タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.14】× NOLOV(JABBA DA FOOTBALL CLUB)(後編)「生活」と「音楽」、それぞれの方法論での自己実現と決断(※Twitterプレゼントあり!)

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考えたら僕らのグループの共通点って、全員1回音楽諦めてるんですよね

タイラ:環境変化から、NOLOVくんの「音楽やりたい」っていうモチベーションがどんどん盛り上がってきた中で、他の3人のメンバーとのモチベーションの差みたいなものを感じてきたってこと?

NOLOV:モチベーションというよりは…タイミングがないんだろうなと思ったんですよ。

タイラ:タイミングっていうのは?

NOLOV:考えたら僕らのグループの共通点って、全員1回音楽諦めてるんですよね。俺とASHTRAYは、そもそもやることを自体諦めてて。ROVINとBAOBABは18くらいからずっと音楽やってたけど、1回挫折して、よくわかんないモヤモヤを抱えたまま仕事しつつやっていくって決めて生きてた。そういう1回諦めた奴らなんで…難しいんですよ、もう1回踏ん切るのが。

タイラ:もう自分たちの中でそれぞれ1回は答えを出したことなんだね。音楽っていうものと自分との距離感っていうものを、1回は「この距離感が正しいんだ」っていう風に答えをそれぞれ出しているからこそ、その答えを反故にして「もう1回やるぜ」っていうのはタイミングがないんだろうなっていう。

NOLOV:めっちゃきつかったと思いますよ。2ndの『OFF THE WALL』出した後に、働きながら出来てたから大丈夫っしょと思ったけど、突き抜けなくて。

タイラ:その突き抜けなさっていうのは、自己評価で感じたこと?

NOLOV:自己評価っす。それは多分すごいシンプルな理由で。やっぱり何か、何て言っていいんですかね…音楽1本で必死こいてやってる奴らに、あれもこれもやってますみたいな奴が勝てねえって思ったんです。

タイラ:それは、そういう風に思ったキッカケっていうのはあるのかな?その1本でやってる奴がマジですごいって思ったキッカケとか。

NOLOV:そのキッカケは沢山あるんで、厳密にどれがっていうのはわかんないんですけど…その時期に、俺はドミコとかTempalayとかTENDOUJIとかBEACH TOMATO NOODLE(※1)のクルーと出会うんです。あいつら見てると惹きつけられ方が全然違って。あいつらはなんかすごく命が燃えてるような感じがして。

※1 ドミコ & Tempalay 共同主催の千葉・白浜フラワーパークにて行われるフェス。
https://www.beach-tomato-noodle.com/

タイラ:そうだね。特に1回目のBEACH TOMATO NOODLEの時のあの人らなんて、もう世捨て人みたいだもんね(笑)。

NOLOV:すごく感動的で。俺あの時Tempalayめちゃ好きになったし。ドミコはもっとこう、グッとくるようになったというか。なんか彼らのあの命の燃やし方見てると、(お客さんは)僕らにはガツンとやられないなと思ったんです。「働きながらやってますよ」っていう、そういうスタンスだったらそもそもグッと来ないって思って。だったら、そんなことやってる場合じゃねぇなって、「もう俺音楽やるわ」って決めて。僕が辞めちゃえばもう取り返しつかないから。

<Tempalay ‐ 革命前夜>

<ドミコ ‐ まどろまない>

タイラ:その時もNOLOVくんはやっぱ旗振ったってことだよね(笑)。

NOLOV:そうそうそうそう。「やるぞー!」ってやっぱ誰か行っとかないと、と思って。「どうする?」みたいな話を俺がいくらしてもなかなかみんな踏ん切りつかないよなっていう。言ったら歳も歳っすからね。18歳みたいなことじゃなかったから。しかも1回諦めてるし、っていうので、もう俺が辞めちゃえば辞めるだろう、つって辞めちゃって、仕事。

タイラ:毒見じゃないけど、「味は良いんだろうけど見た目がやばいキノコを先に俺食うから、半年後に腹下してなかったらお前らも食え!」みたいな(笑)。それはやっぱりリーダーがやる事かもしれないね。

NOLOV:でも馬鹿だから出来るんですよ(笑)。「やるぜー!」つって。でもすごい、それは大きかったですね。

タイラ:じゃあ前の仕事を25歳くらいの時に踏ん切りをつけて辞めて、今は音楽だけ?

NOLOV:だけしかやってないっすね、もう。愛するまぼねん(※2)も(入ってなくて)。めっちゃ酔っぱらった綾斗(※3)に「お前はフロントマンだろ!」みたいに怒られた事があって。多分あいつ覚えてないっすけど(笑)。

※2 【生活と音楽 Vol.8】× nico(Sawagi/まぼねん)
https://sams-up.com/featured/interview/seikatsutoongaku_08a/
インストバンドSawagiのドラマーnicoくんが経営する飲み屋。一時期NOLOVくんが働いていた。

※3 小原綾斗。TempalayのVo&Gt。

タイラ:綾斗はそういうこと言うタイプだよね(笑)。

NOLOV:芯くってんなー、確かになぁと思って。

タイラ:それはでもやっぱり、今までの立ち位置は「ステージに立つ人」と「ステージに立つ人の後押しをする人」っていう2つあったのが、今は完全に「ステージに立つ人」が勝ったっていうことだよね。それはNOLOVくんの中の答えが今の段階でひとつすごくハッキリと出たってことかもしれないね。

NOLOV:前に立つのをこれまではビビッてたんでしょうね。だけどこの1年でそれがなくなった感じっす。僕は目立ちたがりのくせに責任を負うのが怖かったから裏方にいたんだろうなっていう。

タイラ:それはさっきも言ったみたいに、不戦敗じゃないけど、始めてないけど、諦めてたっていうところ?

NOLOV:そうですね。俺には出来ないんだって思ってたんだろうなーっていう。恥かくのが怖かったし。

NOLOVくんとJABBAのこれから

タイラ:最後に今後の話とかも聞いていきたいんだけど、今は音楽だけを仕事にして生活をしてるってことだけど、ずっと音楽だけで行きたいっていう気持ちはある?

NOLOV:金持ちになりたいんですよ、シンプルに。でけぇ車乗りたいし、クソデカい家住みたいし、お金で不自由はしたくないっていうのは一番あって。出来るだけ金持ってる方がいいじゃないっすか。一番パワーがあるし。

タイラ:そりゃそうだ!

NOLOV:だから金持ちになりてぇなぁと思ってて。音楽はすごく好きだから、これで稼げるなら最高。ビジネスの事を考えたりもするんですけど、でもビジネス始めちゃったら逆戻りだから、今はJABBAで金稼ぐことしか考えてないし、それの方が夢があるんじゃね?っていう。だからすげぇ昭和っぽい考えっす。一攫千金でいいっしょ!っていう。

タイラ:でもそこは、もしかしたらいろんな事を見てきたし、いろんな事が出来るからこそ行きついた考え方かもしれないよね。

NOLOV:かもしれないですね。逆にシンプルになったかもしれないっす。

タイラ:ビジネスの事も考えるけど、ビジネスやったら元通りだよな、って思ってるのは、要はもうそれを経験してきているからだもんね?多分それって昭和の考えというよりは、自分の今までの生活の経験の中で、どっちにBETした方が、自分の経済的な面と精神的な面のどちらも兼ね備えた充実が出来るのかって考えた時に、俺は、NOLOVくんは結構ちゃんと冷静に考えて「今はJABBA」っていう風に思ってんじゃないかなっていう気がする。そこを一生懸命やることが、すごく具体的な可能性になるだろうっていう風に思って言ってるんじゃないかな、っていう気はするけど。

NOLOV:会社員になってても今の僕だと月30万が限界ですからね、当分は。だったら俺100万稼ぎてぇし。俺はずっと働いてたんですけど、マジで(給料たくさんは)貰えねぇし、「こんなに貰えないの!?」と思ったんですよ。絶対JABBAで成功した方が金儲けられる。

タイラ:その感覚っていうのはNOLOVくんの根底にちゃんとあると思う。でもそういう、いわゆるビジネスマン的な感覚を持ちながら音楽をやってるっていうことは、ある種正しいことだと俺は思うけどね。昭和って言ってしまうと、すごく猪突猛進的に「俺にはこれしかない!」っていう価値観な気はするけど、いろんなものがある中でちゃんと選択してるっていうような雰囲気があるような気はするなぁ。

NOLOV:マジすか?ちょっと頭良くなると僕らマズいんですよ(笑)。

タイラ:(笑)。

NOLOV:キャラ的にはマズいんですけど(笑)。

タイラ:雰囲気っていうか、匂いがする、くらいに留めておこうか(笑)。

NOLOV:でもまぁ本当に傷だらけなんすよマジで。騙されて金取られてとか、ほんっとに嫌なことばっか経験したから(笑)。そろそろ成功してえっす。わかりやすく成功して、名声得て、金得て。母ちゃん父ちゃん楽させたいし。

タイラ:そこでまた昭和の感じ出た(笑)!?

NOLOV:ホントに、マジでお世話になってるから。

タイラ:そこでなんか「いい女がどうこう」とかじゃないところが、らしいよねぇ。

NOLOV:女は難しいから(笑)。

タイラ:うん、女は難しいね(笑)。だからやっぱり父ちゃん母ちゃんだね。

NOLOV:そう。もう今の世の中大変っすから。

タイラ:実家、建て替えよう!

NOLOV:建て替えて。兄貴がクソ金稼いでるんで、それを見ると震えますよね。

タイラ:そうかー、じゃあ山もう1個買ってあげよう!

NOLOV:そうそうそう(笑)、山買ってやって、土地ガツン買って、「暮らせよ」つって、バリアフリーにして、みたいな。そんな感じっす。そういう風に出来たらサイコー、みたいな。

<JABBA DA FOOTBALL CLUB – STAY GOLD,LIFE GOES ON>

あとがき

毎回この対談をその人の生い立ちや音楽的なルーツから話を聞いていくのは、「生活と音楽」に関する価値観や美意識はそこに起因するのではないかと思っているからだ。
NOLOVくんと今回話をして、彼の芯の部分は小さい時から何も変わっていないのかもしれないと思った。
文中に出てきた「旗を振る人」という言葉は彼を表すときにとても象徴的だ。
友達にCDを貸す、Zineを創る、イベントを主催する、動画を作る、そして音楽を作る。
自分が良いと思ったものを周りに伝搬したい、という気持ちがベースにはあって、
それを受け取った他者の気持ちをアップリフティングしたいと願う。
更には、そこにNOLOVくん自身が当たり前に喜びを感じることが出来る事は彼の一番の魅力だし、強さだ。
JABBAのリリックはある時を境に変わったように思った。
自分の感覚ではストレートに、青くなっていったように感じた。
これはどういう変化なのか、最初は分からなかったのだけれど、今ははっきりとわかる。
NOLOVくんが(もちろんJABBA全員も)ひとつ、精神的にブレイクスルーをしたからだ。
その結果、自分のより芯に近い表現を目指したからだ。
「生活」という価値観にも、彼のルーツからくる美意識は貫かれている。
彼の目指す理想の「生活」(これは夢、とも置き換えられる)を実現するために、選択し、サバイブする。
NOLOVくんは道を示す旗を振り、周りを鼓舞し、自らが先んじて力強く生きる人なのだと思う。
そういう人が紡ぐこれからの「生活と音楽」に、自分はこれからも注目したい。

タイラダイスケ(FREE THROW)

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PROFILE

タイラダイスケ(FREE THROW)

タイラダイスケ(FREE THROW)

DJ。
新進気鋭のバンドと創り上げるROCK DJ Partyの先駆け的な存在であるFREE THROWを主催。
DJ個人としても日本全国の小箱、大箱、野外フェスなど場所や環境を問わず、年間150本以上のペースで日本全国を飛び回る、日本で最も忙しいロックDJの一人。

レギュラーパーティー
毎月第二土曜日@新宿MARZ「FREE THROW」
毎月第四金曜日@渋谷OrganBar「Parade」
毎月第一&第三水曜日@赤羽Enab「Crab」

<Twitter> https://twitter.com/taira_daisuke
<FREE THROW> http://freethrowweb.com/

PROFILE

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NOLOV(JABBA DA FOOTBALL CLUB)

JABBA DA FOOTBALL CLUBのリーダー。中肉中背。
抜群のカリスマ性を持つグループのフロントマン。
グループのまとめ役で、ジャバの頭脳として機能。
本当によく喋る。

<Official Website> http://jbfc.jp/

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