所属する行政書士法人。HP→http://go-al.co.jp/
タイラ:じゃあ何かに縛られて、9時~5時は絶対に仕事、とかそういうのもない?
武田:うん、基本的にはない。
タイラ:逆にさっき言っていたように、アルバイトを今も続けてたらなかなか難しかったっていうところはあるのかな、やっぱり。バンドをやめているって断言はできないともちろん思うけど、何かが変わっていたとは思う?
武田:そうだね。俺の場合はアルバイトやり続けながらバンドやっていたら、生きるモチベーションが失われていきそうで…。なんかさ、負のスパイラルなんだよね。アルバイトで時間取られて、お金もあんまりもらえない、バンドでもそんなにお金をもらえないってなると、もう悪循環しか生まれない。その悪循環をどうしても断ち切りたかったから。
行政書士になることで、行政書士は行政書士で、「自分はこうなりたい」っていう目的がアルバイトより確実にあるわけ。これやったらもっとお金がもらえるなとか、音楽とこれ組み合わせたらこういうことが出来るなっていう。そういう目的が生まれたことが自分の中の生きるモチベ―ションになっているし、そういう好循環を持てるのは起業してすごい良かったと思ってる。アルバイトをずっとやっていたら負の循環がずっと下まで行って…共倒れっていうか、音楽も仕事もダメになっちゃうっていうところにいっていたのかなって。それがね、今はいい方向に気持ちが向いているから。大げさに言うと生きる希望というか。
タイラ:じゃぁ資格を取ろうと思った決断はすごく良かったと思う?
武田:うん、あそこで踏み出して良かったなと思う。
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バンドマンとして、バンドを続ける「不安」と「喜び」に向き合う(前編)