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「生活」を重ねる中で変わってきたキイチビールと「音楽」との距離感
タイラ:ちょっと意地悪な質問かもしれないけど、大学生、就職活動に差し迫った時に、ギターを買って歌を歌おうっていうのは、キイチくんにとっては、最初は絵を描こう、絵が描けない、じゃあ歌の方がいい、っていうところから音楽だったわけじゃない?
キイチ:そうですね。逃げ道。
タイラ:そう考えると、その時の「キイチくんと歌の距離感」みたいなものと、今話してくれたようなキイチくんと歌の距離感って、だいぶ変わってきたんじゃないかなぁと思うんだけど。
キイチ:全く違いますね。僕ら2016年6月くらいに最初に出した手売りの「俺もハイライト」っていうファーストミニアルバムがあったんすよ。そいつは…僕まず声、自分の声が全然好きじゃなかったんすね。でも歌いたかったんですよ。歌うのは好きだけどまだ気恥ずかしくて、自分の声を聴けなかったんです。だから全部のボーカルにエフェクターをかけたり、ダブルにして変な声にしたり、ライブでも全曲エフェクトをかけてやってて。でもだんだんだんだん好きになってきましたね。最近はもう俺自分の声大好きで、世の中に俺の声しかいらないんじゃないかっていう。
タイラ:じゃあ、やっていくうちに、もちろん認めてくれる人が増えたり、自分の価値観や美意識・美学みたいなものを、湾曲なく「いいね」っていう風に言ってくれる人が増えてきたりした時に、自分を肯定できる自信がついたっていう感じなのかな?外堀がどんどん埋まっていって、みたいな。
キイチ:あと、曲の作り方とかも全然知らなかったんですけど、今年入ってから自分なりの曲の作り方みたいなのが出来上がってきて、好きに曲が書けるようになってきたんで、余計ハマってます、今。
タイラ:こういう曲書きたいなーと思ってても、作り方がわかんなかったのが、あ、こうすりゃできるみたいな自分なりの方程式みたいなものが出来たんだね。
キイチ:コード進行に関しても、「これまだ誰もやってないな」みたいなのがポッと出てくるようになってきて、それがすごい良かったっすね。ちゃんと好きな方向に行ってるし、言葉も素直に乗せられるようになって。
タイラ:キイチくんの場合はバンドを始めてまだ2年半くらいだから、言ってしまうと、まだここからどんどん新しい発見がある時期だし、余計にそういうのはありそうだよね。
キイチ:そうですね。僕はもう全部弾き語りで作ってスタジオに持ってくんです。PCソフトが使えないんで、打ち込みとか出来ないんですよ。だから今後もし打ち込みとか、自分で宅録とかにハマッたら、それはそれで伸びしろとしてまだ楽しみがあるなーと思って。
タイラ:やってないこといっぱいあるし、っていうことでね。
キイチ:そうです。それまでお楽しみで今放っといてるって感じっすけど。
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