Blog
一体化した熱狂の景色が消えない限りREADY TO KISSは何度でも輝く姿を取り戻せる。ワンマン公演レポが到着。
READY TO KISSが誕生したのが、2013年10月20日だった。グループは、今年で丸10年を迎える。歩み続けた歴史の中、メジャーを舞台に活動をした時期もあれば、Zepp TOKYOでワンマン公演を行うまで支持を集めたこともあった。その反面、度重なるメンバーの卒業と加入を繰り返し続け、そのたびに支持の数が増減することや、さらなる勝負をかけようにも、何十回と足踏みをする経験も重ねてきた。それは、今も続いている。
この日のMCで、メンバーたちは、足踏みどころか、環境が狭まっていることに焦りと悔しさを覚えていることを口にしていた。「本当なら」「あのときこうしていれば」など、”たられば”の話をしたところで、それが解決にはつながらないこともメンバーたちは知っている。もちろん、努力はしている。それでも変えられない現状に、彼女たちはもどかしさを覚えていた。
それを打破するきっかけとして3月6日(月)に組まれたのが、渋谷REXを舞台にしたワンマン公演『The Touchstone』だった。先に伝えると、大勢のファンたちが詰めかけたとはいえSold Outには至らなかった。それがなおさら、今の彼女たちの悔しさにつながっていた。でも、火種とは、何時、どこにでも生まれる。要は、それに着火するきっかけを、アイドル側だけではなく、応援する側も一緒につかみ、火種を燃やせるかだ。
先に伝えるなら、この日のライブは声出しOKという理由もあり、終始、フロア中から野太い声が轟いていた。沸いていたや、響いていたなんて生易しいものではなかった。フロア中の人たちの喉が枯れんばかりの勢いで上げた声は、轟くという言葉が相応しい迫力を持っていた。それがREADY TO KISSの支持が再燃する火種となり、燃えだしたのか…。それは、まだわからない。ただ、この日の会場にいた人たちは、これからもREADY TO KISSについていくと思っていたはずだ。
当日のライブは、お馴染みのSEが流れだすのに合わせ、フロア中から騒音のような声となったメンバーコールが飛び交っていた。フロア中の人たちは、最初から気持ちのエンジンをフル回転させていた。その時点から、この日のライブがすさまじい熱気に包まれることを予告していたのだと、今になって思い返す。
冒頭を飾ったのが、特別な存在の人へ向けて「大好き」と思いを伝えた最新ナンバーの『愛A.S.A.P』。晴れ渡る楽曲に乗せ、7人がキラキラと輝く思いを胸に「大好き」と歌うたびに、フロア中から絶叫が飛び交う。早くもそこには、互いに思いを交わしあう眩しい世界が広がっていた。
『トップシークレット~切ない極秘事項~』では、一人一人が歌うたびに、メンバーカラーのペンライトの揺れる光とともに、絶叫にも似たメンバーコールが起きていた。。7人は、歌のヒロインに気持ちを染めあげ、「ねぇ苦しいよ」と切ない恋心を伝えてきた。でも、この日の彼女たちは、切なさを前向きな気持ちに塗り替えていた。「ねぇ苦しいよ」「切ないよ」とメンバーらが歌うたびに、さまざまな口上やコールが飛び交う。一体化したこの景色は、長年培ってきた関係が生み出した軌跡。『自由な女神』でも、「舞い上がれ」「空高く」の歌声に合わせ、フロア中から「HEY」と掛け合う野太い声が生まれていた。熱情したメンバーコールが次々飛び交う中、メンバーらの笑顔も、何時も以上にキラキラと輝いていた。
ポップでキャッチーな『成増になります』で彼女たちは、なりたい自分になることを夢みるように歌っていた。その姿に向け、フロア中から絶叫にも似た熱いエールが飛び交う。哀愁を帯びたギターの旋律。そこへ絡む牧野広実の「くれない」と歌う切ない歌声。とても妖しくもドラマチックな展開だ。ギターが激しくリフを刻み、唸りを上げるや、ツーバスナンバーの『呉れない』が炸裂。ヘヴィメタル×ヴィジュアル系×アイドルの要素がクロスオーバーした、哀愁と熱情が交錯するハード&ドラマチックな楽曲だ。この曲では、激しく、凛々しく歌い踊る様から、胸にそっと手を寄り添え、恋する思いを切々と歌いあげる面も見せていた。
激しい表情から色を一気に塗りかえるように、7人は、愛しい人の姿や思い出を胸の中のスクリーンに映しながら、後悔に心を震わせるように『永遠に』を歌っていた。胸が苦しくなる切ない歌なのに、メンバー自身は、その悲しみを吹き飛ばす勢いで歌っていた。「永遠にあなたの側で笑っていたかった」「あの日々がずっと続くと思っていた」と、今にも涙が零れそうな声で歌う場面も、心をキュッと締めつけた。
READY TO KISSといえば、いろんなスイーツを題材に、そこへ人生や恋心を比喩した思いを重ねあわせた歌を次々と発表してきた。ここで披露したのが、「スイーツメドレー」。『ゴールデン・マンゴーパフェ』を通して見せた、キラキラ輝く乙女の恋心。その思の行く末は…。甘いときめきを口(心)いっぱいに頬張るように歌った、『ストロベリー・ソフトキャンディ』。甘酸っぱい思い出を振り返るように届けた『ブルーベリー・ヨーグルト・スムージー』。3曲とも、淡く、甘酸っぱい青春時代の恋心を振り返るように歌った曲たち。青春時代の恋心には、どうして叶わなかった恋への後悔が似合うのだろう。それこそが、甘酸っぱいフルーツを頬張ったときと同じ、糖度の高い一瞬の幸せだからなんだと思う。
終わることのない、その先の未来へ歩みだす力を胸に、7人は優しい笑みを浮かべ、声を明るく響かせ、『その先の未来へ』を歌っていた。間もなく卒業をする美唯うみや、その先のREADY TO KISSの未来を輝かせることを誓うように、彼女たち自身が心を輝かせ、笑顔で歌を届けていた。「その先の未来へ歩き始めるんだ 茨道の果てに向かうべき場所がある」の歌詞が、READY TO KISSらしい。一人一人が、何が待ち受けているのかわからない未来へ向かって、後悔のない思いを胸に一緒に歩いていこうと誘いの手を伸ばしてくれた。
たくさんの夢と希望を乗せて駆けだした『突撃シャングリラ』では、メンバーらの「突撃」の声へ応えるように、フロア中から「Oh!」と熱い声が飛び交う。メンバーとフロア中の人たちが、どんな困難さえもぶち壊して突き進む勢いを胸に、「突撃」と明るく叫んでいた。メンバーとファンたちがともに声を張り上げ、気持ちを一つにしてゆく景色が胸に熱い。READY TO KISSには、まだ見ぬ未来へ向かい、たくさんの夢を抱えて走り続ける姿がとても似合う。
飛び出したのが、活動初期からフロア中に絶叫した声を生み出し続けてきた『秒シミュレーション』だ。メンバーらの歌声に合わせ、巧みに合いの手を入れる観客たち。この曲では、終始、張り上げた声が飛び交っていた。最後を飾った『ChuChu』でも、イントロが流れだすやフロア中からMIXが飛び交えば、ソロパートでは、一人一人に向け熱情した声が飛び交っていた。サビ終わりの「ChuCh好きだよ」「俺もー!!」の掛け合いも、お馴染みだ。フロア中の誰もが、腹の底から湧き出る声を、本気で彼女たちにぶつけていた。熱情をした気持ちと気持ちでKISSを交わしあうたびに、”KISSで世界が変わるという彼女たちの言葉を信じたくなる。終盤、みんなが拳を振り上げ吼え続けるディープな熱狂のKISSを、もっともっと深く味わいたい。
アンコールは、「恋してる 君にしてる」と哀切な思いを零すように『君恋』を歌いながら始まった。切ない心模様を言葉にした楽曲とは裏腹に、フロアからは熱いMIXやメンバーコールが飛び交う。熱烈に恋をしているときは、それが心苦しい思いだろうと、切なさに涙しようが、心の声をぶちまけずには自分を保てない。メンバーたちはもどかしい恋心を、願いを込めて歌声に乗せていた。フロア中から止めどなく沸き上がる絶叫が、フロア中に熱を生み出す。その勢いを受け止めながら、7人は哀切な気持ちに心を染めながら歌い踊っていた。
ベルの音を合図に響きだしたのが、READY TO KISSのスウィーツナンバーの中でもとくに支持の高い『エメラルド・クリームソーダ』。フロア中から飛び交う「おまえが一番 おまえが一番」の絶叫。観客たちが、シュワシュワと弾ける炭酸以上の勢いで弾ける景色も、今やお馴染みだ。一人一人に向けた熱いエールは、フロア中の人たちからメンバーへ向けた告白のよう。この甘い衝撃にずっと溺れていたい。次々と流れるヒット曲のパレードにずっと酔いながら、熱狂を更新し続けていたい。
終盤に飛びだしたのが、READY TO KISSのライブをずっと輝く光で照らしてきた『STAR LIGHT~星色のこの気持ち、空に映れ~』。「世界中に向けてこの思いを映し出せ」「Star light」のやり取りが、胸アツだ。この曲でも、メンバー一人一人に向けた「おまえが一番 おまえが一番」の声や、サビ歌でフロア中から雄叫びのようなオーイングが飛び交っていた。みんなで一緒に「Star light」と叫ぶ、この瞬間をずっと分かち合っていたい。フロア中の人たちは、喉が枯れる勢いでずっと声を張り上げていた。ラストの『ムテキモード』でも、冒頭から熱いMIXが飛び交うなど、一人一人が自分を無敵モードな自分に染めあげ、全力でオーイングをし続けていた。メンバーたちも、フロアから飛びかう無敵な雄叫びをパワーに、眩しく輝き続けていた。
一体化した熱狂の景色が消えない限り、READY TO KISSは何度でも輝く姿を取り戻せる。何度もどん底を経験してきた彼女たちだからこそ、簡単に心が折れることも、へこたれることもない。なぜなら、この場所には、こんなにも無敵になってはしゃぐ最高の仲間たちがいる。その仲間が増えれば、さらに最強の宴を作っていける。燃えさかる続けるこの火を持って、いろんなところに火種を起こしたい。
最後に、メンバーを代表し、牧野広実のMCを記したい。
「この7人でワンマンライブを迎えられて、すごく嬉しいなという気持ちでいるんですけど。今回のワンマン公演を聞いたのが、2カ月前くらい。「会場は渋谷REXです」と言われたときには、「すごく悔しいなぁ」とけっこう複雑な気持ちでいました。(牧野広実自身が)6年間READY TO KISSを続けてきた中、過去のREADY TO KISSも、今のREADY TO KISSも、もちろん大好きだし、いろんなREADY TO KISSを経験してきたんですけど。自分の思っている目標や夢からかけ離れてしまっているんじゃないかと思って、そこがすごく悔しいし、複雑だし、自分もずっとやってきたからこその責任を感じて、ちょっと複雑な気持ちでいました。
今、悔しい気持ちを言ったんですけど。もちろん、活動をしていて、悔しい気持ちばかりではなくて、応援してくれるファンのみんながいつもわたしを支えてくれているし、励ましてくれるから、今の自分がいるし、READY TO KISSが存在するのだと思っています。
わたしは今年でアイドル活動10周年になるんですけど。気づいたら10年もたっていて、今までたくさん悩んできたことはありますけど。今、READY TO KISSを、グループのためにも、自分のためにも、大好きなファンの方にもっともっと笑顔を届けたいし、大好きなみんなと、もっと大きな景色を見ていくのを目標にしているので、まだまだ終われないなと思っています。なので、2023年もリリースを目指したいですし、ファンのみんなに、たくさんたくさん楽しいREADY TO KISSと思ってもらえるようなREADY TO KISSを目指して頑張っていくので、これからも応援よろしくお願いします」
PHOTO: 鳥井佑香
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
『READY TO KISS 定期公演Vol.05』
【日程】2023年3月19日(土)
【時間】開場 19:00/開演 19:30
【会場】青山RizM
【料金】前売 1,000円/当日 1,500円(各1D代込)
【出演者】READY TO KISS
《チケット予約》
https://t.livepocket.jp/e/dazuc
※規定枚数に達しましたら販売終了になります
※女性限定エリアあり
物販などにて配布中のフライヤーをお持ちいただいたご新規さまは入場無料!
ご新規さま写メ&トーク無料!
【注意事項】
※マスク着用が必須になります。
※アルコール提供なしとなります。
※飲酒状態のお客様は入場できません。
※声出し可
SNS
http://www.ready-to-kiss.jp/
https://twitter.com/READYTOKISSoffi
各メンバーSNSは、こちらから。
http://www.ready-to-kiss.jp/profile.html
セットリスト
『愛A.S.A.P』
『トップシークレット~切ない極秘事項~』
『自由な女神』
『成増になります』
『呉れない』
『永遠に』
スイーツメドレー(『ゴールデン・マンゴーパフェ』/『ストロベリー・ソフトキャンディ』/『ブルーベリー・ヨーグルト・スムージー』)
『その先の未来へ』
『突撃シャングリラ』
『秒シミュレーション』
『ChuChu』
-ENCORE-
『君恋』
『エメラルド・クリームソーダ』
『STAR LIGHT~星色のこの気持ち、空に映れ~』
『ムテキモード』
FEATURED
- 義眼のシンガー富田安紀子、配信楽曲「星は、なにいろ?」をリリース。
- 現在はデジタルアーティストとして活動する元音楽プロデューサーの月光恵亮氏が無観客配信トークライブ
- skaskaskaclub、自主企画『SKAPUNK SOUNDCLASH』をTSUTAYA O-WESTで開催
- デヴィ夫人、W 祝福!同居人、加藤万里奈の大学卒業&歌手デビュー報告‼
- タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.10】× OSAWA17(I HATE SMOKE RECORDS / THE SENSATIONS)(前編)『「名前をつければ大丈夫だ」から始まったI HATE SMOKE RECORDSのレーベル活動』