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大学卒業後に待ち構えていた往復6時間の遠距離バンド生活
タイラ:で、大学を卒業する時期が迫ってきますよね。大学は4年間で卒業したんですか?
須田:そうです、はい。大学卒業してすぐに就職しました。
タイラ:その会社は今も働いてる会社ですか?
須田:あ、1回辞めました、それは。
タイラ:前の会社は何年くらいいたんですか?
須田:えっと、丸8年ですね。ちょうど30歳までですね。
タイラ:差し支えなければ、何の仕事だったんですか?
須田:生命保険の営業ですね。
タイラ:なるほど、じゃあ結構大変な仕事ですよね?
須田:大変だったっすよ。本当にコミュニケーションだけ、みたいな。もう「商品とかどうでもいいからお前のマンパワーで取ってくるのが仕事や!」みたいな(笑)。
タイラ:物を売るとかだったら「これ欲しい」とかも言えますけど、生命保険って売るものは見えないサービスじゃないですか。
須田:そう。しかも「生命保険入らなきゃ」って思ってる人よりも、意識してない人の方が多いから、やっぱり本当にコミュニケーションでやってくしかないみたいな感じで。
タイラ:8年間ずっと営業の仕事だったんですか?
須田:営業自体は3年半くらいで終わったんですよ。で、国内の生命保険会社って結構ローテーションが激しいというか…新卒でまずどこの勤務地になるかなと思ったら、「福井で営業してくれ」って言われて。
タイラ:ということは大学を卒業して3年半は福井にいたってことですか?
須田:そうなんですよ。で、週末土日は絶対休みなんで、土日の度に車で大阪まで帰って、練習したりライブしたり。
タイラ:じゃあバンドはそれでもやっぱりコンスタントに?
須田:続けてましたね。
タイラ:3年半福井に行って、その後は?
須田:大阪に戻ってきたんですよ。僕が強い希望を出して。
タイラ:福井から大阪って車でどのくらいかかるんですか?
須田:3時間ですね。
タイラ:まぁまぁかかりますね。
須田:毎週往復6時間、一人で運転して行き来してる時期がありましたね。
タイラ:変な話「これバンド続けるのしんどいな」とか思わなかったですか?
須田:思いましたね。でも大学在籍時代に、あんまり思ったような評価をされないし、自分も達成感があまりないというか、「何をしたらいいんやろう?」「大丈夫かなこのままで?」っていう迷いがあって、「俺は就職せずにこのバンド1本で行くぜ!」みたいにはその時になりきれなかったんですよ。決めきれなくて。でも、いざ就職活動してみても、全然仕事も決まらないし。プライベートでもいろいろ嫌な事が折り重なって、結構ヤケになっていて。だからもう、「どこでもいいや」みたいな。で、たまたまそこの生命保険会社1社だけ受かったんで、もうそこに行ったんですよ。それで蓋開けたら福井勤務ってなったから…もうなんかメンバーからしたら「何してんねんお前!」って感じやったと思うんですけど。でもメンバーは(バンドを)やりたいって言ってくれてるから、俺は「週末の度に帰って来るから、とりあえずこの会社で働かせて!」みたいな感じやったんですよ。で、始めてみたらいきなり営業職なんでメチャクチャしんどくって。でもそこからこう毎週末大阪に帰ってバンドをしてたら、なんか純粋に楽しくなってきたんですよね。
タイラ:それはバンドをすることがってことですか?
須田:そうです。今までいろんな事を考え過ぎていたのが、単純にデカい音を出すのがすごく楽しくて。
タイラ:仕事のストレスとか、フラストレーションみたいなものも、スタジオに入ってギャーンって鳴らしたらオッケー!!っていう感じ(笑)?
須田:「あぁ、楽しいな」って。「俺コレあるんやったらやって行けそうやな」ってなって。それを原動力に3年半続けてたみたいなところはありますね。
タイラ:じゃあさっきの質問で言うと、やっぱり仕事が大変だと、バンドやる時間を削れたら家で休めるなぁとかいう気持ちとか沸いたりしなかったのかなっていう気持ちで聞いたんですけど、逆に仕事をまた来週も頑張るために、日曜日はデカい音を鳴らす必要があったっていう感じなんですね。
須田:本当に心的ストレスが酷かったんで、もうなんか最初本当「鬼軍曹」みたいな上司やったんですよ。
タイラ:さっきの「マンパワーで売れ!」みたいな事を言う人(笑)?
須田:そうそう(笑)。しかも、結構言ってることが的を射すぎてるから、パワハラつってもムチャクチャすぎるパワハラじゃないというか、正論で責め立ててくるタイプ。
タイラ:理詰めで。でもそれ一番精神に来るやつでしょ(笑)。
須田:一番来るやつ(笑)。だからもうそれに耐えながらってなったら、もうバンド続けることで心の安定を図ってた部分はあるかもしれないですね。
(後編はこちら)
PROFILE
タイラダイスケ(FREE THROW)
DJ。
新進気鋭のバンドと創り上げるROCK DJ Partyの先駆け的な存在であるFREE THROWを主催。
DJ個人としても日本全国の小箱、大箱、野外フェスなど場所や環境を問わず、年間150本以上のペースで日本全国を飛び回る、日本で最も忙しいロックDJの一人。
レギュラーパーティー
毎月第二土曜日@新宿MARZ「FREE THROW」
毎月第四金曜日@渋谷OrganBar「Parade」
毎月第一&第三水曜日@赤羽Enab「Crab」
<Twitter> https://twitter.com/taira_daisuke
<FREE THROW> http://freethrowweb.com/
PROFILE
須田亮太(ナードマグネット)
関西を中心に全国的に活動するパワーポップバンド、ナードマグネットのVo,Gtを務める。
普段は某保険会社に勤めるサラリーマンでありながら土日はバンドで全国を飛び回り、平日は弾き語りやラジオ出演などと鬼のようなスケジュールをこなす。趣味である映画鑑賞にも余念が無いことから「須田は一体いつ曲を作っているんだ」とファンに心配されるほど。
TLでは定期的に炎上し、またスーパーマラドーナ田中、某大学の箱根駅伝選手などそっくりさん情報が絶えないことも話題になっている。