【Interview】糸奇はなが描く、負の感情へ温かく寄り添う12篇の物語。

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その人物を現す音楽が流れるたびに、「この場所は、あの人物と関係あるのかも知れない」と、それとなく音楽を通して感じさせてくれる。

――糸奇さんは、『ROLE PLAY』の中へ「自分の存在を認識して欲しい」気持ちや「自分の居場所を求める想い」を投影していません?。そんな風にも聞いてて感じました。

糸奇はな:「自分はこうじゃない」と思いながらも、「それでしかない」という気持ちがあるように、その感情は、わたしがずっと抱え続けてゆくものなんだと思います。

――自分の存在を知らしめるために歌っている面も、少なからずあるのでしょうか?

糸奇はな:自分という存在が自分でもわからないからこそ、作品を通してみずからを認識しようとしているし、認識もして欲しいという気持ちもあるかもしれません。ただそれは、まず表現せずにはいられない、どうしても作品に、何かの形にしたいというひたむきな気持ちがいちばん根底にあり、糸奇はなという存在を知って欲しいというよりも、わたしが作りあげる物語に触れていただいたり、その作品や、登場人物たちへ感情移入してくれたら嬉しいなという気持ちの方が大きいと思います。
物語に登場する人物たちには、わたしの理想を投影することもありますけど、とてもわたしにはできない行動をとったりすることもあり、そこも面白さだと感じています。

――アルバムには『74』や『A love suicide』などゲームに関連する楽曲たちも収録。糸奇さん自身、ゲームの影響は大きいのでしょうか?

糸奇はな:そうですね、小さい頃からゲームが大好きでした。中でもRPGが特に好きで、理由は、ドラマを描くように自分で物語を進めていけるからなんです。

――そこ、とても気になります。

糸奇はな:例えば映画の場合、相手がどれだけ強敵だとしても、主人公が頑張って頑張って、最終的には敵を倒すという、あくまでも自分たちは観てる立場なんですけれど、でもRPGの場合、プレイヤーとなる自分が主人公を動かし、経験値を積み重ねながら強くならなければいけないし、相手を倒すための戦術も自ら考えなきゃならない。主人公を通して一緒に経験していけるからこそ、主人公の苦労も知っている気持ちになれる。それに、一生懸命経験値を積み重ねながら突き進んでいた仲間が倒れたりしたら、悲しむ気持ちもまた、映画と違って個人的な印象的な形でささることもあると思います。といったように、ゲームのほうが一緒に体感しながら自分で物語を作ってゆく感覚を味わえる。だからゲームが好きなんです。加えて、ゲーム音楽もドラマチックですし、何よりも、その音楽が流れるタイミングにわたしはいろいろと触発されてしまいます。

――糸奇さんは、ゲーム音楽も大好きそうですもんね。

糸奇はな:好きですね。流れる音楽にも、登場人物ごとにモチーフがあるから、その登場人物が画面に出てなくとも、その音楽が流れるたびに、「この場所は、あの人物と関係あるのかも知れない」と、それとなく音楽を通して感じていける。ゲーム音楽には、そういう手法も取り入れられていて、そこも好きなところです。

――ゲーム音楽からの影響を、自分の音楽性に反映させたりもしているのでしょうか?

糸奇はな:そうですね、たとえば、とある楽曲へ他の楽曲のフレーズを入れることで、じつは関連性があったんだと示唆してゆくのは好きな手法です。その関連性に気づいてくれると嬉しいんですけど、気づかれないことがほとんどです(笑)。

――たまに、種明かししたくもなりません?

糸奇はな:たまに種明かしをするときもありますけど、でも、「ここは言わないでおこう」というときは、ずっと胸に秘めておきます。

自分が意図していなかった答えだとしても、「その方はそう受け取ってくださったんだ。でも、それがその方にとっての答えのように正しいこと」。

――時には物語を通して「君」などの対象も描きますけど、糸奇さんの曲は人に向けてというよりも、「自分への問いかけや自問自答」の中から生み出される感情が多いのかなという気もしています。そこが魅力なんですよね。

糸奇はな:わたし自身も、自分の歌を通して聞いてくれた人の感情を変えるのではなく、糸奇はなの作品を聴いたことで、その人自身が自分の感情を冷静に見つめ返したりなど、そうやって触れた人の気持ちに自然と寄り添うことのできる、鏡のような歌や作品であって欲しいなと思っています。

――確かに糸奇さんの世界観が好きな人って、勝手に糸奇さんの記した心情を読み取っては、自由に自分へ投影し楽しんでいますからね。

糸奇はな:ファンの方々の中にも、「この歌詞は、こういう意味かな?」と考えては、ツイッターなどでそういった感想を呟かれているのをお見かけすることがあります。ときにその答えが、自分が意図していなかった答えだとしても、「その方はそう受け取ってくださったんだ。でも、それがその方にとっての答えのように正しいこと」だと思い、わたし自身もその答えを楽しんでいます。
人って、それぞれにいろんな感情があるように、その方の受け止め方が、その歌にとっての正解なんですよね。その答えを通し、「あっ、こういうとらえ方もあったんだ」ということを知り、そこから新しい刺激を得ることもあるように、わたし自身もその答えを楽しんでいます。

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