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邦楽インディーズアーティスト紹介ブログ【 I FOUND OUT 】Vol.01 ズーカラデル

最近の曲はテンポも速いし、密度が濃くて複雑なものが多いですが、ズーカラデルはそれとは逆にシンプルなところが良いです。スコーンとそれこそビートルズやオアシスみたいにすぐに口ずさめるグッドメロディと真っすぐな歌詞、邦楽で言えばスピッツとかくるりみたいに実は結構難しい事をやっていたとしてもパッと一聴した感じではシンプルに感じられる歌いたくなる感じ。そういうところがこのバンドの肝であり素晴らしいところだと思います。それから音質もとても良いです。これもかなり大事な事で、あまりにも音が悪すぎたり耳に痛いほどのキンキンしたサウンドだと普通の人は何回も聴く気にはなれません。アルバム『夢が醒めたら』は全体を通して非常にバランスが取れた消化に良いマイルドな音作りをしていると思います。
またGt&Vo.吉田崇展さんの描く歌詞が秀逸で、例えば「ダンサーインザルーム」では
君が悲しい時にも
僕は笑ってられるのさ
やらしい夢をみたり
の「やらしい夢」という言葉の置き方・使い方だったり
言葉にできないや
言葉にするなよ
の「言葉にできないや」の後に心の中でグッと歯を食い縛って「言葉にするなよ」と自分に言い聞かせているようなところなど本当に最高です。
前作のミニアルバム『リブ・フォーエバー』に収録されたこれまた大名曲の「アニー」も、もうまるごと素晴らしいのですがサビの歌詞だけでも
ねぇ
素晴らしくないけど
全然美しくないけど
YOU AND I
泥だらけの僕らの世界を歌え
何度も
もう涙も出ないほど
ずっと鳴りやまない音
取るに足らない日々の中で
出会ったものを歌え
何度も
と、心のドラをドーンと打ち鳴らしてくれます。ロックがエリートの音楽じゃなくて、いつだって情けない僕達が明日を泥臭く生き抜いていくための勇気になるという事を本質的に彼らはわかっているんです。
札幌発の3ピースロックバンド、ズーカラデル。
このまま野生動物みたいにのらりくらりと飄々と、いつのまにか大きな存在になっていって欲しいですね。
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