【Interview】夢と現実の狭間で心葛藤している人にこそ刺さるアルバム。それがHalf time Oldの最新作『真夜中の失踪に聡明と音楽』だ!!

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音楽で、バンド活動を通して繋がった仲間たちがバンドを辞めてしまうのって、決して良い想いにはなりませんからね。

――鬼頭さんの書き記す想いへ共感する人たちも多いのでしょうね。

阪西暢:僕らのように20代半ば頃の世代の人たちにはとくに刺さるんじゃないかな。もちろん、もっと上の世代や若い人たちからも「共感します」という声は聞こえるように、そこは年齢にとらわれることのない経験や想いを書いているなと思います。

――夢と現実の狭間でいろいろ選択肢を迫られる人たちなら、とくに胸に染みる曲たちばかりだろうなと想像します。

阪西暢:僕らはサラリーマン経験がないので直接のところはわからないですけど、同世代でサラリーマンやOLをやっている人たちは、大晴の書いた歌詞をすごく「わかる」と受け止めているようだし、会社や学校へ行くときに聞いて気持ちのテンションを上げている声も届くように、『真夜中の失踪に聡明と音楽』というアルバムがみんなの生活の一部になっていたり、その人の人生に寄り添えているのであればとても嬉しいことですからね。
小鹿雄一朗:大晴の作る曲はメロディと歌詞が良いから、演奏面でもしっかり歌を生かそうという形でアレンジをしているからね。今回、ギターの音が全面に出ているように、イントロや間奏、アウトロでは耳につくギターのフレーズやエモーショナルなプレイを意識はしているけど、あくまでも歌や歌詞を引き立てることを心がけているので。
個人的にも歌詞が気に入っているように、ライブ中一緒に口ずさめば、中には全員で合唱する曲もあるんですよ。何より、どの曲も歌っていると自然に心が熱くなる。それくらい刺さる歌詞ばかりのように、お客さんらも同じように感じている印象はありますね。

――3人も、夢や理想と現実の狭間で揺れ動く気持ちがあるわけですよね。

阪西暢:あります。とくに今、僕らと同世代の人らのやっている各地のバンドが、いろんな理由で辞めてしまうことが増えている。どういう選択肢を迫られてか細かいことまではわかりませんけど。それでも、音楽で、バンド活動を通して繋がった仲間たちがバンドを辞めてしまうのって、決して良い想いにはなりませんからね。
鬼頭大晴:それはバンドマンに限らず、社会人として働いている人たちについても、そう。バンド活動もそうだけど、社会に出て働くということは、楽しいだけではなく、苦しいことやしんどいこともたくさんあると思います。しかも、悩み葛藤することで視野も狭くなってしまうのか、僕らからすれば「そんなことで悩まなくてもいいんじゃない?」ということでも悩んでいたりもする。
僕らは、Half time Oldを始めて8年目へ突入しました。こうやって長く続けているからこそ抱く自分たちなりの想いや考え方がある。だったら、そういう経験を踏まえて感じる気持ちや伝えたい想いを歌詞にしたいなと思って書いたのが、今回のアルバム『真夜中の失踪に聡明と音楽』に収録した曲たちなんですよ。
阪西暢:うちらだって、いまだに気持ちが上がるときもあれば落ちてしまうことだってあるように、そういう葛藤は何時だって繰り返してしまうものなのかも知れない。以前に比べたら、今は環境面でも良くなってきたとはいえ、もっとしっかりと上を見据えていかないことには、上どころか、その手前の環境にさえ届かなくなる気がする。だからこそ、今やこれからが本当の意味で頑張りどきだなとも感じていますからね。

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