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O-JIRO(PENICILLIN)の誕生日を祝う。「とのさまGIG」を2日連続で開催。O-JIROらしい冴えた選曲の数々に興奮が止まらない!!
ヴィジュアルシーンの中、「生誕祭」をテーマに据えた公演を初めて行なったのがPENICILLINのO-JIROだ。「とのさまGIG」と題した、メンバーの誕生日を題材にしたワンマン公演は、当時は物珍しさと同時に、これまでにはなかったライブを行う切り口として嬉しい衝撃を与えていった。あれから、20年以上の時を経過。今や、ヴィジュアルシーンに限らず、多くのアーティストたちが大切なイベント事として「生誕祭」を行っている。PENICILLINのO-JIROが最初…とは言わないが、「とのさまGIG」を毎年行い続けてきたことが、今に繋がる「生誕祭」が通例化してゆくうえで大きな影響力を与えたのは間違いない。
今年も、O-JIROの誕生月にあたる9月に「とのさまGIG」が行われた。今回は、9月11日(土)と12日(日)に新宿ReNYを舞台に開催。昨年は、コロナ禍の影響もあり、「とのさまGIG」は無観客ライブ配信という形だったが、今年は、人数制限があったとはいえ無事にお客さんを入れて行なわれた。そこへライブ配信も加えていたように、より多くのファンたちがO-JIROの生誕祭公演に触れることも出来ていた。有観客/ライブ配信というハイブリッドな形でライブを届けるスタイルは、今のPENICILLINではスタンダードになっている。そこも、時代の波を29年に渡り巧みに泳ぎ続けてきたPENICILLINらしい冴えた戦術だ。
今回の2DAY公演は、2日間の演目ともO-JIROがほとんど選曲。これまで形にしてきたPENICILLINの全曲のデータをリスト化し管理しているO-JIROらしく、お馴染みの演目の中へ、さりげなく懐かしい曲やライブで滅多に演奏しない楽曲を加えてゆく遊び心を、2日間に渡って見せてきた。
その時期の公演用にと選出した珍しい曲たちを、2日連続で味わえる楽しさは、今回の演目の中にも反映していた。今回の2公演の中、両日とも演奏したのは「吸血鬼」「Mind Master Mind」「愛の世界」「天狼覚醒」「切り落とされた翼」になる。どれも耳に心地好く歌が届く曲たちだ。同時に、「Mind Master Mind」のように、閉塞した今の時代だからこそ伝えたいメッセージの強い楽曲を選んでいるところにも注目したい。
初日も、2日目も、「感情を高ぶらせる流れ」や「心地好く胸に想いを染み込ませる流れ」など、幾つかのブロックを立て、観ている側の心にいろんな感情の起伏を与えるドラマチックな構成を作り上げていた。
いつもの公演でも見せる行為だが、今は声を出して騒げないライブ環境。それをわかっていながら、身体を熱く騒がせる曲を立て続けに並べ、観客たちの気持ちをじらすという、精神的にサディッスティックな攻め方をPENICILLINは好んで見せていく。観客たちも、それをわかったうえで、定められたルールの境界線ギリギリのところで楽しんでいる。それもまた、今のPENICILLINのライブの楽しさだ。
2日間のライブを総称した言葉を述べるなら、初日は「甘い誘惑」を多めに。2日目は、「ビターな大人の刺激」で、PENICILLINは観客たちを刺激し続けていった。両日に共通していたのが、それが「甘い/刺激的」どちらであろうと、閉塞した今の時代だからこそ、ライブに触れている間だけは観ている人たちの心に自由を与えていたことだ。
自分らしくなりたくてPENICILLINのライブに足を運んだり、ライブ配信を通して観ている人たちも多いだろう。それが2時間強という時間であろうと、飾りを捨てた本当の姿へ戻してくれるのなら、それを求めずにいれなくなるのは当然だ。
次のPENICILLINのライブは、10月2日と3日に恵比寿LIQUIDROOMを舞台に行う千聖の生誕祭「ROCK×ROCK〜千50聖(センゴジュウセイント)~」公演になる。千聖が大きな節目を迎える歳を祝う宴のように、かなり濃密なライブが行われそうだ。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
【ライブ情報】
千聖 BIRTHDAY LIVE「ROCK×ROCK〜千50聖(センゴジュウセイント)~」
10月2日(土)恵比寿LIQUIDROOM 17:30/18:00
10月3日(日)恵比寿LIQUIDROOM 16:30/17:00
オールスタンディング9,000円(税込/D別)
■現在、一般チケット発売中!
千聖 BIRTHDAY LIVE「ROCK×ROCK〜千50聖(センゴジュウセイント)~」
リアルタイム配信決定!!
■ 10月2日(土) 恵比寿LIQUIDROOM
【視聴券販売】Streaming+ https://eplus.jp/penicillin1002-st/
■ 10月3日(日) 恵比寿LIQUIDROOM
【視聴券販売】Streaming+ https://eplus.jp/penicillin1003-st/
■両日とも
【視聴料金】¥5,000(税込)
【購入特典】公演当日撮影したデジタルフォトカード特典あり
千聖 BIRTHDAY EVENT「千聖50祭」
アーティスト:千聖&Crack6
日程:2021年10月16日(土)
時間:其の壱 14:00(開場13:30)
其の弐 17:00(開場16:30)
会場:バトゥール東京 (https://www.andativa-batur.com/tokyo/party/enkai/access.html)
全ての情報はこちら
PENICILLIN Web
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https://www.penicillin.jp/
ファンクラブ入会案内はこちら
↓↓
https://www.penicillin.jp/fanclub/enrollment
9月11日公演セットリスト
「TONOGIG 2021」(SE)
「イナズマ」
「JULIET」
「吸血鬼」
「Little Grey」
「border line」
「Back to the future」
「Mind Master Mind」
「言葉にならない愛」
「愛の世界」
「天狼覚醒」
「γ-大戦」
「DEATH DANCE」
-ENCORE 1:
「切り落とされた翼」
「SEX」
-ENCORE 2-(有観客のみ)
「orb」
9月12日公演セットリスト
「TONOGIG 2021」(SE)
「聖・MARIAN HURRICANE」
「Rosetta」
「吸血鬼」
「Too young to die!」
「秘蜜のデザート」
「Back to the future」
「Mind Master Mind」
「CRASH」
「愛の世界」
「天狼覚醒」
「太陽」
「NEW FUTURE」
-ENCORE 1-
「切り落とされた翼」
「99番目の夜」
-ENCORE 2-(有観客のみ)
「FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE」
FEATURED
- 山崎まさよし、小沢健二などで知られるベーシスト・中村きたろー、プロアマ問わず楽曲のベース演奏を依頼出来る「WEB BASS FACTORY」をスタート
- 現在はデジタルアーティストとして活動する元音楽プロデューサーの月光恵亮氏が無観客配信トークライブ
- タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.12】×キイチビール(キイチビール&ザ・ホーリーティッツ)(前編) 「俺は働けないだろうな」から動き出したキイチビールの「生活」と「音楽」
- タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.6】×西槇太一 [前編] 音楽に関わり続け、バンドマンからマネージャー、そしてまさかのカメラマンに
- 映像演出家・スミスの人生相談【きょうもスミスがかんがえた Vol.1】 はじめまして映像演出家スミスです