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その姿が忘れられない。いや、忘れたくない景色として強烈に心へ焼きついた。HELLBROTH公演レポート!
2021年に、夢人(Vo&G)、千歳(G)、てら(B)、大熊”けいと”邦夫(Dr)と、癖強な4人の強者共が集まりバンドが誕生。最新作の『レプリカ』を含め、これまでに3枚のシングル、2枚のミニアルバム、2枚のアルバムとハイペースで作品をリリース。東名阪を中心に精力的にライブ活動を重ねながら、HELLBROTHは自分たちを強靱な姿へと磨き続けてきた。
HELLBROTHは、7月に2ndアルバム『レプリカ』をリリース。同作品を手に、HELLBROTHは東名阪を回るワンマンツアー「Funeral for a Replica」を実施。同ツアーのファイナル公演が、8月7日(水)に高田馬場CLUB PHASEで行われた。その日の模様を、ここへ記したい。
フィルムの廻る音が場内へ響きだす。そこへ折り重なった、ノスタルジーな匂いを覚える音色。その音は、この場にいる人たちから現実を切り離す。舞台の上にはメンバーたちの姿が。やがて開演のブザーの流れる音を合図に、HELLBROTHのライブは幕を開けた…。
シューゲイズな千歳のギター演奏の上で、夢人が今宵の物語を語るように歌いだす。始まりを告げたのが、最新アルバムの冒頭を飾った『モノローグ』。曲が進むにつれて熱を上げる歌や演奏に触れ、フロアにいる人たちも次第に手を高く掲げ、ステージの上からあふれでる音の物語へ心地よく身を預けだす。上がり続ける熱とビート。同じように気持ちも沸き立つ。さぁ、このまま胸を揺さぶる世界まで連れていってくれ!!!!
荒々しいドラムロールを合図に飛びだしたのが、『PLAN.B』。躍動する楽曲と夢人の煽る声に誘われるよう、フロア中の人たちが、その場で勢いよく飛び跳ねる。気持ちが騒ぐなら、駆けるビートに合わせて飛び跳ね続ければいい。身体がむずむずするのなら、彼らの演奏に合わせて手を左右に大きく振り続ければいい。それが、この場に生まれた楽しむためのルール。夢人の「JUMP JUMP」の声も嬉しく胸を騒がせる。4人は『オーケストラ』を演奏。彼らの誘いに合わせて、心踊る音が渦巻く空間の中へ飛び込め。高く右手を上げて跳ね続けろ。HELLBROTHが奏でる興奮へ導く音楽の交狂曲は、理性を消し去り、心も身体も自由にしていく。
MCでは、親しみやすくも緩い姿も提示。この日より、新衣装姿でのライブなのも嬉しい。
「俺たちの始まりの1曲」の言葉に続いて演奏をしたのが、活動初期からライブの中に楽しい空間を描き続けてきた『Voyage』。演奏に合わせて飛び跳ねる人たち。でも、攻めたスリリングな演奏の上で朗々と夢人が歌うたび、その姿を心と視線が追いかける。歌を口ずさみながらベースを奏でるてらの姿も印象的だ。
大熊”けいと”邦夫の叩き出すビートに乗せ、てらのベース演奏が攻めだした。千歳の歪む攻撃的なギターの音に乗って、夢人が『HALF』を歌いだす。凛々しくも荒々しい演奏に刺激を受け、観客たちは気持ちを前のめりに音を求めていた。言葉のひと言ひと言へ強い意志と色を与える夢人の歌声も、印象的だ。大熊”けいと”邦夫のドラム音を合図に、『最後の絵画』へ。1曲1曲が、絵画や短い映画のように、強い存在感を与える。一つ一つの楽曲が持つ世界観へ気持ちがスーッと引き寄せられるのも、彼らが心の琴線を鳴らすどころか、ガッとつかみ、みずからの世界へぐいぐい引っ張っていくからだ。舞台の上からあふれでる音や歌声を零したくなくて、何時しか心の手でしっかり受け止めていた。
夢人の歌声が、瞬時に心を惹きつけた。言葉の一つ一つに哀愁や郷愁を覚える。その思いへ、演奏陣が淡い彩りを与える。『distless』の演奏中ずっと、夢人が歌う言葉の奥に潜む思いをもっと深く知りたくて、ずっと耳を傾けていた。『午後の日さよなら』では、演奏陣が芯の太い音の絵筆で次々と凛々しい絵を描けば、太い音が躍るカンバスの上へ、夢人が、攻めた表情を持ちながらも繊細さを持った歌声の絵筆で、闇にさいなむ一人の人物の物語を塗り重ねていた。
世界観を持った曲を次々奏でながらも、MCでは親しみやすい隣の兄貴たちになるところも、彼らの魅力。MCでは、「今回のライブや衣装のテーマは”お葬式”」と語っていた。この日、背景に吊るした白い布の数々は、千歳が手がけたそう。
「ここから(のブロック)がサビ」と語る夢人。その言葉を受けて奏でたのが、『ステンドグラス』。攻撃的ながらも弾けた演奏が炸裂。その上で、ポップな彩りを持った夢人の歌声が、晴れた景色を塗り重ねる。楽曲が華やぐのに合わせ、フロア中の人たちも、その場で思いきり飛び跳ね、この空間へ、野外のロックフェスのような一体化した景色を作りだす。HELLBROTH流の灼熱した演奏に乗せて、一緒にはしゃぎ倒せ。全体的にクールな音楽性を持っていながらも、内なる衝動に火がついたとき、こんなにも華やいだ様を見せるのが嬉しい。続く『真贋』では、夢人の煽る声に合わせ、場内中の人たちも声を荒らげ、その場で跳ねる。荒々しく攻めつつも、気持ちを楽しくアゲる演奏だ。ときに飛び跳ね、ときに左右に手を大きく振りながら、その歌声や演奏に身を任せていたら、彼らと同じように気持ちが熱くなっていた。
歪む音を響かせ、猛り狂う千歳のギターソロ。その後、スラップを効かせた重いベース演奏をてらが披露。千歳が、てらが、それぞれギターやベースを背負って演奏をするなど、互いに荒ぶる演奏をぶつけあうバトルを展開。そこへ、大熊”けいと”邦夫の演奏も加わりだす。そのセッションへ夢人も参加。「Oi!Oi!」と熱い煽りを通して、観客たちと一体化した景色を作りあげる。そして‥。
「ぶっ殺してやる」の声を合図に『監獄』へ。猛々しい演奏に乗せ、フロア中の人たちが、拳を振り上げ、声を荒らげ、その場で大きく飛び跳ねる。夢人もカオスな演奏の上で、がなるように声を歪ませ、荒ぶる声で観客たちを煽り出す。雄々しき野獣と化した4人の演奏へ負けずと、観客たちも身体を折り畳み熱狂。気持ちを熱く激しく揺さぶる演奏に乗せ、熱情した拳でこの場を熱く染め上げたい。さらに激しさと勢いを加えるように、HELLBROTHは『現実逃避行』を突きつけた。音の刃で身体を切り裂くようなザクザクとした演奏の上で、夢人が心狂わせるドラマを歌い語る。夢人の歌と千歳のギターソロに合わせ、フロアのあちこちで手の華が咲く。激しさを抱きながら、楽曲はどんどん華やぎだす。この場に生まれた熱狂を、何時しか笑顔で掻き集めていた。
『モンスター』の演奏を合図に、フロア中の人たちが左右にモッシュ。夢人が熱狂を作り出すコンダクターとなり、観客たちを左右に走らせる。サビでは、興奮した観客たちが手にしたタオルを振り回す。いつの間にかこの会場が、夏祭りの場に変貌。騒げや踊れやではないが、この場にいる誰もが夏に惑わされたモンスターになり、HELLBROTHの演奏に合わせて、全力で祭り上がっていた。もっともっと走らせてくれ、もっともっと狂わせてくれ。
荒れ狂うてらのべース演奏へ、ソリッドかつハードな千歳のギターが噛みついた。『Joker』に合わせ、メンバーらが煽りだす。ヒートアップした演奏に合わせ,拳やタオルを振り回し熱狂する観客たち。その様を見て、さらに煽るメンバーたち。終盤には、フロア中の人たちが折り畳みに興じる場面も登場。このまま限界を超える領域まで、楽しい気分のまま連れ出してくれ!!!!
「足りねぇよ、もっとこいよ!」と煽る千歳。彼の感情のストッパーは、とっくにぶち壊れていた。激しく頭を振り乱す様を作り上げたヘドバンナンバーの『ドラマ』でも、彼らは歌系の表情の中へ荒ぶる要素を次々と詰め込み、観客たちを飛び跳ねさせる。気持ちを熱い高揚へ導く歌と爆裂疾走する演奏を重ね合わせ、HELLBROTHはこの場にいる人たちを、熱狂に溺れる無邪気な少年少女に戻していった。これこそが、HELLBROTHが作り上げた熱狂をむさぼり喰らう楽しい音楽の楽園。その様を示すように、HELLBROTHは『ラクエン』を演奏。さぁ、冷めない熱を抱いたまま上がれ、上がれ、上がり続けろ!!!!
ライブの最後に奏でたのが、2ndアルバム『レプリカ』でも最後を飾った『LINK』。火照った気持ちを優しく揺らす演奏だ。ここまで共に作りあげてきた熱狂と興奮を、改めて身体の内へしっかり染み渡らせるように、誰もが『LINK』の演奏に触れながら、この日の記憶を、心のフォルダへ納めていった。
アンコールは、HELLBROTH流のダンスロックナンバー『灰泥』から。夢人の手の動きに合わせ観客たちが手振りを真似れば、疾走躍動する演奏に乗せ、その場で飛び跳ねだす。サビ歌では、フロアのあちこちに花咲く景色も誕生。1曲の中、次々と表情を変えながら、HELLBROTHはふたたびこの場に熱を満たす環境を作りだしていった。最後にHELLBROTHは、会場中の人たちとシンガロングしてゆくエモチューンの『プラネタリウム』を演奏。歌心を持った楽曲を通して、この場に心地よくもエモい空間を作り上げ、一緒に胸を熱く燃やしていった。さぁ、この道を、今度は何処へ繋げていこうか。
止まないアンコールの声を受け、ふたたび舞台へ。「殺しますよ」と煽る言葉に相応しく??最後にHELLBROTHは、歌心あふれた開放感たっぷりの『Contact』を通し、この場に足を運んだ仲間たちと気持ちのチューニングを一つに合わせ、満面の笑顔が咲き誇る景色を作りあげていった。場内中の人たちが、無邪気な笑顔で大きく手を振る景色が眩しい。メンバーと観客たちが同じ気持ちと景色を共有したとき、そこには心を笑顔で満たす素敵な場が生まれる。みんながくしゃくしゃの笑顔で大きく手を振り飛び跳ねれば、その様を笑顔で抱きしめるように4人が歌い演奏をする。その姿が忘れられない。いや、忘れたくない景色として強烈に心へ焼きついた。
HELLBROTHは、秋から新たな全シングルを手に、メンバーの地元を廻る全国ツアーを行う。そのツアーでは、この日のライブでテーマにしていた「お葬式」の続きとなる物語が描きだされる。点と点をつねに線として繋ぎ、一つの物語として綴り続けるHELLBROTH。この日の続きとなる真っ白なページに、また一緒にカラフルな物語を記そうじゃないか。
PHOTO:Tomoya Baba
TEXT:長澤智典
HELLBROTH 全7ヶ所ワンマンツアー開催&New Singleリリース・インストアイベント決定!
▼Autumn Tour『Catch me in the Reincarnation』
■11/07(木)千葉LOOK
[OPEN/START]17:30/18:00
■11/08(金)浦和Narciss
[OPEN/START]17:30/18:00
■11/10(日)神戸KINGSX
[OPEN/START]17:00/17:30
■11/11(月)アメリカ村BEYOND
[OPEN/START]17:30/18:00
■11/13(水)四日市CLUB CHAOS
[OPEN/START]17:30/18:00
■11/14(木)名古屋ell.SIZE
[OPEN/START]17:30/18:00
■11/19(火)池袋EDGE
[OPEN/START]17:30/18:00
[チケット]※全公演共通
【A】5ショット撮影付チケット(e+プレオーダー)¥5,000
https://eplus.jp/hellbroth-reincarnation/
(プレオーダー期間:8/17(土)12:00~9/11(水)23:59)
【B】5ショット撮影付チケット(e+一般)¥5,000
https://eplus.jp/hellbroth-reincarnation/
(一般発売:9/21(土)10:00~)
【C】物販手売りピクチャーチケット(各公演デザイン別) ¥500
【D】無料配布チケット
当日入場無料
※各チケット入場時ドリンク代別途要
[入場順]
A → B → C → D → 当日券
▼New Single 2024.11.03Release!
『rencontre』
3曲収録 ¥1500
▼『rencontre』対象インストアイベント
■11/11(月)little HEARTS.大阪店(15:00~)
■11/14(木)名古屋fiveStars(15:00~)
■11/16(土)little HEARTS.新宿店(18:00~)
11/16(土)Like an Edison東京本店(21:00~)
▼HELLBROTHオフィシャルYoutubeチャンネル開設!
https://www.youtube.com/@hellbrothofficial
1/26青山RizMにて行われたツアーファイナルワンマン映像を3曲公開中!
▼2nd full album「レプリカ」発売中
12曲収録¥3,000
1.The curtain rises
2.モノローグ
3.オーケストラ
4.HALF
5.最後の絵画
6.ステンドグラス
7.監獄
8.現実逃飛行
9.Contact
10.モンスター
11.LINK
12.The curtain falls
【アルバム封入特典】
ランダムトレーディングカード(全4種)各メンバーステータスグラフ記載
【販売場所】
HELLBROTHライブ会場物販
地獄商店(https://www.secure-cloud.jp/sf/sp/1640185814VuDKBYpd)
名古屋fiveStars
littleHEARTS.新宿店
Official Site
https://hellbroth.bitfan.id/
Official X
https://twitter.com/jigokutomodachi
Vocal 夢人 https://twitter.com/yume0922
Guitar 千歳 https://twitter.com/chitose_chitoru
Bass てら https://twitter.com/TERA_THE_BASS
Drums 大熊”けいと”邦夫 https://twitter.com/ookumakunio
セットリスト
『モノローグ』
『PLAN.B』
『オーケストラ』
MC
『Voyage』
『HALF』
『最後の絵画』
『distless』
『午後の日、さよなら』
MC
『ステンドグラス』
『真贋』
てらVS千歳
『監獄』
『現実逃避行』
『モンスター』
『Joker』
『ドラマ』
『ラクエン』
『LINK』
-ENCORE-
『灰泥』
『プラネタリウム』
『Contact』