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タイラダイスケ (FREE THROW)【生活と音楽 Vol.8】× nico (Sawagi / まぼねん) (後編)「夢を与えるための生活と存在意義としての音楽」

nico:いや僕してないです。でも結婚して子供生まれてとか、親が介護が必要な状態になったりとか、そういうことももちろんバンド活動に直結してきますからね。バンド活動ってすごい特別な感じありますけど、本人以外のことまで含めて考えたら当たり前に普通の生活が側にありますもんね。普通の人と同じというか。
タイラ:そうだよね。生活との接点は常に持ち続けてなきゃいけないし。だからさっき言ってた絶対的な正解っていうのはないかもね。でもだからこそ選択が人の数だけあるっていうところに逆に希望はあるかもしれないとは思うかな。色んな人の経験談とか今までやってきたことをアレンジして、自分の状況とか環境に一番フィットする形っていうのが何だろうなっていうのをそれぞれにやると思うんだけ ど、やっぱりそれも選択肢が多くないと自由に選べないし。あとは若い子がどうなのかなって先の連載とかで聞いてみようと思ってて。大学卒業をして、バンド軌道に乗りそうっていうタイミングで就職をする子の話とか。それはそれでひとつ絶対正義だし。
nico:その話聞くの面白そうっすね。僕この店始めるとき35歳やって、音楽そんな歳までやってるって正直思ってなかったんで。他の人に「音楽そんな歳になってまでやって」って言われてても、そこからでも全然人生楽しめるでっていうのを、バンドと店の目標としてやりますわ。
タイラ:ここからまだ全然いけるっていう。それは確かに一番夢があるね。
nico:そういうのを見せた方がやっぱり面白いっすよね。
あとがき
今回のインタビューの中でnicoくんが何度も言っていた「流れに身を任せて」という言葉が自分の中にすごく残っている。
ややもすると、それは自分の人生を無責任なものにしてしまいそうにも聞こえるけれど、彼の場合は全くそうはなっていない。
それが何故そうなのかと考えると、やはり彼自身が持つ強烈な人間的魅力が一番の要因だろうと思う。
彼の為に何かをしてあげたいと思える人たちが自然と集まってくる環境を、彼は知ってか知らずか作り上げていっている。
そのバックボーンにはもちろん天性のものも多分に含まれてはいるだろうけれど、このインタビューでも語られた紆余曲折のバンド人生を通した出会いや経験が、年輪となって刻まれているのも想像に難くない。
バンドで飯を食おうと思ってがむしゃらに走っていた過去を経て、彼は今は「バンドとしては俺はもう売れたいとかはない」と言い切る。
そして「メンバーのことが好きだから、4人全員がバランス良く、自分たちの存在意義としてバンドを続けて行ければいい」という心境の変化を語る。
この変化は皆さんの目にはどう映るだろうか?「諦めた」と思う人もいるかもしれない。
自分はこの変化はこの対談連載のテーマでもある「生活と音楽」の明快な一つの形だと思う。生活から音楽へ還るもの。音楽から生活へ還るもの。
まぼねんというある種理想の場所を手に入れたnicoくんのこれからの「生活と音楽」がどうなっていくのか、すごく楽しみにしている。
これからもよろしく!
(タイラダイスケ)
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