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Nozomi Nobody【Origin Vol.6】× Kaz Skellington(Playatuner / umber session tribe)[前編] ユーザーの「人生を変える」決意と使命。日本一のヒップホップWEBマガジンが出来るまで【前後編】
Kaz:結局音だけだと、狭いコミュニティーの中でSNSっぽくコメントやいいねとかをし合ってるだけになっちゃうと感じたんです。そうじゃなくて、マジで一つひとつのコンテンツが人の人生変えるくらいのものであれば、マスの人達がコアな方に入ることが出来るし、音楽好きな人達ももっと深く行くことが出来る。大体の人達って多分スポットスポットでしか音楽聴いてないと思うんですよね。「この曲良い」って感じで、でもそれ以上は聴かないとか。そうじゃなくて、本当に音楽にコミットさせるにはどうしたらいいかっていうことを考えたら、やっぱり作品がリスナーの人生を変えるような体験を提供するしかないだろうと思って。それをやるならユーザー同士のインタラクションがあるものだと難しいと思ったんです。ユーザー同士でワイワイやるのって楽しいんですけど、そういう深い体験は生まれにくいんですよ。だからそうなった時に、自分の考えを出す…ちょっと言い方悪いですけど、もっとトップダウン的なアウトプットじゃないと、人生にそこまでのインパクトは残せないのかなっていう。
Nozomi:それは自分がSNSで言うところのインフルエンサーみたいになっていくっていうこと?
Kaz:それもありますね。それでメディアとして、文化の土台を作る当事者としての責任を持つのが重要です。今多分その責任感を持っているメディアって少ないと思うので。適当にゴシップみたいなの書いて、アクセス数稼ぐメディアって多くて…だからそうじゃないものを自分がやらないといけないなって。60歳くらいになった時に「今の若者は音楽にお金を払わないから」みたいなことは絶対に言いたくないなと思ってて。何か文句があるんだったら、マジで自分で行動を起こして変えないと意味がないって俺は個人的に思ってしまうんで。だからもし俺が60歳になった時にそれ言ってたら、完全に失敗したと思って下さい(笑)。
Nozomi:あはは。
Kaz:メディアって便利っちゃ便利なんですよ。はじめるのは簡単だし、ちゃんと論理的にものを書けて、且つ「あっそ」で終わらないコンテンツを作れる人であれば、絶対伸ばせる。数字はやればやるほど絶対伸びるんで。あとはもっと言うと、世の中のインパクトっていうことを考えた時に、実はTwitterとかSNSって最初のスタートラインにはあんまり向いてなくて。何でかって言うと、世の中の多くの人達って、何を作ったかじゃなくて誰が作ったかの方が重要なんですよ。
Nozomi:うん、それはよくわかる。
Kaz:でもそれが違うのが記事なんですよね。記事ってほとんどの人が、誰が書いたかってそこまで気にしないんです。
Nozomi:確かに。
Kaz:「記事」って読むと、多くの人がオフィシャルなものだと信じるじゃないですか。
Nozomi:それはあるね。
Kaz:その戦略も実は最初からあって。「俺という、全く何の発言力もない人が発信していくにはどうしたらいいか」っていうのを考えた時に、ちゃんと自分が顔を出して責任持った立場で、想いをこめて書けば評価してもらえるプラットフォームがメディアだっていう、そういう戦略的な面と、「こういう気持ちだからこれはやらないといけない」っていうその両方が合致したんですよね。あとはやっぱり海外と日本の情報差みたいなのはかなり感じてたんで、例えば俺の周りでヒップホップのリリック聴いて人生変わった人って、いたとしても多分日本のヒップホップが多いだろうし、あとはバンドマンとかはみんな主にサウンド面で影響されているので。
Nozomi:そうだね。
Kaz:バンドメンバーとかも、みんなヒップホップをちょいちょい聴いてる中で、多分俺と聴いてるものが全然違うじゃないですか。
Nozomi:聴きどころがね。
Kaz:それをもう少し彼らにも伝わるように書きたいな、っていうことも意識しながら、どう書いたら伝わるかも考えながら書いたりしてます。その情報差を埋めるために、自分が間に立つ必要性ってやっぱりあるなと思ったんで。メディアっていうのは、そういう意味ではすごく重要だなって。
(後編につづく)
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