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タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.7】×藤澤慎介(THISTIME RECORDS)[前編] 無敵感と憧れから生まれたインディーレーベル
大学のバンド活動で感じた「無敵感」と卒業後の変化
タイラ:高校卒業した後、大学で東京に出てきて、バンドを組む感じですよね。
藤澤:そうっすね。でも大学も別にそもそも音楽をやるつもりは微塵もなくて、バスケ部だったんです。でも音楽好きな友達たちと出会って、遊びとしてバンドもやるみたいな感じで。そういうバンドサークルみたいなのにも入ってなかったし。ただただ「楽しいね!」みたいな(笑)。
タイラ:Weezerのコピーバンドとかですか?
藤澤:Weezerでしかなかったですね(笑)。でも僕はそれからすぐ…二十歳くらいの時にSKYBEAVERを組んだので。
<SKYBEAVER / For A Long Time>
タイラ:じゃぁ楽しいだけでやっていたバンド活動がもう少しガチッとしたものになっていくんですね。
藤澤:そうなっていった感じです。
タイラ:当時からSKYBEAVERっていう名前でした?
藤澤:でしたね。そういえばこの間、今は閉店してしまった下北沢屋根裏(※7)の昼のオーディションにSKYBEAVERで出た時のフライヤーを見つけました(笑)。よく見たらSyrup16gと対バンで(笑)。やばくないですか!?
※7 数々の有名バンドを輩出した老舗ライブハウス。2015年に閉店。
タイラ:意外な対バンですね(笑)。SKYBEAVERでバンド活動を本格的にはじめていった時はどんな状況でしたか?
藤澤:そうっすね…バンドって始めたら止まれなくないっすか?
タイラ:俺、バンド組んだことがないんですよね。
藤澤:ほんと?でもなんかDJもそうじゃない?
タイラ:確かにそうかもしれないですね。
藤澤:もちろん個体差やスピード感はそれぞれ違うんだけど、どんなバンドでも進んでるんですよ。だからね、(進んでいる実感があるから)やり始めたら「俺たちいけるかもしれない!」みたいな感じになるわけですよ(笑)。大学生だから友達も多いし、お客さんも呼べるわけです。無敵感あるじゃないですか。
タイラ:「俺ら人気あるかも!」みたいな感じですよね。
藤澤:「あれ?ちょっといけるかも?」みたいなふんわりとした勘違いをしつつ。バンドで食えるとは全然思ってないんだけど、でも進んでる感じがするんだよね。それが面白いから、もう全てをそこに注ぐわけじゃないですか。「フライヤーを作ろうぜ」とか「楽曲を作ろうぜ」とか。
タイラ:大学を卒業したらまたその状況って変わっていくと思うんですけど、大学卒業して藤澤さんは就職はしたんですか?
藤澤:一応したんですけど…その、なんかね…心がもうそこにない。
タイラ:バンドをやりたいっていう?
藤澤:もうそれしかなくて。
タイラ:ちなみにどういうお仕事だったんですか?
藤澤:企業の就職・求人用の適正試験を作る会社です。その会社にデザインのセクションもあるから、そこを狙って入って。仕事中にバンド用のデザインとかちょっとできるんじゃないかと思って(笑)。でもいざやってみると…。
タイラ:当然出来ないと(笑)。
藤澤:会社に監視されてるからここではそれは出来ないって気がついて(笑)。それで転職して違うデザイン会社に入ったんです。そのあたりでは自分たちの作品を出したいっていうのもあり、割ともうレーベルを作ることを視野に入れていた時期でした。
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