Blog
タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.11】×竹澤浩太郎(Wanna-Gonna)(後編) 『「生活」を救う「音楽」と、「音楽」を救う「生活」』
「音楽」が「仕事」の救いへ、「仕事」が「音楽」の救いへ。
タイラ:ちょっと意地悪な質問すると、他のメンバーとかはこのバランスってどうなのかな。しんどそうな人とかいる?
竹澤:いるかもしれないですね。でも、例えば仕事が多少しんどくても、仕事のストレスじゃないけど音楽を頑張るとか、やっぱ両方あるからいいっていうのはあって…音楽が救いになったりもするんで。僕もそういう時期がありました。だから音楽はそういう意味でも精神的に良いものなんですよ。だけど音楽が辛い時期もあるんで(笑)。どっちも辛いと地獄なんですけど。
タイラ:なるほど。どっちかが辛い時にどっちかが逃げ場になる可能性もあるって事だよね。
竹澤:絶対ありますね。仕事が逃げ場になることも時にはあるんですよ。
タイラ:スタジオ上手く行かなかったなぁみたいな時とか?
竹澤:土日にそういうことがあったとしても、平日は宇都宮で仕事をして、帰って来たら家でちょっとゆっくりして、まぁ頑張るかぁ、みたいな。
タイラ:気分転換みたいなものも含めて。
竹澤:そうですね。だからまぁふたつやってる良さはありますよね。
タイラ:なるほどなるほど。それは良い話っすね。確かになぁ。
竹澤:だけどみんながそんなにどっちも上手くやるって難しいと思うんすよね。悩んでるならとりあえず両方やってみて、そこから考えればいいかなっていうのはありますよね。
タイラ:そこからそれぞれがどういう風になるかっていうのは、実際にやってみないと余計にそれはわからないしね。
竹澤:会社によっても違うと思うし、よく言うじゃないですか。「入らなきゃわからない」みたいな。
タイラ:そうだよね。
竹澤:だから1回自分はそういう世界に足を踏み入れて、そこで考えればいいかなっていう。
タイラ:確かに。まぁ宇都宮行くとも思ってなかったし。
竹澤:だから就職でいきなりすごく遠い地方とか選んでたら、物理的にどうやっても難しいと思うんですけど、そこはやっぱ両方続けるっていう選択肢を選べば、絶対続けられると思うんですよね。今ネットとかも出来るし。
タイラ:確かにね。いろんなやり方がある。
竹澤:そう思います。
あとがき
語弊を恐れずに言えば、自分から見て竹澤くんやWanna-Gonnaのメンバーは所謂「スーパーマン」や「ロックスター」のような人たちではないと思っている。極端に言えばどこにでもいるようなすごく「普通な人」。
だが、大言壮語をする人ではないからこそ「両方続けるっていう選択肢を選べば、絶対続けられる」と言う彼の言葉には強さを感じる。
Wanna-Gonnaがステージに立つと、自分にはメンバー5人の立ち姿がしっくりと映る。これはやはり彼らがバンドとして、友人として、共有してきた時間の長さと濃さによるものだと思うし、「普通」という感覚を共有しているからではないだろうか。そして、その共有力こそが逆説的に彼らのバンドを「特別」にしている。
「普通」な彼らが当たり前のように「生活と音楽」を続けて行く姿こそが、ある種今の時代の本当のタフさなのかもしれない。その中で更新されるであろう彼らの音楽がこれからどう進化と変化をしていくのか。とても楽しみにしている。
(タイラダイスケ)
PROFILE
Wanna-Gonna
竹澤浩太郎(Vo.Gt)、奥津誌朗(Gt)、高山静迪(Ba)、小口健太郎(Key)、砂井慧(Dr)からなる5人組バンド。中学時代に結成。大学在学中に砂井が加入し、本格的な活動を開始。2016年3月に3曲入り自主制作盤「THREE」をリリース。フジロック2016ルーキーステージ出演。2017年7月に初全国流通盤7インチシングル「New Town」、9月に1stミニアルバム「In the Right Place」をリリース。2018年11月にはカセットシングル「それから」をリリース予定。
アメリカンルーツミュージックに敬意を表しつつ、現代の日本において、普遍的な音楽を鳴らすべく探究中。
<Official Website> http://wannagonnaband.main.jp/
PROFILE
タイラダイスケ(FREE THROW)
DJ。
新進気鋭のバンドと創り上げるROCK DJ Partyの先駆け的な存在であるFREE THROWを主催。
DJ個人としても日本全国の小箱、大箱、野外フェスなど場所や環境を問わず、年間150本以上のペースで日本全国を飛び回る、日本で最も忙しいロックDJの一人。
レギュラーパーティー
毎月第二土曜日@新宿MARZ「FREE THROW」
毎月第四金曜日@渋谷OrganBar「Parade」
毎月第一&第三水曜日@赤羽Enab「Crab」
<Twitter> https://twitter.com/taira_daisuke
<FREE THROW> http://freethrowweb.com/
FEATURED
- 現在はデジタルアーティストとして活動する元音楽プロデューサーの月光恵亮氏が無観客配信トークライブ
-
タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.1】× 安孫子真哉(KiliKiliVilla)
「家族との生活」と「音楽の場所に戻る覚悟」(前編) - タイラダイスケ (FREE THROW)【生活と音楽 Vol.9】× モリタナオヒコ (TENDOUJI) (前編)「何にもなかった生活に寄り添い続けた音楽」
- 山崎まさよし、小沢健二などで知られるベーシスト・中村きたろー、プロアマ問わず楽曲のベース演奏を依頼出来る「WEB BASS FACTORY」をスタート
- タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.15】×マツザカタクミ(Awesome City Club)(前編)「普通」からの逸脱願望から始まったマツザカタクミの「生活」と「音楽」