Blog
新生Empressが描いた生まれ変わった明日の景色は、まさにキラキラと希望という輝きを放っていた。彼女たちがこれからどんな明日の地図を描きだすのか。その景色を一緒に見たくなる始まりが、そこには生まれていた。
新体制第一弾柵となったシングル『Rebuild』を手に,Empressが初となる全曲披露ワンマン公演「Restart~君へ贈る歌~」を1月29日(日)吉祥寺CRESCENDOで行った。サポート・アクトとして先輩バンドのFullMooNも出演。場内を温めたうえで、Empressのライブへバトンを手渡した。
後ろまで人が詰めかけた場内。幻想的なSEに乗せ幕が開く。そのまま『運命』へ演奏が駆けだすのに合わせ、フロア中から熱い声が沸きだせば、数多くの拳が突き上がる。メンバーらは冒頭から挑む姿勢で、満員の観客たちを熱くけしかけるように歌い奏でていた。ベースの莉音に至っては、最初からセンターの台に乗ってアピール。agehaも、台の上からフロア中の人たちを見下ろし、挑むように歌っていた。メンバーらの気迫に押されまいと、フロア中から突き上がった拳が、雄叫びと共にぐるぐるとまわり続けていた景色も胸に熱い。
MCでは、どこか遠慮ぎみになるところも、プライベートではグイグイとイキきれないメンバーたちらしさ。でも、『ナイトメア』でみつきのギターが唸りを上げるのを合図に3人とも表情が凛々しく変われば、ふたたび挑む姿勢で、観客たちへ沸き立つ感情をぶつけていた。フロアでも、3人の気迫をさらに高めるようにと熱い声と拳が突き上がる。これはバトル?けっして対立する戦いではない。互いに感情を高めあい、一緒に熱狂という高みを目指そうと、Empressのメンバーらとフロアに詰めかけた仲間たちが互いに思いをぶつけ、熱情という火花を生み出していた。
サポートドラマー葵(FullMooN)のビートを背景に、agehaが切々とした思いを『花蝶風月』に乗せて歌いだした。そこへギターやドラムの演奏が加わり、楽曲は激しく華やぎだす。美しく艶やかな楽曲が、ライブという熱を集めた空間の中で、いつも以上に華やかな音の花を咲かせていた。歌声や旋律という花びらが場内中を舞い踊る。フロア中から生まれる熱狂の風を受け、ずっと艶やかに舞い続けていた。
バラードを得意としているagehaの魅力を活かすように、胸にジンと染み渡る『ラストシーン』を演奏。agehaが、みつきや莉音も、演奏を介してみずからの心と向き合いながら、歌い奏でる音にしっかりと思いを乗せていた。それまで熱情していた観客たちも、歌に思いを捧げるように身を浸していた。高まる気持ちとリズムに合わせ、指揮棒のように腕を大きく揺らす観客たち。彼女たちと気持ちが重なりあった瞬間、心が揺れ動くのも納得だ。歌い終わり、大きな歓声と拍手が沸き起こっていたことも、お伝えしておきたい。
次に奏でたのが、この日初披露の新曲『Rain』。Empressのライブ空間に熱狂を生み出すに相応しい、凛々しく攻めた楽曲だ。フロアにいる人たちは、初見にも関わらずノリと勢いをつかみ、時に声を張り上げ、ここぞというポイントで拳を振り上げていた。ただ攻めるだけではない、メンバーらの姿からは、込み上がる感情を解き放つように歌い奏でる様も見えていた。何時も以上に攻撃的な旋律を奏でるみつきのギターの音に刺激を受け、叫ぶ人たち。2サビ以降はフロア中の人たちが声を張り上げ、拳を突き上げていた。またも、ライブを熱狂で彩るに相応しい楽曲が誕生した。
フロアに生まれた勢いをさらに膨らませるように、Empressは『one day』を演奏。今、ここで伝えたい意思や思いを突きつけるように雄々しい姿で歌うageha。彼女の強い思いをさらに盛りあげるように、高揚を覚える旋律を奏でるみつき。重厚な音で支える莉音と葵のリズム隊が駆けだすのに合わせ、この空間に大きな熱が生み出されてゆく。
止まることなく『ビターブレンド』へ。熱情したこの空間へ眩しい光を降り注ぐように、3人はみずからの身体から輝きを発していた。サビや間奏では、agehaと観客たちが手にしたタオルや拳をグルグルとまわし、この空間に風を巻き起こしていた。1曲ごと巧みに表情を塗り替えながらも,彼女たちはずっと気持ちを熱く掻き立てる。終盤、無邪気に飛び跳ねる人たちが誕生していたのも、納得だ。
ここからは、メンバーのソロ・コーナーへ。一番手を担ったベースの莉音は、事前に配布した鬼の面をかぶった観客たちへ向け、葵のドラムビートに乗せてベースを演奏。テクニカルなプレイだけを届けるのではなく、演奏の合間に豆まきを(豆まきの合間に演奏を?)組み込めば、観客たちと「鬼は外、福は内」「Oi!Oi!」とコール&レスポンスを繰り広げる形でソロコーナーを作りあげていった。
二番手に登場したagehaは、 低音声も活かしながら中島美嘉のバラード『雪の華』を朗々と歌いあげた。彼女自身が、冬の景色の中へ身を預けるように、淡い恋心に心揺れる女性に気持ちを染めながら歌っていた。
最後を担ったのが、みつき。みずから打ち込んだ楽曲を背景に、野太いギターの音を麗美に響かせ、哀愁を帯びた旋律を奏でていた。とてもスケール大きな楽曲だ。いわゆるテクニックに走るのではなく、ギターの旋律で歌うようにみつきは音を鳴らしていた。そこは、メロディメイカーのみつきらしさと言えようか…と思ったところで、いきなり転調し、シンフォニクでハード&メロウな表情へ転化。泣いたギターの旋律を活かしたドラマチックな演奏を見せてくれた。
ここからは、パートチェンジのコーナーへ。みつきがベースを、agehaがギターを。そして、莉音がヴォーカルを担う形で『きみと空』演奏。届けたのが、Empressの中でも甘い青春模様を描いた楽曲。この曲を、莉音が真っ直ぐな声で歌えば、agehaも必死にギターへ向き合っていた。ベースのみつきは、巧みに演奏。葵のドラムを含め、リズム隊がしっかりと支えた楽曲に乗せ、フロア中の人たちも大きく手を振りながら、眩しい青春の景色の中へ一緒に飛び込んでいった。
演奏を終えたメンバーのもとへ、邪悪将軍が乱入。「邪悪将軍ショー」と題し、戦隊ヒーローのゼロバーンと闘う小芝居(ヒーローショー)を披露。その後、重大発表へ。その内容が、新ドラマーいおりの加入の発表。しかもここからは、新生Empressとしてのライブを早くもスタートさせた。
新生Empressの始まりを告げたのが『Rebuild』というのも、冴えた選曲だ。演奏が始まったとたん、フロア中から絶叫と無数の拳が突き上がる。その風景を4人はがっちりと受け止め、みずからの限界を超える勢いで、燃えたぎる思いを勇壮な音と歌声に乗せてぶつけていた。4人とも、挑みかかるような雄々しい姿だ。その気迫へ気持ちを押されるよう、フロア中の人たちも理性を消し去るように雄々しい声と拳を振り上げ、この空間に熱情した景色を作り出していた。
ミドルメロウな『ハルジオン』では、少し抜いた歌声で歌うageha。その背景では、タイトないおりのドラムが心地好く響き渡る。ジワジワと熱を上げる莉音のべースに、切々としたギターの旋律を奏でるみつき。哀愁メロウな楽曲を通し、Empressは触れた人たちの胸の琴線をキュッと鳴らしていた。
「今もドキドキしていますけど、これから精一杯がんばります」といおりが挨拶。ようやくEmpressがあるべき4人体制に。さらに、莉音のベースも新体制になって新調したことを伝えていた。
「繰り返す日々にただ背を向けて僕は一人歩きだした~」と、胸に切ない思いを抱きながら、Empressは淡い切々としたバラードの『Days』を演奏。新体制になったことでの希望と自信が漲っているからか、哀愁を帯びた『Days』にも関わらず、とても強い意思を持って、agehaの歌声が、3人の演奏が胸に響いていた。自信や希望は、人を一瞬にして磨きあげる。その姿を、今、4人はここで示していた。
重低音の効いた莉音のべースが唸りを上げる。『カタルシス』の演奏が始まったとたん、フロア中から熱い雄叫びと拳が突き上がる。メンバーたちも、雄々しい声や演奏を響かせ、観客たちを煽るように挑みかかっていた。いつしか観客たちが、台に立って歌うagehaのまわりに群がり、何度も何度も拳を振り上げ、熱情した声を上げていた。ビートに合わせ、身体を大きく折り畳む様も含め、ここには熱狂の景色が生まれていた。3人がそれぞれの台の上に立って演奏する姿も圧巻だった。
agehaの「オーオーオー」の声に合わせ、一緒に声を重ね合わせる観客たち。光を携え一体化した景色を描きだすように、Empressは『BEST LIFE』を演奏。笑顔を導く楽曲に乗せ、agehaが、フロア中の人たちが手にしたタオルをくるくるとまわし、この空間に熱した風を巻き起こす。さぁ、もっともっと熱情した空気で。「オーオーオー」とみんなで歌う声で、この空間にたくさんの眩しい笑顔の花を咲かせてくれ。
最後にEmpressは、『渚』を披露。弾むような軽やかな演奏と、未来に期待を馳せる思いを歌い奏でるメンバーたち。その演奏に合わせ観客たちも飛び跳ねれば、みんなで大きく手を降り、夢見る思いを分かち合っていた。なんて最高の始まりの景色だ。「もしも生まれ変わる日がくるなら~明日を描く未来へ進もう」と彼女たちは歌っていた。新生Empressが描いた生まれ変わった明日の景色は、まさにキラキラと希望という輝きを放っていた。彼女たちがこれからどんな明日の地図を描きだすのか。その景色を一緒に見たくなる始まりが、そこには生まれていた。
アンコール前に、メンバーたちが言葉を述べだした。
「わたしがここに立てているのも、いろんな人の支えがあったからだと思っています。加入を決めたときに背中を押してくれたageha、みつき・莉音。ドラムのことでたくさんフォローしてくださったFullMooNの葵さん。今日、いきなりの登場だったのに温かい声援を送ってくださったみんなのおかげです。わたしが加入するにあたって受け入れてもらえるか不安やプレッシャーがありましたけど。加入を決めたからには精一杯頑張っていきます。4人になったEmpressの応援をよろしくお願いします」(いおり)
「今日まで気を張りつめていたんですけど、無事に終えることが出来たのは、本当にみなさんのおかげです。ありがとうございます。わたし、Empressでしか本当に輝けないので、これからも頑張っていきます。これからは4人で最高の音楽を作りあげていきましょう。止まりたくないので、これからも応援よろしくお願いします」(莉音)
「Empress、3年間ドラムがいなかったんですけど。莉音ちゃんが入ってくれて、agehaさんが入ってくれて、このタイミングでいおりちゃんが入って、この4人になれるって「運命」だなと思ってて。それこそ「奇跡」なのかなと信じているんですけど。Empressの音楽で起こせる奇跡を、わたしはずっと信じて活動してきました。この4人とだったら、Empressでもっとすごい何かを起こせるんじゃないかなって信じてます。もうわたし、悲しいことで、ここでは泣きたくありません。これからは嬉しいことで泣いていきます。これからもEmpressについてきてくれると嬉しいです」(みつき)
「わたし、今までの人生の中で自分のバンドで活動したことがなくて。ここが本当に初めての場所です。わたしも、ここに出会えたのは「運命」とすごく思いながら、毎日活動しています。全パートきっちり揃った4人になったことを本当に嬉しく思います。Empressのことを引っ張っていけるめちゃくちゃ恰好いいヴォーカルになれるように頑張っていきますので、今後のEmpressにご期待ください」(ageha)
アンコールでは、新生Empressとして『one day』を演奏。「伝えたいこの瞬間を 届いて今があることを」と、4人は、今、ここで気持ちを一つに未来へ向かって駆けだせることを本当に喜んでいた。いや、ここからようやく進撃してゆく確かな実感を覚えているからこそ、ふたたび『one day』を歌いながら、今の自分たちが胸に抱いた意思を、強い自信を持って響かせていた。 その思いを信じた大勢の仲間たちが、拳と絶叫という熱いエールを4人に送っていた。
最後にEmpressは、ここから新しい始まりの景色を描こうと『Restart』を演奏。アンコールの2曲を通して新生Empressが伝えた、歌を通した言葉。フロア中の人たちも,「Restart」と、「ランラーララーラーラララー」と歌いながら大きく手を降り、一緒に思いを声に乗せ、ここから新たに描きだすEmpressの物語というページに、最高の始まりの景色を刻んでいった。
そして、Empressは先のステージへと歩みだす。
TEXT:長澤智典
ドラマー、いおりについて。
いおり もともと音楽好きな友達とたまにライブを開いては、身内でセッションバンド演奏を行う機会はあったんですけど。個人的にもっとドラムの技術力を高めたい思いがあったんですね。そこには、中途半端にドラマー人生を終えたくない気持ちもありました。それもあって、メンバーとして参加できるバンドを探し出したところ、出会ったのがEmpressでした。
いくつかのバンドさんと出逢っていく中で、Empressに決めたのは、強めの曲が好きであり、ドラムのプレイ面でも激しいほうが燃える性格というのもあるからなのか、テンポ速くテクニカルな面を要求される音楽性のところがすごく刺さりました。メンバーも、実際にお会いしたら、みんなフィーリングの合う人たち。その人柄に惚れた面も強く、それで加入を決めました。
みつき 一緒にスタジオに入って、各々いいなという思いが、最初からあったからね。
莉音 わたしもスタジオで初めて音を合わせたときから、この子がいいなと思って。なんか同じ匂いがした。音楽へ向かう気持ちも似ているんですね。わたしも、演奏技術が難しいほど燃えるんですよ。だからこそ、最強のリズム隊を目指したいです。
ageha 最初に会ったとき、普通に可愛いと思ったくらい、一目惚れ感があったし、雰囲気も好きだったんですけど。ドラムを叩いたらすごく歌いやすく、しかも、プレイ中によく目があうんですよ。それがすごく嬉しくて。
いおり わたしは今まで夢とかとくに持つことなく生きてきたので、Empressのメンバーになったことで明確な目標が生まれたし、ここからわたしも夢を追いかける一人として頑張りたいなと思っています。
Empress new single 「 Rebuild 」 MV
SNS
https://twitter.com/Empress_tw
Vo.ageha
@Empress_ageha
Gt.みつき
@Empress_mitsuki
Ba.莉音
@Empress_rinon
Dr.いおり
@Empress_iori
セットリスト
『運命』
『ナイトメア』
『花蝶風月』
『ラストシーン』
『Rain』
『one day』
『ビターブレンド』
各メンバーソロパート
莉音
ageha
みつき
『君とそら』(パートチェンジ)
邪悪将軍ショー
『Rebuild』
『ハルジオン』
『Days』
『カタルシス』
『BEST LIFE』
『渚』
-ENCORE、
『one day』
『Restart』
FEATURED
- タイラダイスケ (FREE THROW)【生活と音楽 Vol.9】× モリタナオヒコ (TENDOUJI) (前編)「何にもなかった生活に寄り添い続けた音楽」
- 山崎まさよし、小沢健二などで知られるベーシスト・中村きたろー、プロアマ問わず楽曲のベース演奏を依頼出来る「WEB BASS FACTORY」をスタート
- 平均年齢20.5歳。大阪寝屋川発スリーピースロックバンドthe paddlesが、初の全国流通盤となる『EVERGREEN』より「Alright」のMVを、そしてリリースに伴う全国ツアー日程も発表!
- 現在はデジタルアーティストとして活動する元音楽プロデューサーの月光恵亮氏が無観客配信トークライブ
- アイスランドが生んだ天才SSW・Ásgeir、約2年ぶり自身最大規模のジャパン・ツアー開催決定 日本のファンへコメント動画公開