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映像演出家・スミスの人生相談【きょうもスミスがかんがえた Vol.15】スミス、「新しい仕事」についてかんがえた(その2)
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こんにちは。映像演出家スミスです。
ロケで10年ぶりぐらいに北海道、札幌へ行ってきた。やっぱり別格の寒さだった。出演者もさることながら、慣れないスタッフ(自分自身も含めて)にはなかなかの難敵である。いつも以上にワンカットにかける時間が短くなっていく。撮る前に最小限の選択肢を必死に考えるようになる。帰って編集してみたが、使いどころぴったりの効率の良い素材となっていた。出来上がりはいつもと変わりないが、ねらいがズバズバ当たっている気がして、気持ちが良いものである。この仕事、無駄か無駄でないか、難しい。
前回の続き。
依頼を受けて、ばってん少女隊「MEGRRY-GO-ROUND」のミュージックビデオを演出することになった。テーマは「脱かわいい」。それまでの元気で勢いたっぷりな楽曲から、ちょっとしっとりしたバンドサウンドへ変化したこともあるし、彼女たちの新しい魅力を探るためでもある。若い彼女たちは変化が激しい。前回の手法が必ずしも有効とはいえないし、別の角度から光を当ててみることで、全く違う「才」を捉えることができるかもしれない。
でも一番大事に思っていることは、自分自身が前回までの手法に飽きているということだ。もっと違うものを観てみたいという好奇心。彼女たちの変化を感じたいという素直な気持ちと、新しいものを生み出したいという「もがき」が、作品を変えていく。
今までの撮影では、勢いを表現するためにハンディカメラワークを多用していた。ハンディでの撮影は、画面が刻一刻と変化するために、常に観る人の感情を刺激し続けることができる。それくらい刺激的なものを作りたかった。