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“U.S.ツアー”、日本を拠点に活動するミュージシャンであれば1度は憧れるであろう。そんな憧れを自ら行動することで実現し、成功させたDJ RS。世界最大の音楽コンベンション『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』への出演を皮切りにスタートしたこのツアーを終えた彼女は今、何を思うのか。U.S.に止まらず過去にはロンドンを拠点に活動していた経験も持つ彼女だから見える世界と日本のクラブシーンの違いについて話しを聞いてみた。
Interview & Text:大久保貴央
やりたいことがあればその現地に行く。それが夢を叶える近道なんだと思う
<SXSW 2017にて>
RSのU.S.ツアーは3月10日~3月19日までの10日間開催された音楽・映画・ITの祭典『SXSW』よりスタートした。本祭典は「音楽」、「映画」、「インタラクティブ」、「コメディ」という大きく4ジャンルに分けられたセッションや展示、そしてライブイベント等をU.S.テキサス州オースティンの街中で行われるというもの。出演アーティストは498組、観客は約10万人という名実ともに世界最大級のフェスである。そんな世界最大級のフェスでツアーをスタートさせたRS。
「昨年、SXSWに遊びに来ていたんです。でも日を追うごとに”出演者として来たかったな”という気持ちが強くなっていったので、出演が決まった時は純粋に嬉しかったですね。でも出演者の数がすごいっていうことも知っていたので、感動とかそんな感じではなくて、もともと決まっていたU.S.ツアーのフックになったという感じでしたね。でも実際にプレイして最高でした。私がプレイした時間は23時ぐらいで、お客さんが夜に向けて一番走り出す時間だったこともあって会場は満員。とにかく盛り上がり、大盛況だったことを覚えてます。
印象的だったのはSXSWがいわゆる日本で体験してきた音楽フェスとは違ってオースティンの街全体がフェス会場になっていること。ライブハウスやクラブだけじゃなくて、どこに行っても1日中音が流れていて、全員が楽しんでましたね。KE$HA(ケシャ)が摂食障害についてのことスピーチしていたことも印象的でしたね。ライブではなくてスピーチ。こういうのも日本のフェスでは見られない、新鮮なことでしたね」
<NY『Bossa Nova Civic Club』にて>
<Baltimore『The Crown』にて>
ツアーはSXSWを入れて全部で5ギグ。この後、ボルチモアで2ギグ、NYで1ギグ、リッチモンドで1ギグと回った彼女。SXSWを抜くとNYのクラブ『Bossa Nova Civic Club』でのプレイが印象的だったという。
「日本でいうとモジュールのように知る人ぞ知る、本当に音楽が好きな人が集まってくるようなクラブなんです。昨年、NYに来た時に遊びにきたんですけど、OUTPUTなどの人気の大箱とかよりも、このクラブで絶対にやってみたいって思ったんです。ここで自分の実力を試してみたいなって。そのことをプロモーターに話していた訳ではないんですけど、決まったスケジュールを見たらこのクラブが決まっていたんです。セットも2時間ぐらいやらせてもらえました。これは今回のツアーで一番長いセットでしたね。だからすごく気合が入ったのを覚えています。
当日は、ツアーの中でも一番と言えるほどクラブはパンパンになるぐらい来場者が多かったんです。会場はスモークだらけで、真っ暗なんですけど、たまに指す光で時折見える観客が踊り狂っている様子には圧倒されましたね」
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