タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.13】×須田亮太(ナードマグネット)(後編) 理想的な「生活」と「音楽」の関係性から新たに産まれた希望ある葛藤

Share on facebook
Share on twitter
Share on google
Share on email
Share on facebook
Share
Share on twitter
Tweet
Share on google
Share
Share on email
Email

タイラ:ちょっとセンシティブな話になっちゃいますけど、バンド関係なく、仕事だけを見てに関してはポジテ
ィブに取り組めてるって感じで考えて良いですか?

須田:うーん、まぁそうですね。仕事、別にそんな好きじゃないですけどね(笑)。そんな面白い仕事でもないんで。でもまぁこれだけ良い環境でやらせてもらってるんだ、っていうのは良い事ですよね。

タイラ:バンドやるぞっていうのが第一の大きい軸としてあって、その時に今の仕事っていうのがすごくこう、状況とか条件が良いというか、環境が良いと。じゃあやっぱり音楽と仕事の両立で、というよりは、ど真ん中に音楽とかバンドっていうものがドンとあるっていうことですね。

須田:そうですね。もう毎日それはもう、仕事しながらでも考えてるんで。

タイラ:じゃあバンドを続けるために、結果論も含めてですけど、今の職場を選んだというか。

須田:そうですね。でも運が良かったんやと思います僕は。本当に。

タイラ:違う仕事だったらまたちょっと変わってきちゃいますもんね。

須田:それは何か違ったのかもしれないですね。ちょうど今は、これまでの経験とかの積み重ねとか、タイミングとか、30過ぎてから逆にバンドが軌道に乗ったとか、いろいろタイミングもあって今の形に落ち着けてるんで。だから僕がモデルケースとかって言われるとなんか、それも危ない気もして。「大変やぞ!」っていう(笑)。

タイラ:他のメンバーさん3人も普通にお仕事されてるんですよね?

須田:そうですね、はい。

タイラ:次にバンドとしての今後の話も伺わせてください。バンドとしての次の目標っていうのは、さっき言ったような、セールスだったりも含めた、そういう次の壁を越えるぞっていうことですかね?

須田:っていうのもありますけど、もちろんやっぱり僕の納得のいく、僕の作りたい物を作りたい、っていう。

タイラ:さっき須田さんが言っていた、良い物が正当に評価される世の中にするためにも、自分が納得できるような良い物を作り続けて、かつ、それを世の名に評価させるっていうことは、やっぱり若い子にとってもすごく良い事になるだろうっていうところもありますよね。

<ナードマグネット – MISS YOU feat. Taro Miura(フレンズ)>

あとがき

須田さんの話を聞いて、一番印象に残っているのは、彼が発した「音楽だけで食べたいとは、ずっと思っている」という言葉だった。勝手な先入観で、彼がそういう価値観を持っているとは思っていなかったので、自分の中で意外性もあったのかも知れない。
インタビューの最後、これから先の話をしていく中で、それまでにはなかった歯切れの悪さのようなものを彼から感じた。この対談の文章でも皆さんにも伝わっていたら良いのだけれど、個人的にはその部分が一番この対談でグッとくる瞬間だった。
仕事とバンド活動を両立し、「社会人バンドマンのモデルケース」のように思われる彼の中にも、そのパブリックイメージとは裏腹に、明確な葛藤がある。
「生活」と「音楽」の関係性には絶対的な正解がなく、人の数だけ答えがあるとして。彼も彼の中の正解をいまだ探し続けている人なんだという事が、あの歯切れの悪さから痛いほど自分に伝わってきた。
そして、なぜ彼がその正解を探し続けているのかと言えば、自分がもっと納得をする音楽を作り、たくさんの人に評価をしてもらいたいというミュージシャンとしての真っ当な欲望がある事と、後世に残せる日本の音楽シーンを作りたいという希望があるからだ。当然、根底には音楽への深い愛情もある。
その気持ちが、彼をまた葛藤させるとしても、それは決して無駄なものには成り得ないだろうと思う。
彼が今後どんな「生活」と「音楽」を紡ぐかはまだ分からないけれど、彼のような気持ちを持って活動しているミュージシャンが同時代にいるという事はすごく誇れる事だ。
彼のように既にスタイルを一つ確立しつつも、尚、葛藤し続けてくれる人がいるからこそ、「生活と音楽」の新たな正解が見つかる可能性がある。
彼のそれを見てみたいと、純粋に思う。

(タイラダイスケ)

PROFILE

タイラダイスケ(FREE THROW)

タイラダイスケ(FREE THROW)

DJ。
新進気鋭のバンドと創り上げるROCK DJ Partyの先駆け的な存在であるFREE THROWを主催。
DJ個人としても日本全国の小箱、大箱、野外フェスなど場所や環境を問わず、年間150本以上のペースで日本全国を飛び回る、日本で最も忙しいロックDJの一人。

レギュラーパーティー
毎月第二土曜日@新宿MARZ「FREE THROW」
毎月第四金曜日@渋谷OrganBar「Parade」
毎月第一&第三水曜日@赤羽Enab「Crab」

<Twitter> https://twitter.com/taira_daisuke
<FREE THROW> http://freethrowweb.com/

PROFILE

須田亮太(ナードマグネット)

関西を中心に全国的に活動するパワーポップバンド、ナードマグネットのVo,Gtを務める。

普段は某保険会社に勤めるサラリーマンでありながら土日はバンドで全国を飛び回り、平日は弾き語りやラジオ出演などと鬼のようなスケジュールをこなす。趣味である映画鑑賞にも余念が無いことから「須田は一体いつ曲を作っているんだ」とファンに心配されるほど。

TLでは定期的に炎上し、またスーパーマラドーナ田中、某大学の箱根駅伝選手などそっくりさん情報が絶えないことも話題になっている。

×

ワールドコア株式会社

〒150‐0001 東京都渋谷区神宮前 2-33-8

原宿ビューパレー #1001

TEL:03-6447-1567 / FAX:03-6721-1854

WEB:https://worldcore.jp

©WORLDCORE. All Rights Reserved.