SHAZNA主催のHalloween Party「歌姫降臨」でMUCCと共演。2バンドが描いた熱狂の宴。

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2024年に再開した、SHAZNAが毎年10月に赤羽ReNY alphaで2日間にわたって開催しているイベント「SHAZNA Presents 歌姫降臨〜Beautiful Halloween Party〜」。今年も、10月17日~18日に開催された。
「SHAZNA Presents 歌姫降臨〜Beautiful Halloween Party Ⅲ〜」と題して初日に行ったのが、SHAZNA/MUCCによる2マン公演。この日はHalloween Partyということもあり、両バンドのメンバーとも仮装姿でのライヴを楽しんでいた。ここからは、当日の模様を紹介しよう。

MUCC

  先手を担ったのが、MUCC。『ホムラウタ』(SE)が流れるのに合わせて、場内から熱いクラップと声が上がり出す。SEが激しさを増すのに合わせて、セーラー服や学生服姿に仮装したメンバーが姿を現した。
重厚なダンスビートに乗せて轟音を轟かせ、MUCCのライヴは『Sir』から幕を開けた。全身にズーンと響く衝撃を携えて、演奏が駆けだした。一音一打が、身体をハンマーで叩くような衝撃を持って全身を打ち続ける。荒れ狂うヘヴィなダンスビートに身を預け、意識をすべて消し去り、気持ちが騒ぐままに飛び跳ねれば、それでいい。MUCCは冒頭から超刺激的な轟音と衝撃をぶちかまし、満員の観客たちの意識を狂わせていった。
 「楽しもうぜ」の言葉に続き、YUKKEのベースが、さらに重々しい音を響かせれば、ミヤのギターがヒステリカルなフレーズを掻き鳴らす。逹瑯に煽られるままに、満員の観客たちが身体を揺らしだす。そこへ「あなたが大嫌いです」の声を合図に、爆走した演奏に乗せて『大嫌い』が炸裂した。「キライキライ~」と感情を蹴飛ばして連呼する逹瑯。駆ける演奏が意識の螺子をねじ曲げる。グルーヴが増幅するごとに、意識がぶっ飛んでいくようだ。だから、フロアからも「キライキライ」と大きな声が上がっていた。そこへ…。
 印象的なギターの旋律が流れ出すと、フロアが沸き立った。逹瑯の吹くハープの音色と、荒々しくグルーヴした演奏が胸を騒がせる『ファズ』だ。跳ねたビートに乗せて、フロア中の人たちが、感情の留め金を壊して踊りだした。逹瑯の歌うメロディと掛け合うように、「Wow-wow-oh」と叫びながら、両手を高く上げて、高く、とにかく高く跳ね続ける。MUCCの演奏に乗せて、熱狂の極楽までぶっ飛んでいけばいい。気持ちが騒ぐまま、彼らと一緒に叫びながら思いきり狂えば、それでいい。
 気持ちをさらに掻き立てるように、MUCCは『最終列車』を叩きつけた。ミヤの刻むシャキシャキッとしたビートを推進力にして走るように、観客たちもヘヴィでエモーショナルなリズムに合わせて身体を刻み(揺らし)、エモい歌にずっと胸を高ぶらせ、心を打ち震わせていた。逹瑯の歌声が、胸にずっとドラマを描き続けていたのも嬉しかった。
 「踊ろうか、赤羽」の声を合図に、『夜風』へ。フリーキーでヒステリカルな旋律も響く、躍動感のある演奏の上で、逹瑯が早口で、胸を踊らせるメロディーに乗せ、観客たちを煽り続ける。お立ち台に上がって演奏をするYUKKE。エモさと疾風のように駆ける演奏を重ねながら、彼らはさらに醒めない熱狂を描き続けていった。
そこへ、ねっとりと甘く絡みつく刺激を与えるかのように、MUCCは『LIP STICK』を歌い奏でてきた。どっぷりと溺れてしまいたいのに、でも、触れ続けていると火傷しそうな。そんな扇情的な恍惚が欲しくて、観客たちがあちらこちらで高く掲げた手を揺らしては、歌と演奏に心地よく溺れていった。

この日、唯一のMCコーナーでは、逹瑯が付けまつげをしていたことや、YUKKEがルーズソックスをソックタッチで留めていたものの、すね毛に糊がこびりついてしまったことなどを語って良い意味で親しみやすいギャップを見せていた。

「1曲コピーをやらせてください」と口にして演奏したのが、SHAZNAの『TOPAZ』だった。こういう遊び心を持ってくるところが「歌姫降臨」らしい。MUCCがこの曲を歌うと、よりスリリングさを増して聴こえるのも、コピーといいつつ、彼らがMUCCの色にしっかりと染めていたからだ。IZAMに成りきらず、逹瑯節を響かせて歌うところも、むしろ、らしさが見えていいじゃないか。
 そこから、哀愁や刹那に溺れゆく表情へ塗り替えるように『Never Evergreen』へと流れる展開が、心を揺らした。楽曲が一気に駆け出したとき、胸を揺さぶる痛い衝動が走った。緩急や抑揚のある感情に合わせ、表情豊かに演奏を染めながら、楽曲はエモさを抱いたまま駆け続けていった。乱れ、燃え盛る感情的な歌と演奏に身を任せ、一緒に心を掻き乱していれば、それでいい。きっと、それでいいんだと思う。
 そこへ『蘭鋳』をぶつけてくる展開に、観客たちの感情も一気にバーストした。YUKKEと一緒に観客たちも「蘭鋳」と叫んでいた。熱情に身悶えながら歌う逹瑯。観客たちも彼と一緒に歌いながら、身体を折り畳み、手を上げて狂っていた。終盤、逹瑯が観客たちをしゃがませ、「3.2.1~」の声に合わせてジャンプをすれば、そのまま騒ぎ狂っていった。
そんなふうに騒ぎ狂う観客たちの感情を、一気に輝きの中へ解き放つように、MUCCは『Day dream Believer』を演奏。一部ダイブする観客たちも出るほどの熱狂の様を作り出していった。気持ちを歓喜へと導く歌で心を乱れ狂わせる。それこそがきっと、MUCCが観客たちに向けた愛情表現であり、熱狂の世界へと連れ出すラブレターだったに違いない。フロアから響く「Day dream Believer」の歌声も、胸をエモく騒がせた。そして…。
 「俺たちからお前たちへ、最大限の愛を込めて」の言葉とともに、MUCCは最後に『ラブレター』を、愛おしく狂おしい思いを込めて、一人ひとりの心に届けていった。いや、スケールの大きな歌と演奏で包み込みながら、しっかりと抱きしめていった。

 フロアはすでに汗ばむほどの熱気に満ちていた。場所によってはサウナ状態だったろうか。この熱気こそが、早くも第一夜の熱狂ぶりを物語っていた。

SHAZNA

 さすが、遊び心満載の「歌姫降臨」らしい冴えた演出と言うべきか、SHAZNAのライブの冒頭を飾ったのは、MUCCの『謡声』を、あえてタイトルを変えて届けた『川越』だった(MUCCにばれないようにセットリストを『川越』と変えていたそうです)。意外性を持った展開に、夢烏(むっかー/MUCCファン)も狂喜し、騒いでいた。もちろん、LOVERS(SHAZNAファン)だって、3人が愛情を込めて届けた歌だからこそ、熱狂に溺れるのは当然だ。軽快に駆ける演奏に乗せて、キャッチーでメロい華やかな楽曲に染め上げるところが、SHAZNAらしい。初見で触れた人たちも、最初から手を振り上げ、心地よく身体を揺らしていた。そうそう、IZAMとA.O.Iが、『Beautiful Halloween Night』のMVに登場した麗しきレディーとジェントルマンの姿で登場したのとは対照的に、今年もNIYは奇抜ながらも彼らしい、ケンタウロスならぬシマウマの仮装姿を見せていたことも伝えておきたい。
そこからの『Melty Love』の展開に胸が躍った。今や国民的なポップチューンとも言える楽曲を、早くもこのタイミングで披露し、3人は、LOVERSはもちろん、夢烏(むっかー)のハートもがっちりとつかんでいった。軽快に弾むビートに身を任せ、ふたたび熱を膨らませ出した空間の中で、彼らと一緒に、とろけそうなほど蜜々しい時間を味わい、その甘さにとろけてしまいたい。2人のメンバーと観客たち、そしてIZAMによる「Melty Love」「離さない 離せない」のやりとりもお馴染みの光景…とわかっていながらも、それでも、みんなで心を一つにしたくなるし、「Melty Love ×3」と、愛おしい思いを重ね合わせた合唱で、会場中を甘い色で染め上げたくなる。身体が火照るその熱が醒めないからこそ、やっぱり今夜も眠れなくなりそうだ。
そこから『das Spiel』へと曲を繋げ、SHAZNAは激しく、でも、華やかさも抱きながら、荒々しく疾走する演奏の魔の手を伸ばし、満員の観客たちを熱狂という興奮の渦の中へ巻き込み、奈落で繰り広げる、お茶目なモンスターたちの宴の中へしっかりと落として逝った。
 ここで本家が『TOPAZ』をぶち噛ましてきた。先の流れを受けて触れた理由も加味されたのか、高ぶり、騒ぐ気持ちの衝動を抑えられなかった。いや、抑える必要なんかない。ここは、人里離れた異形が集う、人間の皮を脱ぎ捨て、艶やかな装いで迫るモンスターたちと一緒に、自分も愛らしいモンスターになってはしゃぐ宴の地。だから、気持ちが求めるままに騒げばいい。ルール?唯一あるとしたら、それは、あなたの心に素直に従えって楽しめ…ということだ。

 MCでは、NIYの仮装にIZAMが突っ込めば、NIYは「俺が一番Halloweenを楽しんでいる」と力説していた。本当なら、この日は3人とも『Beautiful Halloween Night』のMVの衣装で登場する予定だったらしいが、そこを軽々しく裏切るところもNIYらしい。MCでのIZAMとNIYによる、毒舌で下世話ながらも微笑ましいそのかけあいも、今やライブに欠かせない楽しみだ。

ここからは、今年リリースした曲や、これからリリースする曲を並べ、今のSHAZNAの姿を見せていった。最初に届けたのは、9月に配信リリースした『愛飢エテ尚、キミヲ想フ。』。IZAMの歌から始まり、トリッキーな展開を描き出す楽曲だ。心を甘く、淫らに染め上げる歌に触れていたら、気持ちが冥々な世界へと沈み込み、連れていかれるようにも感じていた。LOVERSも夢烏(むっかー)も、心をとろけさせる演奏に抱きしめられたまま、一緒に迷宮の世界で恋しい思いを重ねあい、交わしあっていた。
 次に披露したのが、11月11日に配信リリースされる『桃玉-Tougyoku-』だ。躍動するスリリングな演奏の上で、心地よい緊張感を抱きながらも、SHAZNAらしい甘いメロディーでしっかりと酔わせ、気持ちを引き寄せていく。ライブで触れていると、ロックなダイナミズムを覚えるが、とても胸を潤す美メロな曲だけに、歌詞に綴られた思いがとても気になっていた。きっとこの曲も、ストレートな感情に見せて、SHAZNAらしい、少し歪んだ思いが募る恋の歌なのかもしれない。
そのうえで、甘く、妖しく、触れた人たちを官能で麗美な世界へ誘うように、SHAZNAは7月に配信リリースした『LOVE BANQUET』を歌い奏で、官能的に、サディスティックにとせまっていた。少し強気な姿勢で、淫らな世界へ誘い込む彼らの音の手招きに触れながら、観客たちは身体を揺らしつつも、濡れるように心を乱していた。そのうえで、淡い青春の景色を、一人ひとりの心の中のスクリーンに描くように、8月に配信リリースした『飴色サマーライダー』を持ってくる展開に、ただただ心がとろけていた。
彼らは1曲ごとに、いろんな恋の世界へ観客たちを誘(いざな)い、さまざまな恋の手練手管で誘(さそ)いかける。えっ、どれが本当のあなたの恋する顔なの?と突っ込みたくもなるが、人は一つの恋をするごとに、何十、何百という、恋する心の表情を見せていくのも事実だ。曲が変わるごとに、いろんな視点から恋に溺れ、翻弄されていた観客たち。今宵のSHAZNAは恋の万華鏡を通して、いろんな恋の煌めきを見せては、一人ひとりのハートを恋の虜にしてゆく魔法をかけていた。

  「参れますか?」「参る~!」のやりとりを合図に、ライブの後半は『SIGNAL』からスタートした。ふたたび攻めの姿勢に気持ちを切り替えた3人は、光降り注ぐような輝きに満ちた世界へ、チクッとしたスリリングな刺激も忍ばせて歌い奏でていた。彼らは人肌の温もりを持った歌声という包帯で、一人ひとりの心と心をきつく結び合わせていた。身体中に幸せが満たされていく。だから、ときめくこの世界で、もっともっとときめいていたくなる。
 A.O.Iのギターの演奏が激しく火を吹いた。SHAZNAは『一角獣-モノケロス-』を凛々しく歌い奏で、たくさんの手の花が揺れる景色を作りあげていた。凛々しさと甘い香りが1曲の中で溶け合いながら、触れた人たちの心を乱し、熱狂という甘くて刺激的な宴の中へ導いていく。そのうえで…。  
「ラスト参れますか?」「参る~!」と熱い声を交わし合い、気持ちを確かめあえた彼らは、最後に、終わらない夏の景色の中へ解けない魔法で閉じ込め、一緒に素敵な夏の恋を何度も、何度も塗り重ねようと誘うように『夏彩マジック』を歌い奏でていた。SHAZNAがかけるI LOVEの魔法がチクッとした刺激を与えるたびに、ハートがメラメラと燃え上がる。Halloweenという魔力が増した今宵に味わうI LOVEの魔法は、宴の場にいたみんなを、熱狂に燃え盛る気持ちのまま引き留め、喜びと興奮を味わい尽くす素敵な夏の恋人たちにしていった。SHAZNAと一緒に踏み出したひと夏の物語は、今宵も、いつものように眩しかった。

ラストセッション

 ここで、MUCCのメンバーを一人ひとりステージに呼び入れた。SHAZNA×MUCCが一緒になって届けたのが、10月に配信リリースしたSHAZNA流Halloweenナンバーの『Beautiful Halloween Night』だ。「ギィ~ッ」ときしむ音の扉を開けた先に広がっていたのは、「Trick or Treat」と呼びかけながら、「みんなに悪戯しちゃうぞ」とはしゃぐモンスターたちが繰り広げた宴だった。6人のモンスターがかける魔法によって、この場にいる全員が無邪気な童心に戻り、彼らと一夜の宴に興じていた。とても華やかだ。でも、どこかスリリングで怪しい香りも漂う宴だ。IZAMと逹瑯が「くれっ!くれっ!」と、みんなのハートの熱を求めるように歌を交わしあい、重ねあう。A.O.Iとミヤも寄り添いながら演奏を繰り広げ、NIYとYUKKEも…と言いたいところだが、すでに体力の限界を迎えていたNIYは、しゃがみ込んだまま演奏していた。NIYに寄り添って演奏をするYUKKE。その関係性も微笑ましい。最後の最後まで彼らは、BeautifulなHalloween Nightを、LOVERSや夢烏(むっかー)と一緒に浮かれながら、はしゃぎ祭っていった。

PHOTO: by Lestat C&M Projec:
TEXT:長澤智典

セットリスト MUCC
『ホムラウタ』(SE)
『Sir』
『大嫌い』
『ファズ』
『最終列車』
『夜風』
『LIP STICK』
MC
『TOPAZ』(SHAZNAカバー)
『Never Evergreen』
『蘭鋳』
『Day dream Believer』
『ラブレター』 
                                     
SHAZNA
『-川越-』(MUCCの『謡声』)
『Melty Love』
『das Spiel』
『TOPAZ』
MC
『愛飢エテ尚、キミヲ想フ。』
『桃玉-Tougyoku-』(11/11リリース新曲)
『LOVE BANQUET』
『飴色サマーライダー』
MC
『SIGNAL』
『一角獣-モノケロス-』
『夏彩マジック』

ラストセッション
『Beautiful Halloween Night』

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