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映像演出家・スミスの人生相談【きょうもスミスがかんがえた Vol.7】「演出家になる」についてかんがえた(その2)
こんにちは。映像演出家スミスです。
広告の業界で長年働いてきて、いつのまにか染みついてしまった「常識」みたいなものがあるんだけど(そんな話はまたいつか)、最近はドラマの仕事をしていてそういう感じがひっくり返ることが多くて、演出の面白さと難しさに右往左往している毎日です。では、前回の続きから。
フリーターになって半年、大学時代の友人に誘われるまま映像制作会社への見学に出かけ、そこでプロの映像制作現場に立ち会う。そのまま制作会社に顔を出すようになる。とにかく「やりたい業界にいることが大事」と感じたので、アルバイトもすぐに辞めて、毎日通った。もちろん誰からも頼まれてはいないが、確実に人手は足りておらず、猫の手としてのチャンスも山とあり、いつのまにか正社員の制作部になることが出来た。
どうして演出家になれたか考えるときに、一番に頭に浮かぶのはこの時期だと思う。どんなに才能があってやる気があっても、結局「現場にいる」ことがないと、何も起きない。「現場にいる」ことが、最も大事なステップだと思う。
そこから二年ほど使えないアシスタントとしているなかで、演出家としてのチャンスを掴んでいった。アシスタントをしている作品に少しでも良いから、自分の演出を潜り込ませていった。小道具、エキストラ、コンテ作成、企画打ち合わせでとにかく思いついたら言う。アシスタントなんだから、的を外していても演出家が補正してくれるし、結果失敗だったとしても責任はない。演出家を使って、トライアンドエラーが許される。この時期にどれだけコツとノウハウを掴めるかが、仕事を長続きさせられるかどうかに関わってくる。
演出方法のストックは多ければ多いほど良い。いろんな演出家と仕事ができるアシスタントなんだから、方法論を自分なりに解釈して、失敗と成功を体感できる絶好の機会だ。