映像演出家・スミスの人生相談【きょうもスミスがかんがえた Vol.11】スミス、「ロケハン」についてかんがえた

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とにかくタイトなスケジュールの今回、先発してくれている助監督と現地コーディネーターとともに、とりあえず屋台で朝食。常夏気分で訪れたが、肌寒い春の朝。何度目かのバンコクだが、こんなことは初めて。暖かい鶏粥をすする。食べ終えたところで、早速最初のロケ地へ。

海外に出るとまず感じるのが匂いだ。国それぞれの匂いがあって、一度訪れるとそれは脳の奥へと染み込んでいく。過ごしているうちに馴染んでしまって、意識からは消えていく。

最初のロケ地は、駅。古くて大きく、なにより光が美しい。気持ちはすっかり仕事に切り替えられる。まだ一つ目だが、手応えがある。嬉しくて写真を撮りまくる。たぶん旅行だったらここを訪れることはなかっただろう。撮影に関わっていると、作品に振り回されて、いろんな世界を垣間見ることができる。好奇心が刺激される。非日常から観る、日常。日常を非日常に。まさに映像である。

さて、今回の質問です。

 ものまねのコツを教えてください(匿名年齢性別不詳)

ものまねは、何かをつくることで、もっとも大事な手法のひとつだと思います。本当に完全に真似ることができたなら、あなたは本物と同じ技術を手にしたことになります。まあそんなことはありえないんですが。本物に近づこうとする作業から、たくさんの学びを得ることができると思います。あらゆる学習方法の中で一番効率が良いぐらいです。
では、ものまねのコツとは何か。それは何がそれを規定しているのか考えることです。AとBは何が違うのか。AとA+はどこが違うのか。違いを意識的にインプットしていくことが、Aをつくるということなのです。

人生、仕事、恋愛、くだらない質問まで、どんなことでも相談にのります。質問は、twitter:@smith0204へ、性別年齢ハンドルネームをそえて、お願いします。是非。

PROFILE

スミス_slide_resize

スミス

武蔵野美術大学卒業後、竹内芸能企画にてミュージックビデオの第一人者である竹内鉄郎に師事。
2000年から演出家として活動し、映像に特化したアーティストを独自の表現で撮り続けてきた。
情熱的なパーティーチューンを得意としながらも、静謐で奇妙な作品も支持されており、動と静の作風を併せ持つ。
近年では、でんぱ組.incの夢眠ねむとの映像ユニット“スミネム”を結成し、活動の幅を広げている。 コレオグラファーとしても活動中。

Web:smith0204.com
Twitter:https://twitter.com/smith0204
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