タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.8】×nico(Sawagi/まぼねん)(前編) 「流れに身を任せてたどり着いた生活と音楽」

Share on facebook
Share on twitter
Share on google
Share on email
Share on facebook
Share
Share on twitter
Tweet
Share on google
Share
Share on email
Email
左からnico(Sawagi)、タイラダイスケ(FREE THROW)

タイラ:それはすごいメンツ!

nico:そう、今となっては。で、コイチにキーボードとして来てもらって、オリジナル楽曲を当時から皆は作ってたんで、誰かボーカルを探してやろうとしたんすけど、各々のやりたいことが違いすぎてぶつかって、バーンと崩壊しちゃったんですよ。今の各々の方向性考えたらすごい分かりやすいんすけど。で、その後にコイチと一緒にやろうって話になるんですけど、それはなんかそれぞれがやってた活動に満足いってなかったんすかねぇ。

タイラ:その時はサポートっぽい感じのことを色々なバンドでやっていたっていうのもありつつも、でもやっぱり自分のエゴが出せるバンドがやりたいなぁみたいな気持ちになったのかな?

nico:そうっすねえ。で、コイチは僕小学校から一緒にいて、聴いてる曲も一緒なんで、趣味が分かりやすいから。

タイラ:一緒にやったら音楽的なぶつかり合いとかはあんまりないかなぁ?っていう。

nico:そうっすね。一緒になんか面白いことできるかなぁと思って、お互いメンバー探しした感じですね。

タイラ:で、その時に集まったのが今のSawagiのメンバー?

nico:そうです。今のSawagiのメンバープラスもう一人DJがいて。実は更にMCを入れようとしてて、当時cutman-boocheのウリョン(※7)とか、あとみんな全く知らない外国人とか入ってたんです。ヒップホップの生バンドみたいなのをやりたくて。

※7 日本のシンガーソングライター金 佑龍(キム ウリョン)。
http://kim-wooyong.com/

<金 佑龍 / ナイトクルージング~short ver>

タイラ:じゃあそもそもインストバンドをやろうと思ったわけじゃないんですね。

nico:いやもう全く思ってなかったっすね。

タイラ:じゃあ結果的にそのMCがばちっとはまらなかった?

nico:はまらなかったり、辞めちゃったりとか。インストゥルメンタルの曲がめちゃくちゃできてこれにMC乗ったら完成やなっていう感じで2年ぐらいずっと止まって完成しなくて。それやのに毎週2回ぐらいスタジオ入って曲作りとかしてたんすけど、当然全然進まへんくて。「このままやったらなんかライブもせんと終わりそうやな」と思ってたら、友達がライブ誘ってくれて、MCいなかったんですけど、インストゥルメンタルで無理やりライブしたんです。で、2回目ぐらいのライブイベントで梅田シャングリラ(※8)に出たんですね。知り合いのバンドの繋がりで呼んでもらって。それが外国人のやってるパーティーやったんすよ。そのライブもインストゥルメンタルでライブしたらめっちゃ盛り上がったんすよ。日本人と反応が違うなって。で、それきっかけで「なんかインストゥルメンタルいいんちゃうかな?」みたいに思って。

※8 大阪梅田の人気ライブハウス。
http://www.shan-gri-la.jp/

タイラ:「もうこのままやっちゃうか」みたいな?もちろん今でもそんなに多くはないけど、10年前くらいってインストのバンドってあんまいなかったなぁっていう印象はあるよね。

nico:いなかったっすよね。始めて2年くらい経ってREGA(※9)とかLITE(※10)とかとは出会いましたけど、「インストは絶対売れへんやろ!!」と思ってましたしね、俺(笑)。音楽でお金稼いでいこうとかすごい夢あってバンドはじめて、人気者になりたいとかあったのに、インストでライブするってそれどうなんやろうって…。しかも僕らはプレーヤー志向が全員あったんで、そういうプロの世界に行っちゃうのかなと思ってたんすよ。

※9 日本の4人編成のインストゥルメンタルバンド。Sawagiとは一時レーベルメイトとして活動するなど、盟友といっても良い仲。現在無期限活動休止中。

<Rega / Orange>

※10 日本の日本の4人編成のインストゥルメンタルバンド。アメリカ・ヨーロッパ、アジアなど、日本だけでなく世界を股にかけての活動をしている。

<LITE / Bond>

タイラ:バンドを25歳の時に組むぞってなった時は、完全に音楽で飯食いたいって思ってたってことだよね?

nico:思ってました、思ってました。でもバンドやる人は全員思ってますよね。

タイラ:まぁそれは思うよね。そこまで本気でやる人はね。

nico:(自分たちの事を)天才やと思ってますしね、たぶん。

「あの時東京に行っときゃ良かったな」っていう人にはマジでなりたくないなとは思ってた

タイラ:それで、「Sawagiはこのままインストで行こう」っていう風になって、東京に出てくるっていう事だよね。それはバンド結成からは結構早い段階だったの?今東京出てきて何年ですか?

nico:東京出てきて…7年ぐらいっすかね。

タイラ:じゃあ大体30歳ぐらい。

nico:はい。30歳ぐらいで出てきましたね。震災の年やったんで。

タイラ:結構いろんな人に今までインタビューを聞くと、やっぱり30歳って「意を決する」っていう年になっている人が多い気がするんだけど、みんなも30歳で何かアクションを起こすぞとかそういう気持ちはあったんですか?

nico:そうっすね…僕ら元々大阪じゃないですか。で、大阪って良い意味でも悪い意味でもホンマ中途半端なんですよね。充実してるし。今は変わってきたと思うんですけど、その当時ってやっぱり「東京行かないと売れるってことはない」「すべてが東京は早い」みたいな話が当然のように言われてて。 で、大阪の先輩たちも「絶対行った方がいいよ」って言う人と、「いや行かなくていいよ」っていう人にすごい別れてた感じなんすよ。でも、「あの時東京に行っときゃ良かったな」っていう人にはマジでなりたくないなとは思ってたんです。大阪も結構いるんすよ。「あの時東京に行ってたら俺たち絶対売れてたのに」みたいなことを言う人とか。そんな人生になるのは嫌なんで、僕が「東京行こう」って言い出したんです。もうメンバーみんな29歳とかなのに誰も反対しなくて。それって結構すごいことや なって思いますね。

タイラ:確かに大きい決断だよね。じゃあ「あの時あぁだったらな」っていうのを残さないようにするには、東京に行くほうが絶対ポジティブな決断だろうと思ったっていう事だよね。

nico:そうっすね。だから「バンドで食えるやろな」って思ってたというよりは、後悔しないためにも来た感じっすね。

<Sawagi / ibiza>

×

ワールドコア株式会社

〒150‐0001 東京都渋谷区神宮前 2-33-8

原宿ビューパレー #1001

TEL:03-6447-1567 / FAX:03-6721-1854

WEB:https://worldcore.jp

©WORLDCORE. All Rights Reserved.