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映像演出家・スミスの人生相談【きょうもスミスがかんがえた Vol.28】スミス、「続けること」についてかんがえた
こんにちは。映像演出家スミスです。
台風で撮影を延期しました。数年に1回ぐらいこういうことが起きます。本来あるべき撮影の日はどういうわけだか仕事が捗ります。ボーナス感があるんです。間違って早起きしたような感覚です。未来の1日を先にもらえると嬉しいものです。
どうやったら演出家になれるか。
まず何より大事なのは、自分が演出家だと信じることだ。演出とは、世界で起きる「ことがら」をある視点で切り取って、新たな価値をつけて世に知らしめる。カメラの作るフレームにどういうものを入れたいのか。いるものはどれで、いらないものはどれか。そして、それをどれだけの時間、示すのか。これの連続が感情を生み出す。演出家は自分の視点を信じてやっていくしかない。
次に、その視点が仕事になるということ。
まず生み出されるのは、個人的な視点だ。それは純粋で無邪気なままで、簡単に生み出される。それを仕事として調整していく能力が、演出家だ。調整した枠は、世の中に合わせれば良いというわけでもない。そこにどれだけ元々の個人的な視点を残せるかが大事になる。打ち合わせをしたり、ロケハンに行ったり、撮影をしたり、編集をしたりするたびに、視点はどんどんと動いていく。自分から遠く離れていかないように、少しづつ調整していく。その作業の繰り返しが仕事となる。
そして、それらをどんどんとリニューアルしていくこと。
同じことを繰り返してはいけないが、全てを捨ててはならない。生み出された作品の視点は、きっと他の作品でも使えるはずだ。しかし同じことを繰り返していては、あっという間にパターン化してしまう。なので、調整の仕方だけを残して、その時の自分の視点を捨てておく。最初の自分だけの視点を大きく変えることができれば、あとから調整していくやり方自体は同じでも、まったく違った作品が生まれていく。