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ILLUSION FORCE、3周年ワンマン公演に描いた熱狂の楽園とは…。
日・韓・米 多国籍メロディックメタルバンドとして活動中のILLUSION FORCEが12月4日(土)に、吉祥寺CRESCENDOを舞台に「結成3周年ワンマン公演」を行った。当日の模様を、ここに紹介したい。
和欧混濁した雄大なSE「-Eastern Wisdom-」へ導かれ、メンバーが次々と舞台に姿を現した。ドラムカウントを合図に重厚な音が流れ出す。Jinnの凄まじいハイトーンヴォイスを皮切りに、楽曲は轟く音を叩きつけながら走り出す。冒頭を飾ったのが、「Glorious March」だ。胸を熱く騒がせるメロディックでラウドな音へ触発され、フロア中の人たちが天高く拳を突き上げる。Jinnは台の上に乗り、身体を揺らし、高いところから観客たちを煽り出す。まだまだいけるだろうと誘いをかけるように声を上げるJinn。ILLUSION FORCEのライブは、冒頭から激しいドラマを描きながら幕を開けた。
YuyaとGeorgeの両名によるギターをはじめ、小刻みに鋭い旋律を突き刺す演奏陣。ILLUSION FORCEは轟く音をより鋭利に研ぎ澄まし、「Unlimited Power」に乗せて突きつけた。メロディアスな歌声と轟音鳴らし爆走する演奏が巧みに絡み合う。心は歌を求めながらも、身体は拳を突き上げ騒がずにいれない。この衝動と衝撃が、どんどん理性を奪い去ってゆく。さりげなくオリエンタルなギターフレーズを組み込むところも冴えている。Jinnの絶叫が胸を熱く騒がせる。
手を高く突き上げ飛び跳ねるJinn。その姿に煽られ、同じように飛び跳ねる観客たち。荒ぶる感情を剥き出しに歌うJinnと、激烈な音を突きつける演奏陣。「N.E.O」の衝撃に煽られ、フロア中の人たちが頭を振れば、突き上げた拳をずっと揺らし続けていた。重低音効いたドラムビートが身体を直撃し、感情を歪ませる。Jinnの手の動きに合わせ、拳振り上げ跳ねずにいられない。止まらぬ熱狂の音の渦の中へどんどん溺れていきたい。
Jinnのロングトーンヴォイスを合図に、楽曲はメロディアスなリフを刻む「Beast Of The Earth」へ。轟音携え走り続ける中へ、巧みに印象深いリフを加えながら楽曲は暴走し続けてゆく。有名なクラシックの旋律も加えた胸騒がせる激で美メロなギターリフに心奮えながらも、暴走する楽曲に刺激を受け、気持ちが止めどなく高ぶり続ける。まだまだライブは序盤戦。凄まじいよ、この日のバトルは…。
胸を騒がせるメロディアスなリフも印象深い「These Illusion」の登場だ。それまでの攻めに徹した姿から色を塗り替えるように、ILLUSION FORCEは緩急巧みに表情を変えながら、エモーショナルでメロディアスな楽曲を奏で、見ている人たちの身体と心を揺らしていた。後乗りのビートに合わせ、大きく揺れる手の数々。美しい衝撃だ。スケール溢れた演奏に身を預け、大勢の人たちが大きく身体や突き上げた手を揺らし続けていた。
次のブロックは、ミドルヘヴィな「This Wish」から。伸びやかなギターの旋律が心に哀愁を誘い込む。背景にピアノの音色も流した音の上で、Jinnも哀愁を忍ばせた歌声を響かせてゆく。確かに、哀愁抱いた泣きメロの楽曲だろう。でも、そこはILLUSION FORCEだもの、身体を揺さぶる轟音ギターを背景に据えた上で、Jinnは心潤す歌を響かせていた。願いや祈りを捧げるように歌い奏でる「This Wish」が気持ちを痛く揺さぶっていった。
シンフォニックでラウド、メロディアスでハードエッジ、様式美を抱いた「The Coming Tragedy」が飛び出した。とてもスケールあふれた楽曲だ。雄々しい音を引き連れながら、楽曲はどんどん雄大な景観を増していく。頭の中に描き出された広大な景色の中、昂った気持ちを燃えたぎらせるように観客たちが暴れていた。巧みに転調を繰り返し、勇壮なドラマを描きながら、楽曲は終始気持ちを昂らせ進撃し続けていった。終盤に生まれた拳の交わし合いも胸を熱くさせた。
続く「The Force of Illusion」も、シンフォニックな要素を巧みに折り込み雄大な景観を作り上げながらも、軸に据えたのは強烈なリフを刻み続けるスピーディーでラウドなスタイル。ゴリゴリとしながらも滑るように流れゆく荒波にライドしながら、美しく歌声を響かせるJinn。激しいのに感情を熱く癒さぶる楽曲という理由もあるのか、会場中の人たちが身体を小刻みに揺らし、荒ぶり駆ける演奏に身を預けていた。
ドクドクッという心臓の音へ、印象深いギターの旋律が思いを添えてゆく。続く「I’ll be Your Hero」は、溜めを生かし、昂る感情を深い歌声に乗せ響かせる楽曲だ。雄々しい歌へ導かれるように、演奏もどんどん激しさを増していく。巧みに転調を繰り返しながら楽曲へ彩りを与えてゆく。変化していくその色に気持ちか揺さぶられるからだろう、その演奏をしっかり追いかけていたくなる。
本公演でドラムサポートを務める秋田浩樹(兀突骨 / GAUNTLET)による、手数多く途切れることのないパワフルなドラムソロを挟み、楽曲は「Salvation」へ。とても華やかなのに、熱いエナジーを持った楽曲だ。シンフォニックで勇壮なILLUSION FORCEの演奏へ導かれるように、フロア中の人たちが拳を突き上げ、Jinnの歌声の後へ続くように思いをぶつけていた。とても気持ちを高ぶらせる楽曲だ。その歌声や演奏に刺激を受け、拳を突き上げ共鳴してゆくのも納得だ。騒ぐ、騒ぐ、熱を持って昂る気持ちが理性をどんどん消し去っていく。
美しくも胸に切ない色を塗り重ねるギターの旋律へ導かれるように、心の内側から沸き立つ痛い感情を歌声に乗せ、心の奥へ奥へと響かせるように「The End Of Days」が流れ出した。とても勇壮な、気持ちを熱く騒がせる楽曲だ。その中へ、琴線を刺激する哀愁という刺し色のような旋律が流れているからこそ、心奮わせ、時に感情を震わせながら、その演奏を受け止めたくなる。いや、すでに魂を奮わせながら、感動に打ち震えていた。
ライブも後半戦へ。それまでの熱狂が嘘のように、ILLUSION FORCEは美しくも、秘めた熱さを抱いた重厚なバラードナンバー「Our Reason」を歌い奏で始めた。Jinnの歌声がフロア中にいる人たちの心を包み込んでゆく。演奏陣も、重さを抱きながらも、気持ちを揺さぶる美しい旋律を奏でていた。大きく手を振り歌うJinnの姿に合わせ、フロア中の人たちも大きく手を振り、彼の思いを、ILLUSION FORCEの演奏を受け止めていた。胸に染み渡る表情も、ILLUSION FORCEを語る上で欠かせない魅力だ。
続く「Alive」は、雄大さを抱いたハード&シンフォニックで浪漫あふれた楽曲だ。Jinnの歌うメロディーが印象深いからこそ、メロディックでシンフォニックな世界へ心地好く身を預けながらも、その歌声を耳が、心が追いかけてゆく。胸を熱く騒がせる歌だ。昂る気持ちを熱く熱く、熱情的に染め上げる美しく熱を抱いた、最高にシンフォニックでメロディアスな楽曲だ。
まるで壮大な映画のクライマックスの場面へ飛び込んだ気分だ。「Awakening Your Universe」に身体と心を乗せ、拳を振り上げながら、ILLUSION FORCEが描く興奮と躍動のドラマの中へ飛び込んでいきたい。気持ちに熱をドクドクと注ぎ込むサビ歌に触れていたら、興奮が治まらない。一緒に熱狂という景色の中へ飛び込み、魂が燃え尽きる勢いで、高陽と興奮の世界へずっと浸っていたい。「Awakening Your Universe」、最高で最強の熱狂高陽恍惚激歌曲だ。
ここからは組曲の世界へ。泣きのギターのフレーズも印象深い「Sazareishi, Pt I Inochi no Ibuki」が、触れた人たちをここではない、別次元の空間へと誘い出した。変拍子を用いた演奏が、意識を混濁させる。さぁ、ここからもう一つの世界を見にいこうか。
Yuya、Georgeのツインギターのフレーズを合図に、ILLUSION FORCEは見ている人たちを熱く胸を騒がせる勇壮な戦いの空間へ導いた。「Sazareishi, Pt II From Within」が、観客たち一人一人の感情の奥底まで歌や演奏の手を伸ばし、気持ちを鼓舞してゆく。奮い立つ想いのまま、誰もが高く掲げた拳のエールを彼らに送っていた。
表情を塗り替えるように、ILLUSION FORCEは凄まじい轟音を叩きつけ、「Sazareishi, Pt III Infernal Chimera Rabager of Life」を通し、観客たちの騒ぎたい感情へ炎を焚きつけてゆく。次々と細かい転調を繰り返しながら、走りだした熱を静めることなく、その演奏は走り続けていった。
とてもたおやかで、和な旋律が流れだす。組曲の最後に、SEの「-Sazareishi, Pt IV Taoyaka ni-」が流れ出す。観客たちを重厚な黒い音渦巻く奈落へ突き落とすように歌い、奏でていった。ドス黒い音が身体を包み込み、激しい音の唸りに呑み込まれてゆく。熱を沸き立てる激しさを持ちながら、ILLUSION FORCEは黒い轟音の渦の中へ観客たちを飲み込んでいった。
先に描いたドラマへ優しく寄り添うように流れたSEがドラマの幕を閉じれば、それが、次の曲への美しい繋がりを描いていた。
再び熱狂の世界へ呼び戻すように、より明るい表情を塗り重ねながら、ILLUSION FORCEは「Cosmos」を歌い奏でていた。和心も匂わせるメロな歌も印象深い。彼らは、この空間に華やかな熱狂の花を咲かせゆく。フロアでは、歌や演奏に合わせ拳を突き上げれば、くるくるとまわす様も生まれていた。何てたおやかで、美しく心を揺さぶる激情歌だろう。Jinnの歌声をしっかり心の手で掴み取り、胸の中でギュッと抱きしめていたかった。
この日は3周年記念の日。結成時から海外での活動も視野に準備を進めてゆく中、コロナ禍でいろんな予定が狂ってしまった。それでも、迎えた3周年という日をここから弾みに変えようと、メンバーらはMCで熱い気持ちをぶつけていた。
ライブも終盤戦へ。Jinnの「YEAH! OH!」の声と観客たちとの拍手のやり取り。そして、Jinnのハイトーンでのロングトーンヴォイスを合図に「Acceleration」が轟き出した。ラストに向かって、さらに轟音の洗礼を浴びせようと、ILLUSION FORCEは凄まじい勢いで駆ける演奏を叩きつけ、観客たちの理性のストッパーを一気に破壊した。暴走マシンと化した演奏に触発され、フロア中の人たちも心の中で勇壮な声を上げ、突き上げた拳を揺らし、舞台上のメンバーらへ気迫をぶつけながら熱い戦いを繰り広げていた。メンバーらの掛け合う声に、拳で応えていた。
高陽した美しいギターの旋律に、心が恍惚に打ち震えてゆく。ILLUSION FORCEは「The World Soul」を通し、訪れた一人一人の心に、配信を通して見ている人たちの心にも、温かい歌声や演奏の手を伸ばしていた。思いを噛みしめるように歌い上げるJinnの声を、もっともっと感じていたい。その歌声や演奏に、もっともっと心を熱く染め上げてもらいたい。
立て続けに歌心を抱いた楽曲を並べ、観客たちに歓喜した思いを注ぎ込む。「Our Vision」に触れながら、一緒に心の中で歌い叫んでいた。いや、一緒にシンガロングしていたかった。Jinnと、ILLUSION FORCEのメンバーらと高まる気持ちを共有しながら、にやけた顔で、この悦楽の時間へ浸っていたかったんだ。
ILLUSION FORCEは、最後に「Illusion Paradise」を演奏。フロア中に無数の拳突き上がる景色を描き、皆で興奮と歓喜と、何より「楽しい」という気持ちへ存分に浸りながら、2時間半だけ現れた楽園の中、戯れ続けていった。
ILLUSION FORCEにとっては年に一回の行事かも知れない。でも、その間隔をもうちょっと縮めながら、この熱狂と興奮を分かち合っていたい。
PHOTO:小享
TEXT:長澤智典
ILLUSION FORCE
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セットリスト
SE -Eastern Wisdom-
- Glorious March
- Unlimited Power
- N.E.O
- Beast Of The Earth
- These Illusion
-MC- - This Wish
- The Coming Tragedy
- The Force of Illusion
- I’ll be Your Hero
-Drum Solo- - Salvation
- The End Of Days
-MC- - Our Reason
- Alive
- Awakening Your Universe
- Sazareishi, Pt I Inochi no Ibuki
- Sazareishi, Pt II From Within
- Sazareishi, Pt III Infernal Chimera Rabager of Life
SE -Sazareishi, Pt IV Taoyaka ni- - Cosmos
-MC- - Acceleration
- The World Soul
- Our Vision
- Illusion Paradise
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