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Nozomi Nobody対談連載【Origin Vol.3】×写真家・Fujii Yui「なぜ惹かれるのかー?」女子の思う孤独の魅力
瓶の底みたいなところの写真を撮りたい
Nozomi:ふじこちゃんは作品のインスピレーションはどういうところから受ける?
Yui:うーん、そうだなぁ。私音楽とかそんなに聴かないし、何か割と、日常かな。公園行くのはすごい好き。緑見たり。空とか。
流動的なものが好き。氷の溶ける瞬間とか。日常なら、そういうふとした瞬間とか、あとは電車の中で空見てる人の横顔とかすごく好き。そういう日常と、あと映画がすごく好きで。同じ映画何回も見たりする。
Nozomi:そうなんだ。何が好き?
Yui:何が好きかな。『孔雀』っていう浅野忠信の映画があって、浅野忠信が外国のとあるバーに迷い込んで、その中でアンダーグラウンドの人達と混ざり合っていくみたいな。なんて言うの、あんまりストーリーがないような、視覚で魅せられる系の映画がすごい好き。
Nozomi:うんうん。
Yui:自分がすごい女性脳だと思う。理論的なものがあんまり受け入れられないっていうか、秩序立ったものが体にハマらない。
Nozomi:あぁそうなんだね、面白い。
Yui:だからストーリーがないものの方が理解できることがある。
Nozomi:そうかぁ。私は多分すごく男脳だと思うんだよね。「こうだからこう」みたいな。
Yui:うらやましい。それで理解出来るっていうのが羨ましい。
Nozomi:そうかな。でもかっこいいと思うな、そういう感覚的なことって。やっぱり頭で考えることよりもそういうものの方が強かったりするじゃない。
Yui:身体にハマるっていう感覚がすごい大事。それをもっと言語化出来たりしたら一番いい。
Nozomi:確かに、それを表現出来たらすごくいいね。
Yui:そうそう、それを伝えるっていうのが大前提。でもそういうのすごい下手くそ(笑)
Nozomi:あはは
Yui:あと小川洋子さんっていう小説家がすごい好き。
Nozomi:へ~知らないや。
Yui:『薬指の標本』っていう本があって、「何でも標本にします」っていうお医者さんみたいな人がいて、そこには色んな依頼が来るねんけど、例えば音楽とか記憶とか、一見ちょっと意味のわからないようなものを標本にするっていう話。それもすごい面白かった。だって「音楽を標本にどうやってするんですか?」っていう話しで、ピアノを弾ける人に弾いてもらって、楽譜と一緒に閉じ込めて標本にしてもらうんだけど、でもそれって多分物理的なことじゃなくてすごい精神論っていうか…。
私の写真は日常的なものっていうよりはもうちょっとファンタジーの要素があると思ってて、日常過ぎないっていうか。日常からインスピレーションはもらうけど、自分の写真はもう少しファンタジーな部分でありたいって思うな。あとは絵画とかからもらうことも多いかも。日常は日常ですごい感じるし生きてるし(笑)、だから創作はちょっとだけファンタジーが欲しい。
Nozomi:それはちょっと日常を忘れられるみたいなこと?
Yui:やっぱり生きてる人を撮ってるから、それは日常ではあるけど、もっとパーソナルでありたいっていうのはすごいある。わかりやすくなくて良いっていうか。瓶の底みたいなところの写真を撮りたいっていうか…わかりづらい(笑)。別に全員に理解してもらおうと思わないから。私の好きな映画だって多分理解できない人には理解できないから。だから個人的な作品に関しては、そのパーソナルな部分が分かり合える人にわかってもらえたらいいな。
記録としての写真
Nozomi:ふじこちゃんは展示はやらないの?
Yui:展示したいね。ずっとお花女の子シリーズ撮ってるから。
Nozomi:大っきいの見てみたいな。
Yui:みんなSNSの小さい写真にすごい慣れてるからね。
Nozomi:そうだよね。でもすっごい大きいのも見たいけど、これ(A4サイズ)くらいとかみたいのもいいよね。
Yui:本当は飾ってもらえたりしたら一番嬉しいからさ。昔雑誌のスクラップとかすごいしてたんだけど、そういう感覚で部屋に置いてもらえたらいいよね。
Nozomi:私最近何回か撮影してて思ったんだけど、もし音楽やってなかったらアー写なんて撮らないし、モデルさんとかじゃない限りあんまりちゃんとした写真を撮る機会ってなかなかないじゃない。でも音楽をやってて、本当に良い自分の姿をちゃんと写真に撮っておいてもらって、それをずっとおばあちゃんになっても見れるっていうのはすごいラッキーっていうか、音楽やってて嬉しいことのひとつだなって。
Yui:時々の自分をちゃんと記録してもらえる。
Nozomi:そう。自分の好きな人に素敵に撮ってもらって、それが残るっていうのはすごく素敵なことだなって思って。
Yui:確かに。長く続けていく中で、それが音楽と写真にちゃんと刻まれていくというか。
Nozomi:顔とか変わるしさ。
Yui:うん、写真はやっぱり一番最初記録っていうところから始まってるから、まさにその良い部分というか。
Nozomi:だから素敵なお仕事だなって思って、写真を撮るっていうのは。
Yui:相まってる(笑)。音楽と写真。密接や。関係が。
PROFILE
Fujii Yui
京都造形芸術大学卒業後
広告代理店でカメラマンアシスタントを経験
その後フリーランスで活動
今年の6月から株式会社Roasterに入社
http://roaster.co.jp/
作品はinstagramにて更新中
https://www.instagram.com/fujii_yui/
PROFILE
Nozomi Nobody
様々な情景が浮かぶ楽曲と透明な歌声、ループステーションを巧みに用いたコーラスワークで魅せるライブパフォーマンスで注目を集めるシンガー・ソングライター。
2016年6月、作詞作曲、アレンジ、録音、ミックスまでのすべてを手がけたセルフプロデュース・ミニアルバム”We Are Always a Bit Lonely”を発売。10月には原宿VACANTにてリリースツアーファイナル・ワンマンライブを行い、大盛況に終えた。
下北沢のダイニングバーと教会でのサーキットイベント”CIRCUS FES”や、生音のライブ等、様々なイベントも行っている。
2017年9月13日には、自身のルーツに立ち返り新境地となる“フォーク・ポップ”2nd mini album『Everything Goes Back to You』をリリースする。
WEB:http://nozomi-nobody.tumblr.com
Twitter:https://twitter.com/NOCCO__
Facebook:https://www.facebook.com/nocco.nocco
RELEASE INFO
Nozomi Nobody『Everything Goes Back to You』
2017.09.13 (Wed) on sale
PRICE : ¥1,667 +tax
PRODUCT NUMBER:SLTR-02
LABEL:Silent Room Records
TRACK LIST:
- Introduction
- Do You Know?
- Goes Back to You
- In a Silent Room
- Spring is on the Way
- December Wind
- Judee
- This Tiny Night
FEATURED
- 現在はデジタルアーティストとして活動する元音楽プロデューサーの月光恵亮氏が無観客配信トークライブ
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