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さて音楽制作の世界にもすでにAIは入り込んでいます。iZotopeのNeutronというプラグインは各パートを独自のAIで解析し、EQなどの最適な処理を提案してくれます。accusonusのRegroover Proは2ミックスにまとめられたドラム音源の中からAIがスネアやハットなどを判別、分離して取り出すことができる魔法のようなプログラム。
すでにAIは人間の代わりどころか、人間には到底できない分野を学習し、カバーしつつあります。
ではそこにAmazonのEchoのような音声アシスタントを付け加えてみてはどうでしょう?
「曲のキーかえたいから楽器のパートだけトランスポーズして。リズム隊はそのまんまで。」
「2番のBメロだけピアノやり直すから手前から流して」
「とりあえずドラムとベースだけを先にミックスしといて。あ、ボーカル用に真ん中はあけといてね。」
「FatboySlimのあの曲のイントロサンプリングして。キックは抜きで。」
なんてことが当たり前になる未来がみえてきます。アシスタントをしている人やエンジニアを目指している方にはかなりシビアな話ですが、これは近い将来必ず実現することです。
逆にいえば誰もが作詞や作曲に集中し、表現する側になる。そんな世界になるのではないでしょうか?それは決して悪いことではないのかもしれません。
いや、待てよ。
「We are the worldのサビのコード進行を呼び出して。」
「グレン・グールドのタッチでピアノを入力。」
「1オクターブ半のレンジでメロディーの候補をいくつか出して。」
「歌詞は映画『40歳の童貞男』のストーリーから抽出。」
、、、。
もはや作詞や作曲も人間の手から離れていくのが自然な流れなのでしょうか?受け手には魔法にみえるさまざな創作物、アートも、作り手側からすれば意外と経験則に習った反復作業や学習成果の積み重ねだったりします。その掛け合わせに気づかないことが人に「ひらめき」を感じさせるのかもしれません。
ここまで書いたところでAmazon Echoの招待メールがやっと届きました。
買うかキャンセルするか、悩ましいところです。
PROFILE
RAM RIDER
96年にダンスミュージックやJ‐POPのブートリミックスの制作を開始、自主レーベルからリリースした作品が一部で話題となり、数多くのトップアーティスト達のリミックスを手がける。
2000年代からはDJ、リミキサー、アレンジャーとしての経験を活かし楽曲提供や作詞、編曲、プロデュースへの道を進み、2004年自らもヴォーカルをとる形でデビュー。
スマッシュヒットとなった1st Album「PORTABLE DISCO」、ソロボーカルと豪華ゲスト参加の2枚同時という形でリリースされた「AUDIO GALAXY」などオリジナルアルバム3枚に加え、シングル6枚、リミックスアルバム2枚をリリースしている。
現在は自身のリリース、ライブ、DJと並行しソロシンガーからバンド、アイドルと数多くのアーティストのプロデュース、TV、舞台への楽曲提供、雑誌での執筆など活動の幅を広げている。
WEB:http://ramrider.com/
Twitter:https://twitter.com/RAM_RIDER
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